2008年01月12日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 人類の未来占う実験だ−−「千の風になって」を作曲、作家・新井満さん【毎日新聞2008年1月12日】

 ヒット曲「千の風になって」を訳詩、作曲した芥川賞作家の新井満さん(61)=新潟市出身=は、トキに格別の思いを寄せる。03年に36歳(推定)で死んだ日本産最後のトキ「キン」(雌)を題材にした小説を著し、佐渡の自然環境にも詳しい。いまだあせないキンへの思いや、野生復帰事業への期待感を聞いた。【聞き手・五十嵐和大】

 <一世一代のトキ自然放鳥に注文がある>

 いま佐渡にいるトキは、そもそも(99年以降)天皇、皇后両陛下が中国から譲り受けたもの。それを放鳥するというのは大きなイベントであり、歴史的な年になると思う。無事、佐渡の大自然に戻るのか、もっと注目されていいぐらいだ。

 <自著「朱鷺のキンちゃん空を飛ぶ」(05年、理論社)は児童書だ。でも大人にも読んでほしいと願う>

 佐渡トキ保護センターに足を運ぶたび、ビデオを通してキンちゃんの元気な姿を見ていた。ところが、ある日突然、ケージ内で羽ばたいて、ドアに頭を打ちつけて死んだ。作家だから、死の意味についていろいろ考えた。キンちゃんは、覚悟の自殺だったのではないか?

 (68年、キンを旧真野町で捕獲した)宇治金太郎さんを親のように、あるいは恋人のように慕っていた。捕獲された後も、人と鳥と、種を超えた魂の交流があった。その宇治さんが先に亡くなり、キンちゃんはすべてを考えた上で死を覚悟したのでは?

 「朱鷺のキンちゃん空を飛ぶ」は児童文学だが、テーマは「命」。今の子どもたちに一番必要なものは命の教育でしょう。どんな命にも役割があって、生まれてきたことに感謝してほしい。そういう哲学がないから、親が子を殺し、子が親を殺す社会になってしまった。

 <日本産の死滅と、放鳥の意味するところを、どう考えたらいいのか>

 トキという種は、炭鉱内で危険を教える「カナリア」のような役割を果たしてくれた。その最後の1羽がキンちゃんだ。キンちゃんは日本のカナリア。今年放鳥されるトキは、地球のカナリアになるだろう。佐渡にいながら、危険信号を発してくれているはずだ。

 キンちゃんの死は、日本の自然環境の問題だった。しかし、放鳥以降は、地球環境との関係で考えなければならない。今のままでは、地球は温暖化などでめちゃめちゃになる。放鳥後、昔のように飛べる環境ができるかどうか。地球環境全体にとっての実験になる。

 トキがもう一度、佐渡を舞うことができたら、地球もまんざら捨てたものではない。失敗すれば、人類に未来はない−−。トキが生きられないような環境に、人間が生きられるはずはない。トキの未来は、人類の未来でもあると思う。
http://mainichi.jp/articles/20080112/org/00m/040/999000c

http://archive.is/WqbRF
朱鷺色の空に 2008初放鳥 別れの舞、興奮の一瞬−−全鳥捕獲直前の5羽を撮影、毎日新聞・岡崎一仁記者【毎日新聞2008年1月11日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/5止 地域振興 人・環境、新たな関係を /新潟【毎日新聞2008年1月8日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/4 順化訓練の成果 環境適応に手探り /新潟【毎日新聞2008年1月7日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/3 冬季湛水とビオトープ 田んぼを「暮らしの場」に /新潟【毎日新聞2008年1月5日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】

2008年01月11日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 別れの舞、興奮の一瞬−−全鳥捕獲直前の5羽を撮影、毎日新聞・岡崎一仁記者【毎日新聞2008年1月11日】

 国が佐渡のトキ全鳥(5羽)捕獲を決めた79年の暮れのこと。毎日新聞夕刊(79年12月8日付)に、縦6段分の大きな写真が掲載された。佐渡で野生の5羽が最後に撮影された一コマで、大きな反響を呼んだ。撮影に成功した毎日新聞写真部のカメラマン、岡崎一仁記者(60)に当時を語ってもらった。【聞き手・五十嵐和大】

 <記事の見出しは「別れの舞か…」とある。掲載から1年余りたった81年1月までに、5羽はすべて捕獲された>

 79年12月3〜5日、環境庁などが実施した最後のトキ一斉調査に同行した。人工飼育するため、国が佐渡のトキを一斉捕獲する方針を決めた直後のことだった。野生のトキを撮影できる最後の機会だった。

 当時は、環境問題や自然保護への関心が全国的に高まっていた時期だったのだろう。わざわざ東京から写真部員(カメラマン)が行ったぐらいだから、世間の注目を集めていたんだと思う。

 <性格的に、人懐っこいとも、警戒心が強いともいわれるトキ。粘り強く、その「一瞬」を待った>

 私は当時、入社6年目。デスクに「野宿してでも撮ってこい」と厳しく言われ、その通り、翌日分のおにぎりも作ってもらって宿を出た。

 2日目の4日早朝、調査員の後を追って、両津の沢地(柿野浦地区)を歩き回った。そうしたら、ねぐらに来たのか、立ち木に舞い降りた5羽の姿を見つけることができた。幸運だった。

 100〜200メートル離れたところにとどまり、800ミリ望遠レンズに2倍のテレコンバーターを付け、三脚を立ててシャッターチャンスを狙った。2時間ぐらいたって、5羽は突然舞い上がり、ゆっくりと旋回すると、尾根の向こうに姿を消した。

 <岡崎記者は5羽の写真に添えた記事で、こう記している。「一瞬、シャッターを押す手が止まるほど、それは自然で、美しかった」>

 一瞬だった。その間に撮影できたのはおそらく1、2枚だけ。朝日が逆光になり、広げた翼が朱鷺色に透けて見えた記憶がある。東京に帰る夜汽車の中、チラシの裏に原稿を書き連ねたことを鮮明に覚えている。興奮していた。

 全鳥捕獲後、5羽を最後に撮ったのが自分だったと聞かされた。「やったな」と誇らしい気持ちだった。

 でも、あれから28年が過ぎ、当時の5羽が絶滅する一方、佐渡のトキが100羽にもなったと聞くと、時代が変わったという思いがする。
http://mainichi.jp/articles/20080111/org/00m/040/999000c

http://archive.is/fmlkS
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/5止 地域振興 人・環境、新たな関係を /新潟【毎日新聞2008年1月8日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/4 順化訓練の成果 環境適応に手探り /新潟【毎日新聞2008年1月7日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/3 冬季湛水とビオトープ 田んぼを「暮らしの場」に /新潟【毎日新聞2008年1月5日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】

2008年01月08日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/5止 地域振興 人・環境、新たな関係を /新潟【毎日新聞2008年1月8日】

 「分散飼育されるトキは非公開のため、島の観光に対する影響はありません」

 先月、佐渡島で放映された地元のテレビ番組の一場面。佐渡トキ保護センターから、鳥インフルエンザなどへの感染を防ぐ緊急避難対策として、4羽が東京・多摩動物公園に移された。その様子を伝えるアナウンサーのコメントは、トキが佐渡から離れることによって「トキの島」という優位性が低下することへの懸念が、ほの見えた。

 佐渡への観光客入り込み数は、バブル崩壊以降長く低迷が続いている。試験放鳥を契機に「エコツーリズムなど、観光の起爆剤にしたい」ともくろむ関係者は多い。

 ただ、最優先されるべきは「種の保存」。県の関係者からは「今はまだ、佐渡という繁殖場所を(国に)貸しているだけのよう。地域の魅力作りに、もっと積極的に活用したいのはやまやまなのだが……」との声も聞こえる。

    ◇

 環境省は多摩動物公園以外にも、佐渡と同様の人工飼育を行う分散先を探している。04年の中越地震からの復興を念頭に「トキが空に舞えば、夢がある話だ」と前向きに検討する長岡市のほか、かつて生息地だった石川県、島根県出雲市も名乗りを上げる。

 しかし分散飼育にしても、「種の保存」という目的が最優先されるのは佐渡と同様で、「客寄せの道具にしてもらうわけにはいかない」(環境省野生生物課)。飼育費用も地元負担となるが、税金を投じてトキを受け入れる意義を住民にどう説明しているのか。

 出雲市の担当者は「トキをシンボルに、環境に配慮したまちづくりをアピールできる」と明かす。さまざまな制約があるのは覚悟の上で、トキを地域振興に活用したいという思惑が、島の外にも広がっている。

    ◇

 05年、人工飼育したコウノトリの放鳥に成功した兵庫県豊岡市。繁殖拠点の県立コウノトリの郷公園は、年間来場者数は48万人(06年)を数える観光施設でもある。園内の公開ケージで飼育中のコウノトリを間近で見学でき、条件が整えば、周囲の水田地帯を舞うコウノトリが姿を現すこともある。

 同公園の池田啓・研究部長(動物生態学)に聞いた。トキを「見せ物」にしてはいけないのか。

 「放鳥に向けての緊張感はあろうが、学者(や国)だけで判断すべきことではない。今まで使われた税金がどう還元されたのか、住民にきちんと説明できなければいけない」という。そのうえで、「トキのヒナを、ただ『かわいいね』とめでるような見せ方ではなく、トキが暮らす自然環境のあり方も含めて紹介するなど、皆でよく話し合った上で、集客に活用すればいいのではないか」。

 佐渡のトキを取りまくすべての人を、傍観者でなく当事者として巻き込んでいく。そうなれば、「試験放鳥」という一大イベントは、人と環境の新たなかかわり方を築き上げる転機ともなりうるはずだ。(終わり)=この企画は五十嵐和大、磯野保が担当しました

ことば「佐渡観光」
 県によると、佐渡島への06年度の観光客入り込み数は65万2885人。ピークだった91年度(123万392人)に比べ、約53%にまで落ち込んだ。このうち26万6000人が佐渡金山を訪れ、佐渡トキ保護センターを含む「トキの森公園」は19万5900人。島内2位の集客を記録した。
http://mainichi.jp/articles/20080108/org/00m/040/999000c

http://archive.is/Nct19
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/4 順化訓練の成果 環境適応に手探り /新潟【毎日新聞2008年1月7日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/3 冬季湛水とビオトープ 田んぼを「暮らしの場」に /新潟【毎日新聞2008年1月5日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】
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2008年01月07日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/4 順化訓練の成果 環境適応に手探り /新潟【毎日新聞2008年1月7日】

 「好〓(いいぞ)!」

 昨年5月31日、中国・陝西省寧陝(ねいせい)県で新たに設置されたトキ順化施設で、人工繁殖のトキ26羽を放鳥した瞬間、歓声が沸き起こった。同県は佐渡島同様、かつて野生のトキが生息し、絶滅した場所だ。今秋、自然放鳥が行われる佐渡の関係者にとって、寧陝県の事例は何かと参考になる。

 放鳥に立ち会った陝西省高官は「人類が絶滅危惧(きぐ)種を救うという、歴史的な意味を持った一つの業績だ」と興奮気味に語った。

 しかし、日中で長くトキ人工飼育に携わった、九州大特別研究員、席咏梅(せきえいばい)さん(41)によると、放鳥3カ月後に生息が確認されたのは、半数以下の11羽。洪水で流された個体もあったといい、席さんは「えさが不足していたのか、えさを探す訓練が不十分だったのか」と首をかしげる。

    ◇

 佐渡市新穂正明寺の野生復帰ステーション。昨年7月から、人工飼育したトキ5羽(12月からは17羽)が自然下で暮らしていくための「順化訓練」が行われている。

 訓練の主な舞台となる「順化ケージ」は面積4000平方メートル、高さは最大15メートル。放鳥候補となるトキはここで連日、飛行訓練や、ケージ内を人が歩き回る「人なれ訓練」を重ねている。放鳥後を想定して群れ(約10羽)単位の集団生活だ。近くの「繁殖ケージ」では、つがいをつくり、営巣からふ化までを自分たちで行えるよう、練習を繰り返す。

    ◇

 しかし、順化訓練がどの程度必要なのか、確たる定説はない。「1年程度」という目安で昨年から訓練に入ったが、訓練通りに人造のえさ場に降りるのか、誰にも分からない。

 放鳥に最適な時期についても、専門家の意見はバラバラだ。環境省は「繁殖期の春先は避けたい」といい、中国国家林業局の王偉・保護司副司長は「暖かくなる季節のほうが、環境に適応しやすい」と話す。佐渡とき保護会顧問の佐藤春雄さん(88)は、ペアリングを優先して「2月下旬がいい」と薦める。

 県は「えさ不足の問題は冬も春も同じ」(県環境企画課)とこだわらず、先月から分散飼育を始めた多摩動物公園の担当者は「野生復帰は一朝一夕にできるわけではない。多少の犠牲は仕方ない」と冷徹にみる。

 佐渡のトキは、寧陝県のような大量死を免れて生きていけるのか。成功すれば、歴史的快挙。もし失敗したら……。トキを愛する人たちの手探りが続いている。(つづく)

ことば「中国のトキ保護」
 60年代に絶滅したとみられていたが、81年に陝西省洋県で7羽の生息を確認。生息地の農薬散布などを厳しく制限し、野生種の保護と人工繁殖を同時並行で進めた。結果的に、野生種を含め1000羽以上にまで増殖できた。04年から洋県で繁殖した個体の自然放鳥を行い、放鳥後の自然繁殖も確認している。
http://mainichi.jp/articles/20080107/org/00m/040/999000c

http://archive.is/gRYGE
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/3 冬季湛水とビオトープ 田んぼを「暮らしの場」に /新潟【毎日新聞2008年1月5日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】

2008年01月05日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/3 冬季湛水とビオトープ 田んぼを「暮らしの場」に /新潟【毎日新聞2008年1月5日】

 佐渡島の南東部、旧新穂村に広がる小佐渡丘陵。斜面に沿って、階段状に棚田が広がっている。ヘリで上空を飛んだ先月19日、所々の田んぼが鏡のように、冬の薄日を反射していた。今秋、佐渡の空に帰るトキもきっと、同じ光景を目にするはずだ。

 この時期、新穂の田んぼが水をたたえるのは理由がある。

 農閑期の田んぼは通常、農業機械を入れやすくするため、水を抜くことが多い。だが、ぬかるんだ田んぼには冬でも、虫などの水生生物が生き残る。試験放鳥後、こうした田んぼをトキの「暮らしの場」にしようと、県や市、ボランティアなどが「冬季湛水(たんすい)水田(冬水田んぼ)」づくりを進めているのだ。

 県によると、佐渡島でこうした冬季湛水を行う水田は約31ヘクタール。ほかに、休耕田などを活用し、人工的にドジョウなどを生息させるビオトープ(生物生息空間)が約21ヘクタール整備されている。人工のえさ場は佐渡島の耕地面積(05年、8512ヘクタール)の約0・6%。まだわずかなものだが、冬季湛水とビオトープを足した面積は、3年前の3倍に広がっている。

    ◇

 小佐渡丘陵の中腹部にある旧新穂村の生椿(はいつばき)地区。かつては5戸ほどの農家が暮らし、棚田での米作りを細々と続けてきた。佐渡トキ保護センターの元嘱託職員で、長く人工飼育に当たった故高野高治さん(97年死去)も、ここで暮らした。

 今では集落に郵便配達も来なくなり、住民はすべてふもとの人里に移り住んだ。地区に4・3ヘクタールある水田のおよそ半分が、国の減反政策による調整水田となっている。

 高野さんの水田を引き継いだ長男、毅さん(64)は、自前の田んぼ約50アールのうち、26アールをビオトープにした。県と市からの助成金もあるにはあるが、10アール当たり年4万円程度と微々たるものだ。

    ◇

 えさ場整備で行政に協力しているとはいえ、毅さんの生活が保証されているわけではない。ただでさえ、島は若年層の流出が止まらず、営農も年々厳しくなっている。減反に応じ、ビオトープ整備に協力するのは一体、なぜか。

 高治さんが集めた資料や写真に埋もれた自宅の部屋で、毅さんが声を大にして答えた。「農村が倒れれば、消費地の都会も共倒れ。鳥(トキ)も暮らせない環境が、人間にとっても良いはずがない」。土の上で生きてきた親子2代の信念に違いない。(つづく)

ことば「生椿地区」
 19年生まれの高野高治さんが子供のころから、数多くのトキが飛来。31年には水田に27羽が舞い降り、高治さんは「あたり一面に牡丹(ぼたん)の花が咲いたよう」と書き残した。59年、トキ保護に本腰を入れ始めた国の求めに応じ、山階芳麿・山階鳥類研究所初代所長らの調査団一行を、高治さんが案内している。
http://mainichi.jp/articles/20080105/org/00m/040/999000c

http://archive.is/Y8JuR
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】