2008年12月29日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 敵、餌不足…多難な試み【毎日新聞2008年12月29日】

 放鳥された国の特別天然記念物のトキが冬を迎えます。野生復帰にはどんな難しさがあるのでしょうか。

 野生復帰は、野生で絶滅した動物を人の手で再び野生に戻すことで「再導入」とも呼ばれます。トキの場合、野生に残っていた最後の5羽を81年に捕獲し、人工の環境下で繁殖させる取り組みを本格化させました。幸い、中国から贈られたペアの人工繁殖が成功し、個体数は現在121羽まで増えています。

 佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)に順化ケージを造り、自然に近い環境で放鳥に備え、9月25日に10羽を放鳥しましたが、メス1羽の死が確認されました。野生には敵が多く、餌不足の心配もあります。自立して生きられる環境整備も欠かせません。国内初の野生復帰例となったコウノトリ(05年に放鳥)の場合、地元の兵庫県豊岡市では地域ぐるみで環境活動が進んでいます。

 米国では、イエローストーン国立公園で野生復帰したオオカミが増え過ぎ、生態系や地元住民の生活に影響を与えています。野生を人間の手で制御することは容易ではありません。【元村有希子】
http://mainichi.jp/articles/20081229/org/00m/040/999000c

http://archive.is/lmrUZ
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥3カ月、トキの死 難しい人間との共生 /新潟【毎日新聞2008年12月26日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 トキ放鳥3カ月 模索続く「野生」 餌やりの是非、論議に【毎日新聞2008年12月25日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 3羽を野生順化ケージに 2次放鳥へ本格訓練−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月24日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 分散飼育地、新潟・長岡市などに決定【毎日新聞2008年12月19日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 「トキに餌を」環境省に要望−−県と佐渡市 /新潟【毎日新聞2008年12月17日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥のメス1羽、死ぬ 「繁殖の期待、がっかり」−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月15日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 足にけが?餌場で5時間動かず−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月10日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 関川から新潟へ60キロ移動 「静かに見守って」 /新潟【毎日新聞2008年12月6日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 人類の未来占う実験だ−−「千の風になって」を作曲、作家・新井満さん【毎日新聞2008年1月12日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 別れの舞、興奮の一瞬−−全鳥捕獲直前の5羽を撮影、毎日新聞・岡崎一仁記者【毎日新聞2008年1月11日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/5止 地域振興 人・環境、新たな関係を /新潟【毎日新聞2008年1月8日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/4 順化訓練の成果 環境適応に手探り /新潟【毎日新聞2008年1月7日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/3 冬季湛水とビオトープ 田んぼを「暮らしの場」に /新潟【毎日新聞2008年1月5日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】

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2008年12月26日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥3カ月、トキの死 難しい人間との共生 /新潟【毎日新聞2008年12月26日】

 トキ10羽が佐渡市で試験放鳥されてから、3カ月がたつ。この間、世の中の注目を集めた出来事といえば、同市中央部の加茂湖近くの林で今月14日、1羽が死骸(しがい)で見つかったことだろう。

 死んでいたのは、2歳のオスと行動をともにしていた1歳のメスだった。つがいの形成が唯一期待されていた個体だけに、地元の関係者からは死を悼む声が相次いだ。

 これを受け、県と佐渡市は、環境省のトキ野生復帰専門家会合が「冬季も原則的に餌をやらない」と決めたことに対し、「県内では『非情』との見方もある」として同省に「温かい対応」を求める要望書を出した。トキの死の衝撃が自治体をも動かしたのだ。

 しかし、あえて言いたい。トキが死ぬのは、織り込み済みだったのではないのか。8月4日、佐渡市で開かれた放鳥前、最後の専門家会合。山階鳥類研究所の山岸哲所長は「放鳥トキの生存状況」と書かれた1枚の資料を配った。

 45・83%−−。04〜05年に中国陝西(せんせい)省洋県で放鳥されたトキの年死亡率だった。「みなさんは、このことをよく知っておいてほしい」。山岸所長が話すと、会合の出席者はじっと紙を見つめた。

 現在、生息が確認されている放鳥トキは計8羽。1羽が死に、残る1羽は行方不明になっているが、この数字と照らし合わせれば、何ら不自然ではない。トキの死は、もっと冷静に受け止められるべきものではないのか。

 トキを巡る「過剰反応」はこれだけではない。関川村に飛来していた3歳のメスが同村を離れたのは、大勢の人が集まり、トキが驚いたためだとする専門家の指摘がある。

 佐渡市では、近づくと人だかりができるため、観察員が数百メートル先から物陰に隠れて観察するという本末転倒な事態も起きている。

 かつて人の手によって捕獲された結果、野生種が絶滅し、再び人の手によって野生に戻されようとしているトキ。人間との共生への道は険しくて遠い。【畠山哲郎】
http://mainichi.jp/articles/20081226/org/00m/040/999000c

http://archive.is/f0E3T
朱鷺色の空に 2008初放鳥 トキ放鳥3カ月 模索続く「野生」 餌やりの是非、論議に【毎日新聞2008年12月25日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】
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2008年12月25日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 トキ放鳥3カ月 模索続く「野生」 餌やりの是非、論議に【毎日新聞2008年12月25日】

 新潟県佐渡市で国の特別天然記念物のトキ10羽が放鳥されて25日で3カ月。今月14日にはメス1羽が死骸(しがい)で見つかり、野生復帰の難しさを浮き彫りにした。「試験放鳥」と位置づける環境省は人の関与を極力控える方針だが、地元・新潟県の泉田裕彦知事は「モルモットの実験のようだ」と批判する。一度は絶滅し、繁殖で希望がつながったトキ。自然に戻す最良の方法は何か、模索が続く。【足立旬子、畠山哲郎】

 1歳のメスの死骸が見つかったのは佐渡市内の林。弱っていたところをタヌキなどに襲われたとみられる。9日には約300メートル離れた加茂湖の餌場近くで5時間、うずくまるようにしてほとんど動かなかった。観察しようと近づいた人の気配で飛び立った後、行方不明になっていた。2歳のオスと行動し10羽のうち唯一、つがいになる可能性が高いと期待されていただけに周囲の落胆は大きい。

 「自然で(トキが)どう生きるかというモルモットのような実験は疑問」。泉田知事は17日の記者会見で、環境省のトキ野生復帰専門家会合の「原則として餌をやらない」との方針を批判。前日には高野宏一郎・佐渡市長と連名で「県内では『非情』との見方もある」と「温かい対応」を求めた。

 同専門家会合の方針が決定されたのは今月8日。▽原則として給餌しない▽衰弱やけがなど緊急時に限って保護する−−という内容。地元の委員が「餌場を点検して、あらかじめドジョウをまくべきだ」と提案したが「給餌は動物園に入っているのと変わらず野生復帰にならない」との意見が大勢を占めた。

 佐渡とき保護会顧問の佐藤春雄さん(89)は「野生のトキがいたころは、雪が積もり餌が少なくなると餌をまいていた」と振り返る。「冬は腹をすかせたタヌキやテンに襲われる可能性が高い。群れを形成しない間はなおさらだ。(霞が関の)会議室で話しているだけでなく、現場に来て考えてほしい」と訴える。これに対し環境省は「今回は餌不足より外敵に襲われたのが原因。トキが餌をどう探すかなど大切なデータを集めるのも試験放鳥の狙い。見殺しにするとは言っていない」と、方針は変更しない意向だ。

 専門家会合座長の山岸哲・山階鳥類研究所長は「地元の人の気持ちは分かるが、いま餌をやれば来年もやらなければならない。それではいつまでも野生化できない」と理解を求める。

 野生復帰の試みとしては、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)が特別天然記念物のコウノトリを人工繁殖させ、05年から放鳥している。この場合も原則として餌をやらず、緊急時には保護する方針をとってきた。

 同公園の大迫義人主任研究員によると、コウノトリやトキのように個体数が少ない生物は近親交配で繁殖することが多いため、野生で生きるには生命力が弱くなりがちだという。しかし、大迫さんは「野生復帰には時間がかかる。トキもコウノトリも野生に戻ってほしい気持ちはみな同じだが、違うのは今だけを見て対応するか、50年後を見据えて対応するかということだ」と話す。

監視、ボランティア頼み−−発信器装着、予算に限界
 「けがなど緊急の場合は保護する」というのが専門家会合の方針だが、監視体制は十分だったか。環境省は死んだトキが今月9日に行方不明になった後の10〜12日、30人態勢で行方を捜したが、その後10人に縮小した。ボランティアとして10月からトキの観察を続け、死骸の発見者でもある地元の大工、笹野正光さん(48)は「そのままの態勢で捜し続けていれば、生きて見つかったかもしれない」と悔しがる。

 環境省は発信器を10羽のうち6羽だけにつけた。予算に限界があるほかトキの飛行や繁殖の妨げにならないようにとの配慮からだ。死んだメスには発信器がなく、監視は笹野さんらボランティアに頼るのが現状だ。

 環境省は15年までに佐渡で60羽の野生定着を目指す。日本獣医生命科学大の羽山伸一・野生動物教育研究機構長は「野生復帰には予想を超える事態が多く起きる。しっかりとした監視体制が必要だ」と強調する。

 冬を間近に控えた時期の放鳥にも見直しを求める声がある。NPOバードライフ・インターナショナルの市田則孝副会長は「餌が豊富な春から夏に放鳥して環境に慣れさせた方がいい」と指摘する。野生のトキは毎春、餌を探して水田を踏み荒らし、農家を困らせていた。秋の放鳥にはこうした配慮もあるとみられるが、市田さんは「人間の都合より鳥の生態に合わせるべきでは」と話す。

トキの保護をめぐる主な動き◇
1908年    国の保護鳥にトキが加わる

  52年    国の特別天然記念物に指定

  67年    佐渡にトキ保護センター建設

  68年 3月 トキ「キン」を捕獲

  78年 5月 人工ふ化計画スタート

  81年 1月 野生トキ5羽を捕獲。野生はゼロに

  93年11月 トキ保護センターが現在の「佐渡トキ保護センター」に移転

  98年11月 中国の江沢民国家主席がトキのペア贈呈を表明

  99年 5月 中国からのペアに「優優」誕生。国内初の人工ふ化成功

2003年10月 日本生まれの最後のトキ「キン」死ぬ

  07年 7月 飼育トキ、100羽を突破

     12月 4羽を分散飼育地の東京都多摩動物公園に移送

  08年 9月 10羽を初めて試験放鳥

     12月 メス1羽が死んだのを確認

         新たな分散飼育地に3自治体を決定

 (佐渡トキ保護センターの資料などから作成)
http://mainichi.jp/articles/20081225/org/00m/040/999000c

http://archive.is/v7yzn
朱鷺色の空に 2008初放鳥 3羽を野生順化ケージに 2次放鳥へ本格訓練−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月24日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 佐渡舞う姿夢に 野生復帰へ期待 /新潟【毎日新聞2008年1月1日】
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2008年12月24日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 3羽を野生順化ケージに 2次放鳥へ本格訓練−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月24日】

 新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターは24日、トキ3羽を同市内にある野生復帰ステーションの順化ケージに移した。来年度に予定している第2次放鳥に向けた準備で、長時間飛んだり自力で餌を採るなど、自然に慣れるための本格的な訓練を積む。訓練期間は最短3カ月で、年度内には放鳥の時期を決める。

 移されたのは、今年9月に放鳥された10羽とともに昨年も順化訓練を受けた経験を持つ、ともに2歳のつがいと、その子の0歳のメス。3羽は約4000平方メートルの順化ケージに放されると、すぐに飛び立ち、地面をつつくなどしていた。

 順化ケージ内では9月、人に驚いた2羽が側面などの金具にぶつかり、死んだりけがをした。このため、衝撃をやわらげるネットを張るなどの安全対策を取った。【磯野保】
http://mainichi.jp/articles/20081224/org/00m/040/999000c

http://archive.is/7opm5
朱鷺色の空に 2008初放鳥 分散飼育地、新潟・長岡市などに決定【毎日新聞2008年12月19日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 「トキに餌を」環境省に要望−−県と佐渡市 /新潟【毎日新聞2008年12月17日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥のメス1羽、死ぬ 「繁殖の期待、がっかり」−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月15日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 足にけが?餌場で5時間動かず−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月10日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 関川から新潟へ60キロ移動 「静かに見守って」 /新潟【毎日新聞2008年12月6日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 別れの舞、興奮の一瞬−−全鳥捕獲直前の5羽を撮影、毎日新聞・岡崎一仁記者【毎日新聞2008年1月11日】
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2008年12月19日

朱鷺色の空に 2008初放鳥 分散飼育地、新潟・長岡市などに決定【毎日新聞2008年12月19日】

 トキの分散飼育地を検討していた環境省は19日、石川県と島根県出雲市、新潟県長岡市の3自治体を飼育地に決めたと発表した。早ければ来年度にも同県佐渡市の佐渡トキ保護センターで飼育・繁殖しているトキから2ペア計4羽ずつを移送し、分散飼育を始める。

 分散飼育は感染症による絶滅回避を目的に昨年12月、2ペア計4羽が多摩動物公園(東京都)に緊急措置として移され始まった。これより前に3自治体は飼育地に立候補。先月の専門家会合で石川県と出雲市は「近縁種の自然ふ化に成功した経験があり、体制が整っている」と評価された。また、長岡市は「熱意がある」との考えが示された。
http://mainichi.jp/articles/20081219/org/00m/040/999000c

http://archive.is/FeRSo
朱鷺色の空に 2008初放鳥 「トキに餌を」環境省に要望−−県と佐渡市 /新潟【毎日新聞2008年12月17日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥のメス1羽、死ぬ 「繁殖の期待、がっかり」−−新潟・佐渡【毎日新聞2008年12月15日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 関川から新潟へ60キロ移動 「静かに見守って」 /新潟【毎日新聞2008年12月6日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 人類の未来占う実験だ−−「千の風になって」を作曲、作家・新井満さん【毎日新聞2008年1月12日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 別れの舞、興奮の一瞬−−全鳥捕獲直前の5羽を撮影、毎日新聞・岡崎一仁記者【毎日新聞2008年1月11日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/4 順化訓練の成果 環境適応に手探り /新潟【毎日新聞2008年1月7日】
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朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/2 フィーバーと島民感情 中国産にドライな目 /新潟【毎日新聞2008年1月4日】
朱鷺色の空に 2008初放鳥 放鳥を前に/1 繁殖地の自然環境 再生事業に難問山積 /新潟【毎日新聞2008年1月3日】
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