2011年02月10日

鳥インフル影響じわり 飛来地など警戒、消毒マットやイベント中止 鶏肉値上げ、給食悩む【日本経済新聞2011年3月10日】

鳥インフルエンザ拡大防止のため始まった野鳥愛好家らの乗用車の消毒作業(茨城県坂東市の菅生沼)=一部画像処理しています
 全国の農場で鳥インフルエンザへの感染が広がっている事態に、渡り鳥の飛来地や動物園などが警戒を強めている。「何とか感染を防ぎたい」と訪れた人がウイルスを持ち込まないよう入り口に消毒マットを置き、飼育する鳥のイベントを中止する動きも。鶏肉価格の上昇で給食の献立見直しを検討する学校もあり、感染拡大の影響はじわりと広がっている。

 コハクチョウやマガモなどが飛来し、オオタカも観察できる茨城県坂東市の菅生沼。同市は1月28日、沼近くの駐車場出入り口に消毒マットを敷き入退時にタイヤを浸すようにした。野鳥愛好家らの靴底用に消毒液入り容器も2カ所に置いた。

 菅生沼は貴重な観光資源の一方、市内では約150万羽の採卵鶏が飼われる県内有数の鶏卵産地。「発生すれば死活問題」(市産業経済部)で、渡り鳥への感染、渡り鳥からのウイルス流入の双方を警戒する。

 15年前から野鳥の写真撮影のため冬に数回訪れる東京都葛飾区の無職、森武恒さん(74)は「関東では貴重な渡り鳥の観察場所。感染は何とか防いでほしい」。岸辺につながる道の入り口には接触防止のため、立ち入り自粛を呼びかける看板も設置された。

 北海道の根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターでは、日本野鳥の会が周囲にある野鳥の飛来地10地点を週1、2回、弱っている野鳥がいないか確認する巡回を開始。埼玉県深谷市の荒川河川敷のように、北海道や東北で感染が確認された2008年以降、渡り鳥への餌付けを禁止している飛来地も少なくない。

 山口県宇部市の常盤公園では、コクチョウ1羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認され、飼育しているハクチョウなど約400羽の殺処分に向けた作業が10日も続いている。近所に住む女性(37)は「仕方ないことだと思うが、本当に残念」と話した。

 動物園や水族館も対応を進める。海遊館(大阪市)はオウサマペンギンが広場を歩く週末などの「ペンギンパレード」を今冬は中止。00年に始まった冬の人気イベントだが、「ペンギンが野鳥と接触する可能性がある」(担当者)。

 市内の養鶏場で鶏の感染が確認された宮崎市フェニックス自然動物園はフラミンゴショーを取りやめた。出口智久園長は「来園者に迷惑をかけるが、感染が広がらないようできる限りの措置を取りたい」と強調する。

 動物園の鳥は野鳥でも家きんでもない位置付けで、感染時の統一的な対応指針が定められていない。「各園任せでは対応が不十分なケースが出てきてしまうのではないか」(北海道旭川市の旭山動物園)。こうした戸惑いの声を受け、日本動物園水族館協会(東京・台東)は1月末、対応方針をまとめるよう環境省に要望した。

 供給量の減少などから鶏肉の価格が上昇、影響も出始めている。東京都目黒区の区立小中学校12校は、食肉店から2月以降は給食用モモ肉を1キロあたり100円値上げし1350円に、ムネ肉は50円値上げし900円にすると通知を受けた。

 区教育委員会事務局は「給食に使う鶏肉量を減らしたり、献立を見直したり、工夫しなければならない」(学務課)と話している。
https://www.nikkei.com/article/DGXDASDG2806G_Q1A210C1CC0000/

http://archive.is/tKjew

posted by BNJ at 23:00 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

苦渋、ハクチョウ殺処分 宇部のシンボル消える【宇部日報2011年2月10日】

宇部市の常盤公園で死亡したコクチョウから鳥インフルエンザウイルスが検出され、遺伝子検査の結果、強毒の高病原性であることが確認されたことを受けて、市は9日、常盤湖で放鳥飼育しているハクチョウ類358羽、カモ類41羽の殺処分を決め、県、県警からの応援を得て、作業を始めた。6日に野鳥から疑い事例が発生し、公園の入場制限や消毒、監視体制を強化した矢先だっただけに、市民はもちろん関係者のショックは計り知れない。まちのシンボルが今、姿を消そうとしている。

 9日午前10時ごろ、給餌のため、常盤湖南側の白鳥島にボートで着岸した職員が、コクチョウの死骸を発見。県中部家畜保健衛生所での簡易検査で陽性反応があり、遺伝子検査でH5亜型と判明した。


 残す方針探ったが
 市はときわ湖水ホール内に現地対策本部(本部長・西山一夫副市長、15人)を設置し、頻繁に打ち合わせを行い、情報収集などに追われた。結果が出たのは午後7時。ただちに最高レベルの防疫対策本部会議(本部長・久保田后子市長)を開き、今後の対応を協議した。「何とか残せないか」と方策を探ったが、専門的見地など、県からの助言を受け、苦渋の決断を下した。
 ペリカンは生活エリアが異なるため、目視で厳重に監視することにした。45羽中13羽が自由に空を飛べるため、順次、切羽処置を施す。しかし、衰弱死後、鳥インフルへの感染が分かった野鳥のキンクロハジロは、ペリカンのいる本池側で見つかっている。強毒性かどうかは確定検査を待っている段階だが、今後の健康状態が心配される。
 ハクチョウは家畜伝染病予防法に基づく処分対象から外れており、まん延防止のための措置は市の自主判断。


 今後の飼育慎重に
 久保田市長は「市民から広く愛されている貴重な財産をこのような形で失うことは誠に残念。鳥インフルエンザの拡散を防止するためにはやむを得ない処置であり、市民の皆さまにもご理解をお願いしたい」と沈痛な面持ちで語った。
 今後の飼育については「慎重に考えたい。鳥インフルは世界的に広がっている。実情を訴え、説明しながら、現在の在り方でいいのかをみんなで考えたい」と話した。
 市はホームページや防災メール、ソーシャルネットワークサービス「うべっちゃ」などを通じて情報を発信し、市民に理解を求めている。
 現地対策本部が置かれている公園整備局には複数の電話が寄せられ、市のホームページにも数件の意見があった。
 本部を直接訪れた男性は「ハクチョウは宇部市の財産。処分は耐えられない。もう少し様子を見ることはできなかったのか」と職員に詰め寄った。


 子供の心のケアも
 子供たちへの影響も大きいとして、市教育委員会は各学校や子ども会に情報を提供し、心のケアを指示。スーパーバイザー(臨床心理士)も要請があれば派遣する。
 市保育連盟(平川悦士会長)は「団体として特に動きはないが、公園に近い園は独自に対応されるかもしれない」と答えた。
 常盤公園の入場規制は1週間程度を見込んでいたが、さらに延長する。
 新たにときわレストハウスと駐車場も規制区域になった。春のイベントなどへの影響も懸念される。

飼育開始は1957年
 東洋のレマン湖、日本有数の水鳥の楽園といわれる常盤湖。ハクチョウは常盤公園の開園当初からシンボルであり、長い歴史を経て、宇部市民の財産として定着していた。

 常盤湖にハクチョウが放たれたのは1957年。荒れていた常盤公園の整備に向け、水と森を生かそうと、ハクチョウの飼育が決まった。
 オランダのロッテルダム・シルブルグ動物園から約2万`の距離を、船と鉄道を乗り継ぎ、コブハクチョウ20羽が6月に宇部に到着。7月7日、数千人の市民に見守られながら湖に放された。
 翌年には初めてのひなが誕生し、60年には100羽を突破。繁殖にも力を入れ、着実に飼育数は増え、常盤湖は「白鳥湖」として全国から注目を集めるようになった。
 61年、鹿児島市の鴨池動物園(現在・平川動物公園)に増殖したハクチョウを初めて分譲。以来、約1400羽が国内外の動物園や公園に旅立った。北海道から沖縄まで、全国に及ぶ国内のコブハクチョウは、全て常盤公園の子孫。海外はアメリカ、中国、台湾、スリランカなどに渡っている。
 処分直前の常盤公園での飼育数はハクチョウ類が、コブハクチョウ189羽、コクチョウ136羽、オオハクチョウ11羽、コハクチョウ3羽、クロエリハクチョウ18羽、オオハクチョウとナキハクチョウの交配種1羽。このほかペリカン、ガン・カモ類、ハヤブサ、フラミンゴを入れると24種475羽。このほか渡り鳥も飛来しており、日本有数の水鳥の楽園として親しまれてきた。
http://ubenippo.co.jp/2011/02/post-1701.html
http://ubenippo.co.jp/2011/02/post-1700.html

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