2014年01月25日

ののちゃんのDO科学 ペンギンはなぜ寒い所にいる?【朝日新聞デジタル2014年1月25日】

 ■天敵(てんてき)が少(すく)なく、エサも豊富(ほうふ)なの

 ◇ののちゃん 毎日寒(さむ)いね〜。でも私が好(す)きなペンギンたちって、もっとすごく寒い南極(なんきょく)の方にすんでるんだよね。暮(く)らしにくそうで、他(ほか)の動物はあまりいないのにフシギだな。

 ◆藤原先生 ペンギンは9割(わり)以上が南極大陸(たいりく)とそのまわりの島々(しまじま)にいるそうよ。赤道にあるガラパゴス諸島(しょとう)にも少しいるけど、あそこには冷(つめ)たい海流(かいりゅう)が流(なが)れてるの。だけど、ペンギンははじめから寒い所にすむ鳥ではなかったのよ。

 ◇のの え、そうなの?

 ◆先生 ペンギンの仲間(なかま)は、恐竜のティラノサウルスなんかがいた白亜紀(はくあき)の後期(こうき)に、今の南極大陸やニュージーランドあたりで生まれたらしいの。当時の地球(ちきゅう)は暖(あたた)かく、そのあたりも温暖(おんだん)だったのよ。

 ◇のの でも、その後はとっても寒くなったのに、よく生きのびたね。

 ◆先生 ペンギンはエサを追(お)って深海(しんかい)まで潜(もぐ)るんだけど、深海はとても冷たいの。それに耐(た)える能力(のうりょく)のおかげで、寒冷化(かんれいか)しても生きのびられたとも言われているよ。

 ◇のの ペンギンが生まれた白亜紀は、地球に大きな隕石(いんせき)が衝突(しょうとつ)して幕(まく)を閉(と)じたんでしょ。それで恐竜(きょうりゅう)たちも絶滅(ぜつめつ)しちゃったって知ってるよ。

 ◆先生 でも、恐竜など大きくて強い爬虫類(はちゅうるい)が地上や海から姿(すがた)を消(け)したことは、ペンギンにとっては大きな幸運(こううん)だったの。だって、地上では動きが不自由なのに、そこで卵(たまご)を産(う)んでヒナを育(そだ)てなきゃならないでしょ。そこを襲撃(しゅうげき)してくる天敵(てんてき)や、海中で襲(おそ)われたり同じエサを取り合ったりする敵がいなくなったわけよ。

 ◇のの じゃあ、まるで楽園(らくえん)だね。

 ◆先生 だから今より広い地域(ちいき)に進出した時代もあったけど、その「幸運」は哺乳(ほにゅう)類にとっても同じこと。哺乳類が発展(はってん)してくると、ペンギンは特に地上ではかなわないでしょ。それで、海中にはクジラやアザラシがいても地上では哺乳類にじゃまされにくい、とっても寒い所や、離(はな)れ島などで生きることになったのね。

 ◇のの 北半球(きたはんきゅう)にも、北極や離れ島はあるけどペンギンはいないよ。

 ◆先生 寒い地方の海は、栄養(えいよう)が豊(ゆた)かで生物が多いの。一方、暖かい熱帯(ねったい)の海が透(す)き通って見えるのは、実は栄養が乏(とぼ)しくてプランクトンがあまりいないからなの。だからペンギンのエサになる生物も少ないのよ。

 ◇のの うーん、熱帯の海はパラダイスのイメージなのに。

 ◆先生 その上、冷たい海では変温(へんおん)動物の魚は動きが鈍(にぶ)いけど、温(あたた)かい海だと俊敏(しゅんびん)で、捕(つか)まえてエサにするにも、サメなど天敵としても手ごわいの。南極の辺(あた)りで生まれて北に広がったペンギンも、そういう熱帯の海までは突破(とっぱ)できなかったようね。でも北半球は北半球で、ペンギンに似(に)た暮らし方や姿(すがた)の鳥たち、例(たと)えばウミスズメ類が進化しているよ。

 (取材協力=国立極地研・高橋晃周准教授、足寄動物化石博物館・安藤達郎研究員、構成=武居克明)
http://www.asahi.com/shimbun/nie/tamate/20140125/

http://archive.is/HxzJh

posted by BNJ at 23:00 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする