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鳥、野鳥、飼い鳥、その他鳥類全般に関するニュース、新聞記事のスクラップ
2014年09月22日
「甲斐の国メガソーラーステーション」は、山梨県甲府市の倉庫の屋根の上にある出力約1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)である(図1)。この倉庫を運営する斉藤倉庫(東京都調布市)が設置した。
図1●甲斐の国メガソーラーステーションの上空からの画像
(出所:斉藤倉庫)
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斉藤倉庫は、東京都調布市に3カ所、立川市と甲府市に1カ所ずつ、合計5カ所の倉庫を運用している。年間売上高は4億5000万〜5億円で、同社の齊藤亀三社長は、「メガソーラーを開発した企業の中では、国内最小の規模かもしれない」と強調する。
施工には、屋根の補強や塗装を含めて約3億円を要した。年商の半分以上に相当する額だが、メガバンクや地方銀行から好条件で融資を受けられという。
屋根の上にメガソーラーを設置したきっかけは、甲府市の倉庫(以下、甲府倉庫)を貸している物流企業からの助言だった(図2)。再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度(FIT)が施行される直前の、2012年初夏の頃だった。
図2●甲府倉庫を借りている物流企業の勧めで設置
(出所:日経BP)
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その物流企業は、自社で所有する拠点の屋根を使った太陽光発電の経験から、新築する倉庫の屋根上にも太陽光発電システムを設置し、FITを活用した発電事業に取り組むことを決め、斉藤倉庫にも勧めた。
斉藤倉庫にとって、太陽光発電は取り組みやすい新規事業だったという。倉庫のビジネスは、土地を探し、倉庫を建てた後、約10年間かけて建設費を回収する。
太陽光発電も、倉庫を建てる代わりに発電システムを設置する以外は、長期間で資金回収するストック型ビジネスモデルとして親和性がある。その上、FITを活用すれば、20年間、買取価格が値下げされないという、倉庫ビジネスにはない魅力があった。
また、甲府倉庫の立地が、発電事業に向くと考えた。山梨県は日本で最も日照時間が長い上、甲府倉庫の近辺には、日光を妨げる高層建築物などがない。
さらに、甲府南インターから石和方面に抜ける国道140号(笛吹ライン)に近接しており、電力消費地が近くにある。高圧送電線は目の前にあり、連系しやすい。
こうした理由から、「しっかりとした発電システムを設置すれば、FITによる買取期間が終わった後も、地域の低コストな電源として、売電事業を継続できる可能性もある」と、齊藤社長は考えた。
必要額の3倍以上を投じて屋根を補強
EPC(設計・調達・施工)サービスは、甲府倉庫の貸出先の物流企業から紹介された、テス・エンジニアリング(大阪市)に委託した。
太陽光パネルは京セラ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。太陽光発電システムは、収益性を確保できるのであれば、長期的な信頼性を優先して国産品を選ぶ方針だった。
設計時に問題となったのは、屋根の耐荷重性だった。甲府倉庫の二つの棟の屋根を使って、約1MWの出力を得るためには、両棟のほぼ全面に太陽光パネルを並べる必要がある。
ところが、予定する枚数の太陽光パネルを設置すると、屋根の一部に、必要な耐荷重性である約14kg/m2を満たせない部分があることがわかった。そこで、そうした場所では、屋根を補強して耐荷重性を確保することにした。
必要な耐荷重性を得るための補強は、約150万円を投じれば実現できたという。
しかし、「せっかく補強するのならば、想定外の事態にも対応できるように、より安全性を確保しようと考え、その3倍以上の約500万円を投じて補強した」(齊藤社長)。この耐荷重性の余裕が、後々、生きることになる。
さらに、太陽光パネルを設置する前に、屋根を塗装し直すことにした。屋根のメンテナンスの一つには、定期的な塗装などがある。例えば、斉藤倉庫では、約20年間隔でサビ止めを塗り直す。太陽光パネルを設置した後では、塗装作業の効率が下がるために、前倒しした。
予定していなかった塗装を追加
補強と塗装を施したのは、二つの棟のうち、約20年前に建てた古い棟「ふじざくら棟」のみとした。古い棟の上から見た屋根の形は、一般的な長方形ではなく、長方形の南側から東側に直角に曲がり、直角定規のような形をしている。
この直角に曲がる部分などが、太陽光パネルを載せた際に、最も耐荷重性が不足する部分だった(図3)。
図3●直角に曲がる部分を中心に補強
(出所:日経BP)
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もう一方の、約10年前に建てた新しい棟「いちい棟」は、補強も塗装も必要なかった。塗装する必要がなかったのは、屋根の材料に、ガルバリウム鋼板と呼ばれる、腐食やサビなどに強いアルミ亜鉛合金めっき鋼板を採用しており、元々、サビ止めなどが不要なためである。
当初、予定していなかった塗装作業が加わったことから、発電システムの施工の手順を変えながら進めた。例えば、古い棟の屋根への設置は、屋根の塗装が終わるまで待つことになった。
しかし、その間にも、太陽光パネルはどんどん納入されてくる。太陽光パネルの置き場に困った末、貸出先の企業に頼んで、借り賃を払って甲府倉庫に置かせてもらい、スペースを確保したという。
こうした苦労を重ねながら、2013年5月に太陽光パネルの設置を完了し、同6月に発電を開始した。終わってみれば、当初の予定通りの日程だった。
接続箱内が70℃以上になり、警告が連日届く
発電開始後、1年間の発電量は、予想に比べて約1割も上回った。数値だけみると順調に見えるが、大きなものだけで三つものトラブルを乗り越えながら達成した成果だった。このため、2年目以降は、さらに上回る可能性がある。
トラブルの一つ目は、夏の高温だった。甲府はしばしば国内の最高気温を記録する土地柄。まさに甲府にある倉庫ならではのトラブルとも言える。
接続箱内の温度が高くなりすぎて、安全装置が働いてしまい、頻繁に警告が通知されたのである。「2013年7月〜8月は、ほぼ毎日のように警告が表示された」(齊藤定之専務)。
接続箱は、内部の温度が70℃以上になると、高温による傷害を防ぐための安全装置が働いて、警告を通知する設定になっている。
安全装置が働いた接続箱は、新しい棟に設置したものだった。二つの棟ともに、接続箱は屋根の上ではなく、敷地の内側の側壁にある、ひさしの上に設置している(図4)。
図4●ひさしの上に接続箱を設置
新しい棟(右)では、高温と西日で接続箱内の温度が過度に上昇(出所:日経BP)
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新しい棟のひさしは、西側を向いているため、正午以降、西日が当たり続ける。ひさしの上は、屋根の上のように風が通り抜けず、空気が滞留しがちだ。
夏の日中の高温に加え、直射日光が当たり続けるために、接続箱内の温度が70℃以上に上がり、警告の通知が頻発した。
古い棟のひさしは、東側を向いており、気温が高くなる時間帯には日陰になるために、このトラブルは生じなかった。
斉藤倉庫では、この対策として、新しい棟の接続箱の筐体の外に、遮熱用のカバーを追加した(図5)。カバーには、通気口を確保し、熱い空気が溜まりにくい構造にした。この工夫によって、2014年夏には、同じトラブルは起きなくなった。
図5●遮熱用のカバーを追加し、接続箱の温度の上昇を抑制
(出所:日経BP)
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カバーのほかに、倉庫で効果を確認済みの「遮熱塗装」を、接続箱の筐体に施すことも検討した。しかし、保証などに影響することがわかり、断念した。
発電量を下げる渡り鳥のフン
二つ目は、鳥のフンによって、出力が一定以下に下がる太陽光パネルが、冬になって急に増えたことだった。
斉藤倉庫では、14枚のパネルを直列に接続した「ストリング」単位の出力が、他のストリングの出力に比べて1割以上下がった場合、エラーを通知する設定にしている。
このエラーが冬になって増えたため、太陽光パネルに異常が生じていないか調べたところ、カバーガラス上の広い範囲に、鳥のフンが残っているパネルが多くなっていた。
鳥のフンは、雨によってある程度、洗い流されることが知られているが、冬は乾燥する日が多く、雨も少ないために、残りやすくなっていた。
しかも、甲府倉庫は川や木々に近い場所にあり、アオサギなどの水鳥や渡り鳥が、頻繁に太陽光パネルに止まりに来ていた(図6)。発熱しているパネルの上で暖を得ている様子だった。そのフンは、ハトカラスなどに比べて、広い範囲を覆う(図7)。
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図6●太陽光パネルの上に止まる水鳥
取材中にも、このようにパネルの上に飛んできた(出所:日経BP)
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図7●広い範囲を覆う鳥のフン
隣の川からザリガニやカニ、魚などを採ってきて食べるため、パネルの上には甲殻系の残骸も多い(出所:日経BP)
鳥のフンが多く残っている場所は、古い棟の北側に限られていた。そこで、その場所に、防鳥用の網を置いて、追い払う効果に期待した(図8)。
すると、網を置いた場所を避けて、別のパネルの上に止まるようになった。網の効果には限界があった。
図8●防鳥用の網を張って追い払う効果に期待
(出所:斉藤倉庫)
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こうした状況は今も続いている。「鳥のフンの影響によって、例えば売電額が減ってしまったとしても、その対策に要する費用の方が高くなってしまうことが多く、対応に悩んでいる」と、齊藤直也常務・太陽光発電部長は言う。
2月の大雪でも屋根は無事、発電は約3週間停止
三つ目は、2014年2月に、2週間連続で関東甲信地方に降った、記録的な大雪によって、発電が停止したことだった(関連記事)。
甲府市内の積雪は、平均で1m40cmに達した。甲府倉庫の屋根には、一度目の雪が溶けきる前に、二度目の雪が積もった。
積雪後はまず、貸出先企業が、倉庫を通常通りに使えるように復旧させることに注力した。ここで生きたのが、屋根の耐荷重性を、余裕を持たせて補強していたことだった。
太陽光パネルを載せるために必要な耐荷重は、約14kg/m2だった。この数値は、「ちょうど、水を屋根の上に高さ1.4cm分のせた時の重さに相当するが、実際の雪による荷重は、さらに重くなることが知られている。必要最小限の補強にとどめていたら、補強した場所に何らかの損傷が生じていたかもしれない。結果的に、屋根の折板(V字形状が横に連なる構造)の一部が曲がったものの、躯体そのものに問題は生じなかった」(齊藤社長)という。
二度目の積雪の約3週間後、ようやく太陽光パネルの表面が見えるまでに除雪できた(図9)。それまで、除雪を控えていたのは、屋根の面積が約1万m2と広く、その上に積もった雪を降ろすためのスペースを確保できないからである。
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図9●積雪の2週間後、ようやく除雪できるように
(出所:斉藤倉庫)
こうした結果、2月は一度目の積雪までの約1週間以外、ほぼ発電できなかった。
断熱効果で空調費を削減
倉庫の屋根の上に、太陽光パネルを設置することによって、発電以外の利点も生じた。パネルが、屋根の断熱性を高める効果だ。
屋根から倉庫内に、屋外の高温が伝わることを抑えるため、夏の暑い時期に、冷房の費用が減る効果がある。冬になると、逆に太陽の熱を妨げる効果が生じるが、倉庫内の室温を外に逃がさない保温効果の方が高く、暖房の効きは良くなるという。
こうした効果は、閉じきった建物ならば、より高い効果を得られる可能性がある。倉庫の場合、側壁のシャッターを開放して使うために、効果の度合いを数値化することは難しい。
それでも、効果は実感できるという。例えば、冷房の温度を28℃に設定する夏の高温時には、これまで冷房時にも設定以上の温度になっていたが、太陽光パネルの設置後は、28℃を維持できるようになった。さらに、古い棟の貸出先企業の電気料金が、ぐんと下がった(図10)。
図10●古い棟の貸出先企業の空調費が低減
(出所:斉藤倉庫)
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●発電所の概要
名称 甲斐の国メガソーラーステーション
発電事業者 斉藤倉庫(東京都調布市)
住所 山梨県甲府市白井町1410番地(斉藤倉庫 甲府倉庫)
敷地面積 1万6300m2
出力 0.99MW(太陽光パネル出力:1.053668MW)
EPC(設計・調達・建設)サービス テス・エンジニアリング(大阪府大阪市)
太陽光パネル 京セラ製(242W品、4354枚)
パワーコンディショナー(PCS) 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
売電開始日 2013年6月27日
年間予想発電量 約119万kWh
■変更履歴
公開当初、6ページ目に記載した、太陽光パネルを載せるために必要な約14kg/m2の耐荷重について、「水を屋根の上に高さ1.4m分のせた時の重さに相当する」としていましたが、高さの数値は「1.4cm分」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/9/22 19:22]
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&P=2
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&P=3
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&P=4
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&P=5
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&P=6
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140918/377380/?ST=msb&P=7
http://archive.is/ZyLsThttp://archive.is/cnqFzhttp://archive.is/qeKSWhttp://archive.is/3JpvFhttp://archive.is/RXpjGhttp://archive.is/6RoxKhttp://archive.is/wuIW6
posted by BNJ at 23:00
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野鳥ニュース
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2014年09月21日
エトピリカはアイヌ語で「美しいクチバシ」の意。1年のほとんどを海上で過ごす =北海道根室市のユルリ島
北海道根室市の南約3キロに浮かぶユルリ島とモユルリ島。北海道の天然記念物でもある自然豊かなふたつの無人島には、北方領土を除く国内で唯一、エトピリカの営巣地がある。
早朝、営巣地がある入江をバタバタと慌ただしく飛び回るエトピリカ =北海道根室市のユルリ島
アイヌ語で「美しいくちばし」を意味する海鳥で体長40センチほど。1年の大半を外洋で過ごし、繁殖のため5月ごろ島に飛来、断崖に営巣する。産卵、孵化(ふか)を経てヒナが巣立つのは8月末。北方領土では数多く繁殖するが、ユルリ・モユルリ両島で確認される個体は20羽ほど。島にはラッコやアザラシなど珍しい動物も生息するが、上陸は厳しく制限され、目の当たりにするのは難しい。
環境省の繁殖調査に同行してユルリ島に入った。早朝、草をかき分け観測地点に着くと慌ただしく飛び回るエトピリカが遠くに見えた。調査チームは、餌の小魚をくわえた親鳥が同じ巣穴を2度訪れるとヒナがいると判断する。
ユルリ島は北海道指定天然記念物の無人島。さまざまな野生動植物が生息する =北海道根室市のユルリ島
調査は今年で17回目。初回から参加している北海道立総合研究機構の長雄一(おさ・ゆういち)道東地区野生動物室長(51)は「毎年、少しずつ減っている印象。海に20メートルも潜ってエサを捕るため、底刺し網に引っかかることもある」と危ぐする。定期的な上陸は生物の現状把握だけでなく、国境周辺の無人島を守るうえでも意義がありそうだ。(写真報道局 鈴木健児)
http://www.sankei.com/photo/story/news/140921/sty1409210004-n1.html
ttps://archive.is/CukBg
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野鳥ニュース
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2014年09月16日
JR東海は2014年8月26日、品川―名古屋間を40分で結ぶ「リニア中央新幹線」の工事実施計画の認可を、国土交通相に申請した。認可されれば10月にも着工する見通しだ。これに合わせて品川―名古屋間の工費が従来計画より935億円増えて5兆5235億円になる、との見通しを公表した。
労務費が増加するほか、高性能の設備を導入するためだ。リニアのルートはトンネルが8割超で難工事が予想されるほか、2020年の東京五輪に伴う建設ラッシュによる労務費増も指摘されている。工費がさらに膨らむ可能性も否定できず、「つくる前から暗雲が垂れ込めている」と見る向きもある。
品川―名古屋開業は13年後の2027年
リニア、本当に完成するの?(画像はイメージ)
JR東海は4月に国交相に提出したリニアの環境影響評価書(アセスメント)について、国交相や環境相からの意見を踏まえて補正し、8月26日に再提出。トンネル工事に伴う残土処理などを説明し、工事の実施計画認可を申請する環境が整っていた。ただ、アセスメント再提出と同じ日に工事の計画認可を申請したことについては、「JR東海が着工を急ぐ姿勢もうかがえる」との声も聞かれる。品川―名古屋開業は13年後の2027年を予定するが、工事は難航も予想されることから、一日も早く着手したいのだろうと見られているわけだ。
今後のスケジュールはこうだ。補正したアセスメントは、8月29日から1カ月間、沿線自治体などで住民らが閲覧できる「縦覧」の手続きが取られる。縦覧終了後に国交相が工事計画を認可し、JR東海が沿線住民説明会を開いたり、用地買収に動いたりしつつ工事を始める。既に用地を持っている東京や名古屋から着手すると見られている。
大阪延伸が完成すれば工費は9兆300億円
ここへきてクローズアップされている問題の一つが工費の上昇。JR東海は全額を自社でまかなう計画で、先述したように名古屋までが5兆5235億円と途方もない金額だ。大阪延伸が完成すれば工費は9兆300億円に上る。
リニアが東海道新幹線のように一気に大阪まで開業せず、工期を名古屋までと大阪までの2期に分けるのは、JR東海の長期債務額がピーク時でも5兆円を下回るようにコントロールし、安定した財務体質を維持するためだ。しかし裏を返せば、それだけ綱渡りでもあることを意味する。例えば借り入れ金利が想定より大幅に上昇する事態になれば、大阪延伸が予定通りいくかは予断を許さない。
東京五輪に向け、労務費がさらに上昇する見込み
金利だけではない。今回、JR東海が工費を上方修正した主要因が労務費の増加。国内では2013年来、ただでさえ人手不足が叫ばれ、とりわけ建設現場での不足感は深刻で、各種建設工事費の増加につながっているのは周知の事実。2020年の東京五輪に向け、労務費がさらに上昇する見込みで、リニアの工費に影響する可能性は十分ある。JR東海内には「東京五輪が終われば景気も悪くなり、労務費は下がる」との楽観論もあるが、懸念材料には違いない。トンネルまたトンネルという、これまで経験したことのない難工事だけに、この点からも工費が膨らむおそれはある。JR東海は沿線自治体の要望に応じてオオタカなど稀少生物の保護なども含めて環境に配慮するとしており、その対応費用が予定を超える可能性もある。
JR東海は民間企業とはいえ、日本の基幹輸送手段を担う会社でもある。リニアの工費を賄いきれず経営が悪化すれば、国費投入も絵空事ではなくなる。コストを下げつつ環境に配慮する、という難題に直面するJR東海を心配する声は少なくない。
https://www.j-cast.com/2014/09/16215668.html?p=all
http://archive.is/Kcw4h
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野鳥ニュース
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宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授
(出所:日経BP)
メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設時や運用時に生じるトラブルの一つに、「カラスが太陽光パネルの上に石を落とし、パネルのカバーガラスを割って破損させる」ことがある。カラスはなぜ、太陽光パネルの上に石を落すのか、こうした被害を抑制する有効な手段はあるのか、カラスの生態や人間社会とのかかわりに詳しい、宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授に聞いた。
――地上に大量に並ぶ太陽光パネルに、カラスが石を落とし、表面を覆うカバーガラスを割られてしまい、交換を余儀なくされたという被害を受けることがあると聞く。
杉田 わたしの研究室にも、数社から相談があった。カラスが上空から石を落とし、太陽光パネルのガラスが割れる被害のほか、太陽光パネルの間を結ぶ配線を、クチバシで突いて損傷させる被害を受けたというものだった。
いずれも、被害は、設置したうちの一部のパネルや配線に留まり、全面的に被害が広がったわけではなかったこともあり、具体的な対策を取るまでには至らなかった。
相談を受けていて関心があったのは、太陽光発電所の立地だった。このうち2カ所は、酪農用の畜舎に近い場所にあった。
畜舎が近くにある場合、牛や豚が食べるエサの管理方法が粗雑だと、カラスなどの野鳥が集まりやすいことがある。
こうした畜舎が近くにある地域から、カラスによるさまざまな被害の相談を受けることは、これまでにもあった。その場合、まず、畜舎に対して、共同で地域のカラスを減らす対策を提案することを勧めてきた。唐突に、畜舎にエサの管理の改善を要求するのは、難しい面がある。
また、音声やアドバルーンなどを使って、カラスを警戒させることも、一時的に有効だが、太陽光発電所は、農家の田畑などに比べて広いので、まだ勧めたことはない。
テグス(釣り糸)を張っておき、テグスの揺れで驚かせ、野鳥を追い払うのも有効な手段だが、これも太陽光発電所に取り付けるには、広くて大変そうだ。
太陽光発電所には、砕石が敷き詰められている場合がある。カラスが敷地内の砕石を落しているならば、鉄道の線路沿いに敷かれている石同士を固定する工法などを応用できるのではないか。
――太陽光パネルが大量に並んでいる様子は、人間が見た時と、カラスが見た時では、どのような違いがあるのか。
杉田 違いはあるが、カラスに、どのように見えているのかは、わからない。ただし、カラスの視覚は、3原色と紫外線を合わせた四つの波長帯で色を識別するため、人間よりも細やかな色を区別できるはずだ。
――カラスではないが、トンボが太陽光パネルの表面を水面と勘違いして、パネル上に産卵する現象も起きている。
杉田 カラスは認識力が高い生き物で、水以外のものを水面と間違えることは考えられない。
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上空から落下した石などによって、ガラスが割れた太陽光パネル
九州の臨海地域にあるメガソーラーでの例。右の鋭角に切った黒テープの先端が、石が当たりガラスが割れた起点(出所:日経BP)
石を落すのはハシボソガラス、ハシブトガラスのどちら?
――そもそも、カラスはなぜ、太陽光パネルの上に石を落すのか。
杉田 遊びの一つだと考えられる。石に限らず、ゴルフボールなど、いろいろなものを咥えて飛び、上空から落とすといった遊びをすることは、よく知られている。
上空から落とすだけでなく、地面に落下する直前に、さっと咥えてまた飛んで行く遊びもする。
また、一部の地域の、さらに一部のカラスだけに見られる習性として、貝を咥えて飛び、上空から落とし、地面に落下させて、貝を割って身を食べる行動がある。
同じように、道路上にクルミを置いて、走行する自動車に割らせて食べるカラスが仙台で確認されている。クルミがタイヤの位置から外れて失敗すると、置きなおして次に走ってくる自動車を待つ。遡上中のアユを捕獲するカラスもいる。
カラスには、そのような習性はないが、何かの拍子に覚えて、周辺の何羽かが真似したのだろう。
こうした貝やクルミを割ったり、アユを採ったりする行動は、親子間で引き継がれているもので、同じ地域のカラスであっても、すべてのカラスが取る行動ではない。
また、カラスは行動の模倣も得意なので、目撃したカラスが模倣して広まっていくこともあるが、その範囲は限定的だろう。
広まるのは、比較的賢いカラスのみにとどまる。周辺の何百羽のカラスが、一様に真似して石を落とし始めるといったことは、まずあり得ない。
太陽光パネルに石を落すのも、こうした行動の一環で、遊びの一つだとみている。
ただし、太陽光パネルに石を落とす行動は、一定の期間、続くけれども、その後は止まると聞いている。それは、カラスにとって、それほど魅力ではなく、飽きると止めるレベルの行動なのだろう。
これまで、住宅の屋根などに太陽光パネルが載っていることはあっても、広い面積の地上に、大量の太陽光パネルが並んでいるような光景は、ほとんどなかった。
そのような、見たことがない光景が、急に現れたために、見慣れるまで好奇心で遊んでいるのかもしれない。
――カラスの種類によって、習性が異なるのか。
宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授
(出所:日経BP)
杉田 国内には主に、ハシボソガラス、ハシブトガラスがおり、太陽光パネルに石を落とすのは、ハシボソガラスの仕業ではないかと想像している。
ハシボソガラスは郊外に多く、ハシブトガラスは市街に多く生息している。
例えば、貝やクルミを割る例は、ハシボソガラスによるものが多い。遊び好きなのは、だいたいハシボソガラスだ。
もちろん、ハシブトガラスも遊ぶ。われわれが遊びの伝達の実験に使っているのは、ハシブトガラスだ。
なぜ実験にハシボソガラスを使わないのか、疑問に思うかもしれない。ハシボソガラスは、警戒心が強く、捕えるのが難しいためである。ワナを仕掛けても、引っかかってくれない。これに対して、ハシブトガラスは、エサの肉などの魅力に負けて、簡単に捕らえられる。
例えば、音声で追い払おうとしても、嫌がる音声が異なるので、ハシボソガラス、ハシブトガラスのどちらが石を落すのか、知っておくことが重要になる。
送電用の鉄塔は、南側のみ対策
――太陽光発電所に関しては、カラスが石を落すのを防ぐための特効薬はなく、地道に取り組むしかないのだろうか。
杉田 畜舎や田畑を、カラスによる被害から守るのには、さまざまな手段が確立されている。しかし、太陽光発電所は、面積が広いために対策に限りがある上に、発電効率を落とすことにつながるような、何かを被せるタイプの対策は取れない。
上空から落下した石などによって、ガラスが割れた太陽光パネル
中部地域での例(出所:日経BP)
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太陽光パネルは、どこでも真南を向いて設置しているのだろうか? そうであるならば、太陽の向きとの関係で、カラスが興味を持つような反射の仕方をしている時間帯があるのかもしれない。
というのは、送電用などの鉄塔では、方角に基づいたカラス対策が取られているからである。
カラスは送電用の鉄塔に巣を作ることがあり、それが停電の原因にならないように、対策が取られている。具体的には、鉄塔の四つの脚のうち、南向きの脚に、保護用具を取り付けてある。
南向きの脚にしか取り付けないのは、カラスが巣を作るのは、日当たりが良い南側だけに限られるからだ。
――日当たりが良い場所にある太陽光発電所は、カラス好みの場所といえそうだ。
杉田 日当たりが良いことに加えて、近くに大きな河川や、畜舎があるなど、カラスが好む条件が揃った場所に、太陽光パネルを設置すると、石を落される被害に遭う確率が高くなるのかもしれない。
宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授
(出所:日経BP)
参考までに紹介すると、カラスの遊びで深刻なものに、鉄道の線路への置き石がある。線路沿いの石を、レールの上に乗せる。意図はわからず、並べることに興味があるだけのようだが、鉄道会社にとっては、安全性に関わる問題となっている。
カラスの遊びは、このほかにも、冬に池の表面が凍れば、上空から石を落して割ったり、滑り台や雪の表面を滑ってみたり、フリスビーを咥えて、高いところから飛ばしたり、とにかく多様である。
「羽の生えたホモ・サピエンス」と言われるくらいで、道具を使うこともある。昔からいろいろな遊びをしてきたことが知られていて、古典文学にもそうした例が登場する。
環境を選ばないたくましさも特徴で、人間の近くで生活する鳥の中では、例えば、ツバメなどは、適した場所に、決まった材料でしか巣を作らないが、カラスはどこでも、さまざまな材料を使って巣を作る。
木の枝がなければ、金属製のハンガーを使って巣を作る例もある。食に関しても、雑食で適応力が高い。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=2
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=3
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=4
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=5
http://archive.is/wba18http://archive.is/8DaEahttp://archive.is/Ews7Ghttp://archive.is/zi94dhttp://archive.is/NauhA
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BirdNewsJapanについて
eメール
birdnewsjapan@gmail.com
地方紙の記事は1ヶ月程度で消えるものも多く、検索結果は表示されても記事を見ることができません。
報道について再考、検証しようとしてもソースがありません。
こういった経験から、愛好する鳥類に関するニュースをストレージしようと思い、当ブログを立ち上げました。
「著作権法第10条 2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。」及び「著作権法第32条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」の範囲内で行っています。
速報を心がけていますが、日付が後追いになる場合もあります。
同内容の記事の別ソース版は、告知せず最初の記事に追記します。
カテゴリ、タグは便宜的なものです。
鳥インフルエンザ(野鳥/養鶏畜産)、コウノトリ(野鳥/動物園・飼育施設)のようなカテゴリが重複する記事については、管理人の主観でカテゴリ分けをしています。
オウサマペンギン、キングペンギンなど同種の別呼称は、元記事に従ってタグ付けしています。
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