2014年09月16日

JR東海「リニア」はや暗雲 工費が935億円増 さらに膨らむ可能性【J-CAST2014年9月16日】

JR東海は2014年8月26日、品川―名古屋間を40分で結ぶ「リニア中央新幹線」の工事実施計画の認可を、国土交通相に申請した。認可されれば10月にも着工する見通しだ。これに合わせて品川―名古屋間の工費が従来計画より935億円増えて5兆5235億円になる、との見通しを公表した。

労務費が増加するほか、高性能の設備を導入するためだ。リニアのルートはトンネルが8割超で難工事が予想されるほか、2020年の東京五輪に伴う建設ラッシュによる労務費増も指摘されている。工費がさらに膨らむ可能性も否定できず、「つくる前から暗雲が垂れ込めている」と見る向きもある。

品川―名古屋開業は13年後の2027年

リニア、本当に完成するの?(画像はイメージ)
JR東海は4月に国交相に提出したリニアの環境影響評価書(アセスメント)について、国交相や環境相からの意見を踏まえて補正し、8月26日に再提出。トンネル工事に伴う残土処理などを説明し、工事の実施計画認可を申請する環境が整っていた。ただ、アセスメント再提出と同じ日に工事の計画認可を申請したことについては、「JR東海が着工を急ぐ姿勢もうかがえる」との声も聞かれる。品川―名古屋開業は13年後の2027年を予定するが、工事は難航も予想されることから、一日も早く着手したいのだろうと見られているわけだ。

今後のスケジュールはこうだ。補正したアセスメントは、8月29日から1カ月間、沿線自治体などで住民らが閲覧できる「縦覧」の手続きが取られる。縦覧終了後に国交相が工事計画を認可し、JR東海が沿線住民説明会を開いたり、用地買収に動いたりしつつ工事を始める。既に用地を持っている東京や名古屋から着手すると見られている。

大阪延伸が完成すれば工費は9兆300億円

ここへきてクローズアップされている問題の一つが工費の上昇。JR東海は全額を自社でまかなう計画で、先述したように名古屋までが5兆5235億円と途方もない金額だ。大阪延伸が完成すれば工費は9兆300億円に上る。

リニアが東海道新幹線のように一気に大阪まで開業せず、工期を名古屋までと大阪までの2期に分けるのは、JR東海の長期債務額がピーク時でも5兆円を下回るようにコントロールし、安定した財務体質を維持するためだ。しかし裏を返せば、それだけ綱渡りでもあることを意味する。例えば借り入れ金利が想定より大幅に上昇する事態になれば、大阪延伸が予定通りいくかは予断を許さない。
東京五輪に向け、労務費がさらに上昇する見込み

金利だけではない。今回、JR東海が工費を上方修正した主要因が労務費の増加。国内では2013年来、ただでさえ人手不足が叫ばれ、とりわけ建設現場での不足感は深刻で、各種建設工事費の増加につながっているのは周知の事実。2020年の東京五輪に向け、労務費がさらに上昇する見込みで、リニアの工費に影響する可能性は十分ある。JR東海内には「東京五輪が終われば景気も悪くなり、労務費は下がる」との楽観論もあるが、懸念材料には違いない。トンネルまたトンネルという、これまで経験したことのない難工事だけに、この点からも工費が膨らむおそれはある。JR東海は沿線自治体の要望に応じてオオタカなど稀少生物の保護なども含めて環境に配慮するとしており、その対応費用が予定を超える可能性もある。

JR東海は民間企業とはいえ、日本の基幹輸送手段を担う会社でもある。リニアの工費を賄いきれず経営が悪化すれば、国費投入も絵空事ではなくなる。コストを下げつつ環境に配慮する、という難題に直面するJR東海を心配する声は少なくない。
https://www.j-cast.com/2014/09/16215668.html?p=all

http://archive.is/Kcw4h

posted by BNJ at 23:00 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

<第22回>「カラスが太陽光パネルに石を落すのは、遊びの一種」、宇都宮大・杉田教授【日経テクノロジーオンライン2014年9月16日】

宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授
(出所:日経BP)
メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設時や運用時に生じるトラブルの一つに、「カラスが太陽光パネルの上に石を落とし、パネルのカバーガラスを割って破損させる」ことがある。カラスはなぜ、太陽光パネルの上に石を落すのか、こうした被害を抑制する有効な手段はあるのか、カラスの生態や人間社会とのかかわりに詳しい、宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授に聞いた。

――地上に大量に並ぶ太陽光パネルに、カラスが石を落とし、表面を覆うカバーガラスを割られてしまい、交換を余儀なくされたという被害を受けることがあると聞く。

杉田 わたしの研究室にも、数社から相談があった。カラスが上空から石を落とし、太陽光パネルのガラスが割れる被害のほか、太陽光パネルの間を結ぶ配線を、クチバシで突いて損傷させる被害を受けたというものだった。

 いずれも、被害は、設置したうちの一部のパネルや配線に留まり、全面的に被害が広がったわけではなかったこともあり、具体的な対策を取るまでには至らなかった。

 相談を受けていて関心があったのは、太陽光発電所の立地だった。このうち2カ所は、酪農用の畜舎に近い場所にあった。

 畜舎が近くにある場合、牛や豚が食べるエサの管理方法が粗雑だと、カラスなどの野鳥が集まりやすいことがある。

 こうした畜舎が近くにある地域から、カラスによるさまざまな被害の相談を受けることは、これまでにもあった。その場合、まず、畜舎に対して、共同で地域のカラスを減らす対策を提案することを勧めてきた。唐突に、畜舎にエサの管理の改善を要求するのは、難しい面がある。

 また、音声やアドバルーンなどを使って、カラスを警戒させることも、一時的に有効だが、太陽光発電所は、農家の田畑などに比べて広いので、まだ勧めたことはない。

 テグス(釣り糸)を張っておき、テグスの揺れで驚かせ、野鳥を追い払うのも有効な手段だが、これも太陽光発電所に取り付けるには、広くて大変そうだ。

 太陽光発電所には、砕石が敷き詰められている場合がある。カラスが敷地内の砕石を落しているならば、鉄道の線路沿いに敷かれている石同士を固定する工法などを応用できるのではないか。

――太陽光パネルが大量に並んでいる様子は、人間が見た時と、カラスが見た時では、どのような違いがあるのか。

杉田 違いはあるが、カラスに、どのように見えているのかは、わからない。ただし、カラスの視覚は、3原色と紫外線を合わせた四つの波長帯で色を識別するため、人間よりも細やかな色を区別できるはずだ。

――カラスではないが、トンボが太陽光パネルの表面を水面と勘違いして、パネル上に産卵する現象も起きている。

杉田 カラスは認識力が高い生き物で、水以外のものを水面と間違えることは考えられない。


[画像のクリックで拡大表示]

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上空から落下した石などによって、ガラスが割れた太陽光パネル
九州の臨海地域にあるメガソーラーでの例。右の鋭角に切った黒テープの先端が、石が当たりガラスが割れた起点(出所:日経BP)
石を落すのはハシボソガラス、ハシブトガラスのどちら?

――そもそも、カラスはなぜ、太陽光パネルの上に石を落すのか。

杉田 遊びの一つだと考えられる。石に限らず、ゴルフボールなど、いろいろなものを咥えて飛び、上空から落とすといった遊びをすることは、よく知られている。

 上空から落とすだけでなく、地面に落下する直前に、さっと咥えてまた飛んで行く遊びもする。

 また、一部の地域の、さらに一部のカラスだけに見られる習性として、貝を咥えて飛び、上空から落とし、地面に落下させて、貝を割って身を食べる行動がある。

 同じように、道路上にクルミを置いて、走行する自動車に割らせて食べるカラスが仙台で確認されている。クルミがタイヤの位置から外れて失敗すると、置きなおして次に走ってくる自動車を待つ。遡上中のアユを捕獲するカラスもいる。

 カラスには、そのような習性はないが、何かの拍子に覚えて、周辺の何羽かが真似したのだろう。

 こうした貝やクルミを割ったり、アユを採ったりする行動は、親子間で引き継がれているもので、同じ地域のカラスであっても、すべてのカラスが取る行動ではない。

 また、カラスは行動の模倣も得意なので、目撃したカラスが模倣して広まっていくこともあるが、その範囲は限定的だろう。

 広まるのは、比較的賢いカラスのみにとどまる。周辺の何百羽のカラスが、一様に真似して石を落とし始めるといったことは、まずあり得ない。

 太陽光パネルに石を落すのも、こうした行動の一環で、遊びの一つだとみている。

 ただし、太陽光パネルに石を落とす行動は、一定の期間、続くけれども、その後は止まると聞いている。それは、カラスにとって、それほど魅力ではなく、飽きると止めるレベルの行動なのだろう。

 これまで、住宅の屋根などに太陽光パネルが載っていることはあっても、広い面積の地上に、大量の太陽光パネルが並んでいるような光景は、ほとんどなかった。

 そのような、見たことがない光景が、急に現れたために、見慣れるまで好奇心で遊んでいるのかもしれない。

――カラスの種類によって、習性が異なるのか。


宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授
(出所:日経BP)
杉田 国内には主に、ハシボソガラス、ハシブトガラスがおり、太陽光パネルに石を落とすのは、ハシボソガラスの仕業ではないかと想像している。

 ハシボソガラスは郊外に多く、ハシブトガラスは市街に多く生息している。

 例えば、貝やクルミを割る例は、ハシボソガラスによるものが多い。遊び好きなのは、だいたいハシボソガラスだ。

 もちろん、ハシブトガラスも遊ぶ。われわれが遊びの伝達の実験に使っているのは、ハシブトガラスだ。

 なぜ実験にハシボソガラスを使わないのか、疑問に思うかもしれない。ハシボソガラスは、警戒心が強く、捕えるのが難しいためである。ワナを仕掛けても、引っかかってくれない。これに対して、ハシブトガラスは、エサの肉などの魅力に負けて、簡単に捕らえられる。

 例えば、音声で追い払おうとしても、嫌がる音声が異なるので、ハシボソガラス、ハシブトガラスのどちらが石を落すのか、知っておくことが重要になる。

送電用の鉄塔は、南側のみ対策

――太陽光発電所に関しては、カラスが石を落すのを防ぐための特効薬はなく、地道に取り組むしかないのだろうか。

杉田 畜舎や田畑を、カラスによる被害から守るのには、さまざまな手段が確立されている。しかし、太陽光発電所は、面積が広いために対策に限りがある上に、発電効率を落とすことにつながるような、何かを被せるタイプの対策は取れない。


上空から落下した石などによって、ガラスが割れた太陽光パネル
中部地域での例(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
 太陽光パネルは、どこでも真南を向いて設置しているのだろうか?  そうであるならば、太陽の向きとの関係で、カラスが興味を持つような反射の仕方をしている時間帯があるのかもしれない。

 というのは、送電用などの鉄塔では、方角に基づいたカラス対策が取られているからである。

 カラスは送電用の鉄塔に巣を作ることがあり、それが停電の原因にならないように、対策が取られている。具体的には、鉄塔の四つの脚のうち、南向きの脚に、保護用具を取り付けてある。

 南向きの脚にしか取り付けないのは、カラスが巣を作るのは、日当たりが良い南側だけに限られるからだ。

――日当たりが良い場所にある太陽光発電所は、カラス好みの場所といえそうだ。

杉田 日当たりが良いことに加えて、近くに大きな河川や、畜舎があるなど、カラスが好む条件が揃った場所に、太陽光パネルを設置すると、石を落される被害に遭う確率が高くなるのかもしれない。


宇都宮大学 農学部の杉田昭栄教授
(出所:日経BP)
 参考までに紹介すると、カラスの遊びで深刻なものに、鉄道の線路への置き石がある。線路沿いの石を、レールの上に乗せる。意図はわからず、並べることに興味があるだけのようだが、鉄道会社にとっては、安全性に関わる問題となっている。

 カラスの遊びは、このほかにも、冬に池の表面が凍れば、上空から石を落して割ったり、滑り台や雪の表面を滑ってみたり、フリスビーを咥えて、高いところから飛ばしたり、とにかく多様である。

 「羽の生えたホモ・サピエンス」と言われるくらいで、道具を使うこともある。昔からいろいろな遊びをしてきたことが知られていて、古典文学にもそうした例が登場する。

 環境を選ばないたくましさも特徴で、人間の近くで生活する鳥の中では、例えば、ツバメなどは、適した場所に、決まった材料でしか巣を作らないが、カラスはどこでも、さまざまな材料を使って巣を作る。

 木の枝がなければ、金属製のハンガーを使って巣を作る例もある。食に関しても、雑食で適応力が高い。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=2
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=3
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=4
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140911/375933/?P=5

http://archive.is/wba18
http://archive.is/8DaEa
http://archive.is/Ews7G
http://archive.is/zi94d
http://archive.is/NauhA
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