2014年10月16日

乱気流かわすワシの「翼の折り畳み」動作を解明、英研究【AFPBB News2014年10月16日】

インドとパキスタン国境Gharana付近の上空を飛ぶソウゲンワシ(2013年1月19日撮影、資料写真
【10月16日 AFP】風を受けて空高く舞い上がるワシは、乱気流に遭遇すると翼を折り畳み、筋肉の損傷を防いでいることを示唆する実験結果が、15日の英国王立協会(British Royal Society)の学術誌「Journal of the Royal Society Interface」発表された。

 英オックスフォード大学(Oxford University)の動物学者のチームは、両翼を左右に広げた際の幅が1.9メートルに及ぶ猛禽類、ソウゲンワシ(学名:Aquila nipalensis)の飼育鳥に小型の飛行記録計を取り付けた。

 背負い袋に格納されたこの75グラムの小型の装置は、英ウェールズ(Wales)の人里離れた場所の上空を飛行するソウゲンワシの位置、飛行速度、加速度を測定。研究チームは同時に地上からワシの映像を撮影した。

 45回分の飛行データを調べた結果、ワシは大きな突風を受けて上方に突き上げられた時、瞬間的に両翼を体の下に下げ、「翼を折り畳む」ような動きをして反応していることが分かった。

 この動きにより、ワシは急降下する形になるため、翼にかかる空気抵抗は低減される。

 1回の「折り畳み」の動作の持続時間は約3分の1秒だが、非常に風が強い状況では1分間に最高3回用いられていた。

 グラハム・テイラー(Graham Taylor)教授(動物学)は「急な上昇飛行は、労力を必要としないようにみえるかもしれないが、ただ労せずして風に乗っているわけではない」と語る。

「急の上昇で鳥は長い距離を飛行することができるかもしれないが、同時に飛行筋に甚大な負担をかけることになる」

「上昇気流などの上向きの空気の塊は、多数の乱気流やバフェッティング(風の乱れによる振動現象)を発生させる性質があるため、これによって鳥は翼が急激に揺さぶられ、空からたたき落とされる恐れがある」

 翼を折り畳む動作は、自動車のサスペンション(緩衝装置)のような働きをしており、ワシが大きな突風によって傷つけられるのを防ぐために衝撃を吸収する役割を果たしていると考えられる。ワシは、コンドルやトビなどを含む滑空飛行する鳥類に分類されている。

 これまでのところ、実験は1羽の鳥に対してのみ行われているだけなので、他種の鳥も「折り畳み」の技を用いるかどうかは不明だ。

 この技は、航空機の設計技師らの興味を引く可能性があるとテイラー教授は指摘しているが、ジェット旅客機などの固定翼の大型航空機に適用される可能性は低い。それでも乱気流に弱い超軽量飛行機には有用な技術になるかもしれない。
http://www.afpbb.com/articles/-/3029039

ttps://archive.is/brQBX

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なにわの夢 秀吉愛した鷹狩り 「上空も領地」顕示【YOMIURI ONLINE2014年10月16日】

大空に向かってタカを放つ石橋美里さん(後方は玄界灘)(佐賀県唐津市で)=吉野拓也撮影
 佐賀県唐津市の肥前名護屋城跡。玄界灘を望む天守台で、1羽のタカが女性の左腕から勢いよく飛び立った。

 鷹匠たかじょうで、佐賀女子短期大2年の石橋美里さん(20)(佐賀県武雄市)。牧場やごみ処理場などから依頼を受け、タカやワシ、ミミズクを操り、カラスやハトなどの害鳥を駆除している。愛好家らが技術を競う「フライトフェスタ」で、2013年に「ハヤブサの部」、14年には「オオタカ・メスの部」でそれぞれ優勝した実力を持つ。

 鷹匠は元々、鷹狩りに使うタカの飼育や訓練を担当する者を意味したが、今では単にタカを操る人も指す。だが、石橋さんは「誰の指示でも聞くよう調教するのが仕事」と原義にこだわるとともに、学業の傍ら、子どもたちを対象にした実演ショーもほぼ毎月1回こなす。「タカを操る楽しさを知ってほしい」との思いからだ。

 石橋さんは父親の仕事の都合でタイにいた幼少期、ペットショップでタカを見て美しい姿にひかれた。小2で帰国してからはハヤブサやタカを飼い始め、独学で飛ばし方などを研究、小5で鷹匠に認定された。豊臣秀吉ゆかりの同城で石橋さんは、「秀吉はどんなタカが好きだったのだろう。天下人も気に入るようなタカをいつか育てたい」と思いをはせる。

 ◇大規模に1か月間

 日本放鷹ほうよう協会などによると、タカを使って獲物を追い込む鷹狩りは、紀元前から中央アジアで発達し、4世紀に日本に伝来したとされる。古くは貴族や公家が好んだが、徐々に武士にも浸透した。

 秀吉も愛好家の一人だった。優れたタカを求め、大名にヒナを献上させたり、獲物を近畿に集めようと、九州や四国、東北地方の大名に野鳥を鉄砲で撃って追い込むよう命じたりしたとの記録が残っているほど、熱中したらしい。


秀吉が四国の大名に宛てた文書。「野鳥を鉄砲で撃つなどして秀吉の御鷹場に集めよ」と命じている(大阪城天守閣提供)
 圧巻なのは、小田原攻めの翌年に行った、約1か月に及ぶ大規模な鷹狩りだ。大名たちを引き連れて3万以上の獲物を仕留め、京に戻る際には金色の長竿さおに、獲物の鳥やイノシシ、シカなどをつるして運び込んだ。獲物は町民らに配られ、京の街は歓声で沸いたという。

 鷹狩りの歴史に詳しい同協会の蛭田晶子さん(東京都武蔵野市)は、「秀吉にとって、鷹狩りは空を飛ぶ野鳥を捕らえることで『地上のみならず、上空までも自分の領地』と伝え、威力を示す格好の手段だったのでは。このパフォーマンスが多くの人に印象づけられ、その後の鷹匠の歴史の礎になったのかもしれない」とみる。

 ◇鳥の衝突事故防げ

 鷹匠は意外な場所でも活躍している。

 成田国際空港会社(NAA)が8月11〜17日、飛行機の離着陸時に鳥が機体に当たったり、エンジンに吸い込まれたりする「バードストライク」を防ぐため、鷹匠を起用して同空港の滑走路付近の鳥を追い払う実験を始めた。

 国土交通省によると、バードストライクは、エンジンやセンサーに不具合が生じて事故につながる危険性があるほか、引き返すなどして運航に乱れが生じるなど影響がでている。

 成田空港ではバードストライクが11年61件、12年99件、13年113件と増加。職員が1日5回の巡回時に空砲を撃つなどして鳥を追い払ってきたが、決定的な効果はなく、鷹匠を起用することにした。タカを恐れる野鳥の本能に訴えるのが狙いだ。

 実験期間中、千葉県旭市の鷹匠、町田英文さん(46)ら4人がバードストライクが多い朝夕に2時間ずつ、腕にタカを乗せるなどしてA、B滑走路のうち、B滑走路付近を歩いた。その結果、同空港の8月のバードストライクは12件で前年同月の22件から減少。B滑走路付近では9件と、前年同月の18件から半減した。

 NAAは「数字上は効果があったが、雨や低気温の日が多かったので因果関係がはっきりしない」としているものの、来年以降も同じ期間で実験を継続し、データを集める方針で、効果に期待する。

 かつて、鷹狩りは単なる娯楽としてだけでなく、領地の視察なども兼ねていたとされる。「時代が変わっても、タカを扱う技術がいきる場面はある。実験を成功させ、活躍の場を広げたい」と町田さん。秀吉を魅了した鷹匠の技術や熱意は脈々と息づいている。

(矢尾隆行)

 ◇来月2日鷹匠の技

 大阪城でも、毎年11月に開かれる秋祭りで鷹匠の技を見ることができる。今年は同月2日、西の丸庭園で予定されている。

 今回披露されるのは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人に仕えたとされる鷹匠・小林家鷹いえたかを初代とする「諏訪流放鷹術」だ。

 会場では、日本放鷹協会のメンバー約10人が、空中に放った疑似餌を捕らせる「振り鳩はと」や、樹上から呼び戻す「渡り」、鷹匠の腕から別の鷹匠の腕に飛び移らせる「振り替え」などを実演する。

 午前10時と午後1時の2回。雨天中止。無料。観客が参加できるコーナーもある。

 同協会は「鷹匠とタカが一つになる『人鷹一体』が我々の境地。戦国時代から連綿と受け継がれてきた技を見て、歴史に思いをはせてもらえれば」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO004352/20141019-OYTAT50047.html

ttps://archive.is/afDUP
タグ:鷹匠
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2014年10月15日

もうひとつの動物園:守り・伝える/56 ライチョウ/2 /東京【毎日新聞2014年10月15日】

 ◇山岳信仰から「神の鳥」

 ニホンライチョウ(以下ライチョウ)の祖先は2万〜3万年前の最終氷期、陸続きだった大陸から日本列島へ入ってきた。その後、日本列島と大陸が海で隔てられ、北へ戻れなくなった。気候が温暖になると日本に取り残されたライチョウは気温の低い高山へ逃れた。

 ライチョウの分布の北端は新潟県の火打山と焼(やけ)山、南端は南アルプスのイザルガ岳とされる。南北アルプスを中心に、その間の独立峰、乗鞍岳や御嶽山(おんたけさん)にも生息する。北海道の森林に生息するエゾライチョウは別種だ。

 ライチョウが初めて記録されたのは、1310(延慶3)年ごろにまとめられた「夫木(ふぼく)和歌抄」の後鳥羽天皇の和歌とされる。日本には古くから高い山には神が宿り、奥山は神の領域とする山岳信仰があり、白山へ登拝(とはい)した人が京都にライチョウを伝えた。江戸時代中期〜後期、信仰登山は一般化し、白山や御嶽山、立山のライチョウは神の鳥として広く知られるようになる。

 白山のライチョウは雷除(よ)けのお守りや火除けの鎮火符として庶民に普及。石川県白山市の武部治正さん(78)の家には1848〜54年(嘉永年間)に祖先が山頂付近で拾ったというライチョウの羽が雷除けのお守りとして残る。武部さんは「成人の通過儀礼の折、白衣を着け金剛杖を手に白山参詣した曽祖父の写真があります」と教えてくれた。【斉藤三奈子】
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20141015ddlk13040047000c.html

ttps://archive.today/YHMfi
タグ:ライチョウ

2014年10月08日

もうひとつの動物園:守り・伝える/55 ライチョウ/1 /東京【毎日新聞2014年10月8日】


上野動物園で飼育しているスバールバルライチョウ

 ◇高い絶滅の危険性

 ライチョウは北半球の北部を中心に広く分布するキジの仲間だ。ライチョウという呼び名は種名で23の亜種に分けられている。ニホンライチョウはその1亜種で、世界最南端に孤立した集団。本州中部の高山だけに生息し、1980年代の生息数は約3000羽と推定されていたが、南アルプスや北アルプス南部の山岳などで減少傾向にあり、最近の調査では2000羽以下との報告もある。

 環境省は2012年に公表したレッドリストで、絶滅の危険が増大している「絶滅危惧2類」から、近い将来野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧1B類」に引き上げた。

 高山で暮らすニホンライチョウは細菌や寄生虫に対する抵抗力が弱い。主食が高山植物のため飼育や繁殖技術は確立されていない。このため上野動物園は08年から、ニホンライチョウの近縁種スバールバルライチョウを飼育し、野生では解明できない生態や病理を研究している。

 今年8月、夏の開園時間延長でにぎわう同園で、飼育担当の高橋幸裕さん(49)がキーパーズトークを始めた。「ノルウェーのスバールバル諸島に生息するライチョウから飼育や繁殖の知見を集めています」。説明を聞いた参加者は「ニホンライチョウの現状を初めて知った」と声を上げた。【斉藤三奈子】
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20141008ddlk13040182000c.html

ttps://archive.today/nLpY2

2014年10月05日

ワイルドライフアートの先駆者 「内藤貞夫展」6日から開催【産経ニュース2014年10月5日】

内藤貞夫さん(石井那納子撮影)
 自然の動植物を写実的に描くワイルドライフアートの日本における先駆けとして、国内外の美術展で活躍する画家、内藤貞夫さん(67)=東京都板橋区=の個展「自然からのメッセージ ワイルドライフを描く 内藤貞夫展 JOH NAITO EXHIBITION」が6日から、東京・銀座の文芸春秋画廊で開かれる。アクリル絵の具でオオタカを描いた作品など約50点が展示される。

 内藤さんは都内のデザイン専門学校を卒業後、イラストレーターとしてチョコレート菓子のパッケージデザインや科学雑誌の表紙などを描いてきた。

 ワイルドライフアートと出会ったのは25年ほど前、鳥をテーマにした展覧会でのこと。「羽毛の一本一本まで細かく再現され、科学的でありながら、美しさを損なわない技法に魅了された」と振り返る。

 個展は11日まで。午前11時〜午後7時(最終日は午後5時半)。入場無料。問い合わせは文芸春秋画廊(電)03・3571・6493。
http://www.sankei.com/life/news/141005/lif1410050014-n1.html

ttp://archive.is/oJyNW
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