2014年10月08日

もうひとつの動物園:守り・伝える/55 ライチョウ/1 /東京【毎日新聞2014年10月8日】


上野動物園で飼育しているスバールバルライチョウ

 ◇高い絶滅の危険性

 ライチョウは北半球の北部を中心に広く分布するキジの仲間だ。ライチョウという呼び名は種名で23の亜種に分けられている。ニホンライチョウはその1亜種で、世界最南端に孤立した集団。本州中部の高山だけに生息し、1980年代の生息数は約3000羽と推定されていたが、南アルプスや北アルプス南部の山岳などで減少傾向にあり、最近の調査では2000羽以下との報告もある。

 環境省は2012年に公表したレッドリストで、絶滅の危険が増大している「絶滅危惧2類」から、近い将来野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧1B類」に引き上げた。

 高山で暮らすニホンライチョウは細菌や寄生虫に対する抵抗力が弱い。主食が高山植物のため飼育や繁殖技術は確立されていない。このため上野動物園は08年から、ニホンライチョウの近縁種スバールバルライチョウを飼育し、野生では解明できない生態や病理を研究している。

 今年8月、夏の開園時間延長でにぎわう同園で、飼育担当の高橋幸裕さん(49)がキーパーズトークを始めた。「ノルウェーのスバールバル諸島に生息するライチョウから飼育や繁殖の知見を集めています」。説明を聞いた参加者は「ニホンライチョウの現状を初めて知った」と声を上げた。【斉藤三奈子】
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20141008ddlk13040182000c.html

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