春の渡りがピークを迎えた先月下旬、佐賀市の「東よか干潟」で、日本野鳥の会佐賀県支部の観察会に参加した。餌をついばむ水鳥たちは愛らしく、時折一斉に飛び立つ様は壮観。幸運にも世界の生息数が数百羽というヘラシギも1羽見つかり、干潟は沸いた。
この干潟がラムサール条約に登録され、29日で1年になる。環境省のモニタリング調査で、シギ・チドリ類の飛来数は約1万2000羽(昨年春期)。圧倒的な日本一だが、佐賀空港のバードストライクが懸念された過去もあり、登録は国内47番目と遅くなった。
それでも登録を受け、昨年10月末には干潟の自然を学べるガイダンスルームが開設された。地元有志もボランティアガイドを目指して研修を積み、来月には活動を始める予定だ。
1万キロ以上を旅する鳥たちの自然の営みに触れ、絶滅危惧種を間近に見て、その貴さにも気づかされる。そんな干潟の魅力は一級品だ。ガイド環境の遅れを取り戻し、貴重な生態系を学べるトップランナーとなることを期待したい。【中村敦茂】
http://mainichi.jp/articles/20160518/ddg/041/070/011000c
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