発見された新種の霊長類(学名:Calicebus miltoni)。世界自然保護基金(WWF)ブラジル提供(撮影場所非公開、2017年8月30日提供)
【8月31日 AFP】世界自然保護基金(WWF)は30日、南米アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で植物や魚類、哺乳類など381種の新種が発見されたと発表した。ただ、発見されたのはすべて人間の活動によって脅威にさらされている地域だとして警鐘を鳴らしている。
WWFとブラジルのマミラウラ持続的開発研究所(IDSM)がサンパウロ(Sao Paulo)で発表した報告書によると、発見されたのはこれまで確認が取れていなかった植物216種、魚類93種、両生類32種、爬虫(はちゅう)類19種、鳥類1種、哺乳類20種。うち2種は化石だという。
南米9か国にまたがるアマゾンの熱帯雨林で、平均で2日に1つの新種が発見されたことになる。
今回発表されたのは一連の調査の3回目となる報告書で、過去17年で2000種の新種が見つかっている。
しかし、WWFブラジルのアマゾン関連プログラムのコーディネーターを務めるヒカルド・メロ(Ricardo Mello)氏は、今回の381種すべてが人間が破壊活動を行っている地域で発見されたと指摘。「われわれがその存在を知ることさえないうちに、人間の経済活動が生物を絶滅させているという事実と関連付けられる」と警告している。
http://www.afpbb.com/articles/-/3141071
新種の生物381種、南米アマゾンで発見 WWF発表【朝日新聞デジタル2017年9月4日】
オバマ前米大統領にちなんで「Nystalus obamai」という学名がつけられた新種の鳥=(C)Fabio Schunck
国際NGOの世界自然保護基金(WWF)は南米アマゾンで2014〜15年に、ピンク色をしたカワイルカや蜂の巣のような模様がある淡水エイなど新種の生物381種を発見したと発表した。これらの新種がすむ熱帯雨林は開発の波にさらされているとして、保全の重要性を訴えている。
アマゾンは地球上の熱帯雨林の3分の1を占め、生物多様性の宝庫として知られる。WWFとブラジルの研究機関が14〜15年に調査し、植物216種、魚類93種、両生類32種、爬虫類(はちゅうるい)19種、哺乳類20種(うち2種は化石)、鳥類1種の計381種を発見した。また、13年に報告された新種の鳥に、オバマ前米大統領にちなむ学名がつけられた。
アマゾンには自然保護区が設けられているが、森林伐採や資源採掘をブラジル政府が許可する動きが進む。ブラジルのアラグアイア川にすむピンク色のカワイルカは14年に新種として報告されたが、推定で約1千頭しかいない。水力発電用ダム建設など人間活動で生息域を脅かされている。
今回の調査では1・9日ごとに新種を1種発見した計算になる。10〜13年のアマゾン調査でも新種441種が見つかったが、そのときは3・3日ごとに1種で、発見ペースがさらに上がったという。(小堀龍之)
http://www.asahi.com/articles/ASK942VW9K94ULBJ001.html
http://archive.is/y4P8G
http://archive.is/D48Cq
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