2018年07月04日

「万葉古道」を尋ねて 交流・別れ・流浪/23 大和下市・桃花の里/中 地名になごり、トキの里 /奈良【毎日新聞2018年7月3日】

秋野川沿いに広がる水田と山林。トキの生存に必須の環境だ。道は吉野山登り口(手前側)へと続く=奈良県下市町で、栗栖健撮影
 「日本霊異記」で彫りかけの仏像があったという橋が架かっていた秋野川は、大峯奥駈道が通る吉野山・青根ケ峰(858メートル)から流れ出て下市町内の開けた谷の間を下り、吉野川本流に合流する。

 下市の谷は、平城京などから吉野の山に向かう道の一つだった。未完の仏像を見つけた奈良・元興寺の僧が橋材で作った仏像を安置した「越部の村」(大淀町越部)も、奈良盆地から壺阪峠を南に越した所だ。


空を羽ばたくトキ=新潟県佐渡市で2009年9月30日、内藤絵美撮影
 霊異記の物語が下市を指した「桃花(つき)の里」は美しい名だ。その字には、桃色の羽を持つ鳥のトキが関わっている。

 720年にできた日本書紀は、綏靖(すいぜい)天皇の陵の名を「桃花鳥(つき)田丘上陵(だのおかのうえのみささぎ)」と記した。その前、712年に完成していた古事記ではその陵があるのは「衝田岡」。「衝」も「桃花鳥」も「ツキ」と読み、元は鳥の名に由来することがわかる。


 古墳の文字を「桃花鳥」に替えたのは、古事記完成後の713(和銅6)年、諸国に「郡郷の名は好(よ)き字」にせよとの官命が出たからだろう。

 前回触れたように平安時代の930年代に成立した「倭名類聚抄」はトキの漢字に「〓」をあて、「和名 豆木」とした。学者が書紀を講じた時の覚え書き「日本紀私記」にはトキが「桃花鳥」とあることも記した。ただし書紀本文にはこの記述はない。


鳥のトキの名は野生ランのトキソウに残っている。花の色がトキの羽色に似ており、かつては谷の出口などで見られた。写真は栽培品=奈良県五條市で、栗栖健撮影
 まず鳥の名としてトキ、ツキがあり、羽の色から「桃花鳥」の文字をあてて地名に流用した流れが見える。

 トキはトキ科でサギ類とは科が別。大きさは中型のシラサギほど。翼の裏面、尾などは桃色。長いくちばしは下に曲がり、顔は皮膚が露出して足と共に赤い。学名は「ニッポニア ニッポン」。中国での名は「朱鷺」「紅鶴」だ。

 かつては全国に生息したが明治時代に羽毛を取るため乱獲され激減した。日本の野生種は佐渡に残っていたが2003年、最後の1羽が死ぬ。中国に残っていたトキの提供を受けて環境省が繁殖させ放鳥している。

 下市の環境はトキの生息に適していたのではないか。

 佐渡での研究では、トキは湿地や水田で昆虫、カエル、ドジョウ、サワガニなどを捕食する。巣は春から夏にかけて森林の大きな木の上に作る。生息には水辺と森が必要だ。

 秋野川は森林に覆われた丘陵の間の浅い谷を流れる。15年ほど前、70〜80歳の男性たちは「子どものころの水量は今の3倍あった。6月ごろ、高さ7、8メートルもある滝を小指ほどの太さの子ウナギが黒くなるほど群がって登っていた」と川の豊かさを語っていた。

 今は中流に水田が広がるが、万葉時代には湿地も多く、トキが繁殖しやすい場所だったろう。

 万葉歌に水辺に暮らす雁、鶴、鴨、白鷺などの表記はあるが、「桃花鳥」は見あたらない。トキは現在、その名も染色の鴇(とき)色と湿地に生える野生ラン・トキソウに残すぐらいだ。

 霊異記の後、「桃花の里」の名は忘れられる。物資集散地「下市」として登場するのは中世だ。


秋野川沿いの「ゲストハウス山桜」(左)代表の尾上治吉さん=奈良県下市町才谷で、栗栖健撮影
 同町才谷は秋野川の町内最上流に位置する。吉野山(吉野町)への登り口があり、上流は大峯山登山口の天川村洞川に通じる。2016年4月、川のほとりに移住促進ゲストハウス「山桜」がオープンした。自炊で寝泊まりして下市の良さを知ってもらう狙いだ。

 代表の尾上治吉(おうえはるよし)さん(65)によると昨年は304人が宿泊しうち33人が外国人だった。「小さな時、子供らで山にアケビを取りに行き、上級生が皆に平等に分けてくれた。夏は砂防ダムの排水口を止めて長さ150メートルのプールにして泳ぎ、街の子も来た。川で腕ぐらいの太さのウナギを釣った」と古里の思い出を語る。「山桜」への問い合わせは、尾上さん(090・8572・0014)まで。【栗栖健】=次回は24日掲載予定
https://mainichi.jp/articles/20180703/ddl/k29/040/564000c

http://archive.is/GGP5q

タグ:トキ
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渡良瀬遊水地 ラムサール登録6年 魅力PR 7〜8月、イベント多彩に /栃木【毎日新聞2018年7月4日】(ツバメのねぐら入り観察会)

 栃木など4県6市町にまたがる渡良瀬遊水地がラムサール条約湿地に登録されてから3日で6年になるのを記念し、栃木市は7〜8月、ヨシを使った七夕飾りづくりやカヌーでの谷中湖観察、周辺5市町と共催のボートレースなどのイベントを開く。

 同遊水地は2012年7月、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に登録された。全体面積の約7割を占める同市は15年、登録日の3日を「登録記念日」にし、夏の2カ月を遊水地の存在と魅力をアピールする「強化月間」と位置付けている。

 今年の主なイベントは、ヨシで七夕飾りをつくる「ヨシに願いを☆」(7日、申し込みは4日まで)▽カヌーでの自然観察やミニよしず制作などの「親子水辺教室」(22日、申し込みは2〜18日)▽ガイドクラブの案内で遊水地を巡る「ハートランドぐるり旅」(6、17、20日、8月1、3日、申し込みは開催日前日まで)▽「ツバメのねぐら入り観察会」(8月9、21日、申し込みは7月23日〜8月6日)▽10人乗りゴンドラ形カヌーによる「Eボートレース2018渡良瀬大会」(8月18日、申し込みは7月20日まで、参加費1チーム2000円)−−など。

 イベントには定員があり、いずれも先着順。イベントの詳しい内容は同市渡良瀬遊水地のホームページに掲載している。問い合わせや申し込みは同市遊水地課(0282・62・1301)。【太田穣】
https://mainichi.jp/articles/20180704/ddl/k09/040/172000c

http://archive.is/utC1s
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山陽新幹線が異音で一時停車 異常なし【朝日新聞デジタル2018年7月4日】

 【JR西日本発表】4日午前8時50分ごろ、山陽新幹線のひかり493号(広島行き)が兵庫県の西明石―姫路間を走行中に異音が生じたため、停車した。車両と線路を確認したところ、1号車のボンネットに鳥とぶつかったとみられる羽や血痕が見つかったが、車両に異常はなかった。この影響で、新大阪―広島間の一部列車に25〜10分の遅れが出ている。
https://www.asahi.com/articles/ASL7434BLL74PTIL005.html

ひかり緊急停止 「ドン」と衝突音、鳥衝突か 西明石−姫路間【産経WEST2018年7月4日】

 4日午前8時50分ごろ、兵庫県高砂市の山陽新幹線西明石−姫路間を走行していた新横浜発広島行きのひかり493号(16両編成、乗客乗員約650人)で運転士が「ドン」という異常音を聞き、緊急停止させた。点検で異常がないことを確認、25分後に運転を再開した。

 JR西日本によると、先頭車両に羽根と血痕があり、鳥が衝突したとみられる。上下線で一時運転を見合わせ、計12本が最大26分遅れ、約7千人に影響した。
https://www.sankei.com/west/news/180704/wst1807040035-n1.html

http://archive.is/aZuR5
http://archive.is/0DS6e
posted by BNJ at 10:58 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする