2018年11月28日

中野繁さん 日本人初、米魚類野生生物局「ヒーローズ」選出 37歳で死去、多くの後輩育てる【毎日新聞2018年11月28日】

在りし日の中野繁さん=友人の徳田幸憲さん提供
 元京都大助教授で、川と森の生態系のつながりを実証した中野繁さんが今年6月、環境保全への貢献を認められ、米内務省の魚類野生生物局から「コンサベーション・ヒーローズ」に選ばれた。2000年、海難事故により37歳の若さで生涯を閉じたが、その遺志は国内外の生態学者に受け継がれている。【阿部周一】

 6月、米ウェストバージニア州にある魚類野生生物局の研修施設に1枚のパネルが飾られた。写真の中で、大きなニジマスを手にした中野さんが笑みを浮かべている。


川に潜って魚や水生昆虫などを観察する中野さん。川岸で時々食事を取りながら一日中こうしていることも多かったという=友人の徳田幸憲さん提供
 米国で野生生物保護を所管する同局は1998年から「ヒーローズ」の顕彰を始め、これまで著書「沈黙の春」で農薬汚染を告発したレイチェル・カーソン氏(07〜64年)やノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ氏(40〜2011年)ら約80人を選んできた。日本人は初めてで、米国でほとんど活動実績のない研究者の選出も異例だ。それでも、同局職員のライアン・フォガティーさんは「ナカノの研究成果は並外れている。私たちのチーム一人一人が選出に賛同した」と語る。

 中野さんは岐阜県旧神岡町(現・飛騨市)で生まれた。大の勉強嫌いだったが、遊び場にしていた近所の川が教科書代わりだった。中学1年の時、イワナの個体間に順位があることを水中観察を通じて見つけた逸話がある。

 三重大に進学すると、川魚や水生昆虫の研究を開始。山奥の渓流にへばりつくように、アマゴやイワナを観察し続けた。冷たく激しい流れの中で一日中、魚がどの深さで何を食べたか、一匹一匹ノートに記録し続ける過酷な作業を通じて、個体間や異種間の競合・共存関係を解き明かしていった。後に研究パートナーとなる米コロラド州立大のカート・ファウシュ名誉教授は「彼が集めたデータの質と量に感銘を受け、国際誌で発表するように勧めた。今では世界中の河川魚類学者の論文に頻繁に引用されている」と話す。


川魚の行動を丹念に記録した中野さんの潜水観察ノート。元研究仲間は「冷たい流れの中でこれを作るのは至難の業」と舌を巻く=村上正志・千葉大教授提供
 中野さんは大学卒業後、故郷の漁協や博物館勤務を経て、石城(いしがき)謙吉・北海道大教授(現・名誉教授)=動物生態学=の門をたたく。「『あなたの本を読んだ。自分もイワナに興味があって調査している』と突然、研究室にやって来た。データを抱えて。とにかく元気が良かった」。石城さんはそう懐かしむ。

 26歳で北大助手に採用された中野さんは、広大な研究林で研究に没頭した。とりわけ語り草になっているのが、95年夏に苫小牧研究林の幌内川で手がけた「大規模野外操作実験」だ。川面を全長50メートルのビニールハウス(幅5メートル、高さ2.5メートル)4基ですっぽり覆い、森と川を完全に分断。森からの栄養供給を断たれた川の中で何が起きるかを観察した。その結果、川魚が水生昆虫を食べる圧力が増し、食物連鎖に異変が生じた。外来種より先に、在来種が実験区域外へ追い出されることも分かった。


川をビニールハウスで覆う野外実験などから中野さんらが解き明かした川と森の生き物の相互作用。実験対象にした川では、森の鳥が必要なエネルギーの26%を川から、川の魚は44%を森からそれぞれ得ていることを明らかにした。
 さらに、取った魚に麻酔をかけ、胃の内容物から食べたものを割り出したり、河畔林にすむ昆虫やクモなどを数えたりする作業を2年間続けた。鳥がえさを取る行動を1万3000回観察し、そのえさが森由来か川由来かも分析した。こうした常識外れの実験や観察を通して、このエリアでは、森の鳥は必要なエネルギーの26%を川から、川の魚は44%を森から得ていることを明らかにした。森と川の生き物が互いに依存関係にあることを定量的に示した研究成果は2001年、国際誌に発表され、高く評価された。

 「ぼくらが朝、研究林に着くと、とっくに調査を終えてくたくたになって眠る中野さんを見たことが何度もある」。当時大学院生だった谷口義則・名城大准教授(魚類生態学)は中野さんの猛烈な仕事ぶりを振り返る。「アイデアと行動力が豊富で、思いついた研究構想をいつも独り言のように語っていた」という。

 中野さんが約15年間に発表した論文は、共著を含めて英文63本、日本語20本を数えた。地球温暖化や河川改修が河川の生態系に与える影響も分析するなど、関心は次々と広がっていった。

 ところが、不慮の事故が前途を奪う。京大に移籍後の00年3月、メキシコ沖で離島調査に向かう途中、日米の研究者9人が乗っていたモーターボートが高波にあおられ転覆。中野さんは他の4人と共に帰らぬ人となった。生存者の証言では、「自分は泳げるから」と救命胴衣を譲り、おぼれる学生を救助するうちに姿が見えなくなったという。

 中野さんは多くの後輩を育て、「中野学校」と呼ばれる若手研究者集団を率いた。そのうちの一人、村上正志・千葉大教授(群集生態学)は今もふと「彼が存命なら何を研究しているだろう? 自分は彼が思い描いたような仕事をできているか?」と考えることがあるという。昨年3月の日本生態学会では、親交のあった研究者らが、中野さんが生態学に与えた影響や没後の研究の進展を語り合うシンポジウムを開いた。


中野さんを「コンサベーション・ヒーロー」に選出し、功績を刻んだ記念パネルを掲げる米魚類野生生物局のスタッフ=同局提供
 米国では07年、ファウシュさんが呼び掛け人となり、中野さんの研究や人柄を美しい映像で紹介するドキュメンタリー番組「RiverWebs」(57分)が制作された。ファウシュさんは「番組は全米で放送され、教育者や河川管理者にも影響を与えた。今回の顕彰で、再び多くの生態学者が中野さんの残した業績に刺激を受けるだろう。中野さんは間違いなくヒーローだ」とたたえた。

中野繁さんのプロフィル
 1962年 岐阜県神岡町(現・飛騨市)に生まれる

 81年 三重大水産学部入学。平倉川でアマゴの研究を始める

 87年 高原川漁協(岐阜県)の嘱託研究員に

 88年 飛弾・北アルプス自然文化センター(同)の学芸主事に

 89年 北海道大農学部中川演習林の助手に。イワナ属魚類の研究を始める

 96年 北大苫小牧演習林へ異動。幌内川で川と森の生物多様性に関する実験・観察を本格化

 97年 同学部助教授に

 99年 京都大生態学研究センター助教授に就任

2000年 離島調査に向かう途中、メキシコ沖で9人乗りボートが転覆し、日米の研究者4人が死亡。中野さんは行方不明に(後に死亡認定)
https://mainichi.jp/articles/20181127/mog/00m/040/016000c

http://archive.is/4ditd

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触って感じる命の大切さ 沖縄盲学校幼稚部・小学部が農業体験【琉球新報2018年11月28日】

南部農林高校の生徒が抱えるニワトリを、優しく触る沖縄盲学校の児童(中央)=21日、豊見城市の南部農林高校
 沖縄盲学校は毎年、南部農林高校で同様の取り組みを実施している。最初は怖がってニワトリを触れなかった児童も、高校生や先生たちが励ますと最後は優しく触れられるようになり「雄より雌の方が小さい」など、気付いたことをうれしそうに話していた。

 児童から「なぜこの学校に進学したのか」などの質問が挙がると、高校生たちは「動物がとても好きだからこの学校に決めた」と丁寧に答えていた。「ニワトリの寿命はどのくらいか」の質問には「毎日卵を生めるのが約2、3年で、その期間が終わったらウートートーして食べる」と答えた。

 小学部5年生の屋宜水李(すいり)君(11)は「雌と雄のニワトリの鳴き声が違うことに驚いた」と語った。同じく5年生の安里琉唯君(11)は「(ヒヨコとニワトリの中間の)中学生くらいのニワトリがかわいかった。大人のニワトリはとさかが大きかった」と話した。子どもたちを案内した生物資源科畜産資源コースの當間功也さん(18)は「みんな好奇心旺盛で、触ったり声を聞いたりして気付くことが多いと感じた」と話した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-840690.html

http://archive.is/gh1Jy
タグ:ニワトリ
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カンムリワシを放鳥【八重山毎日新聞2018年11月28日】

交通事故の傷から回復し、1カ月ぶりに空へ飛び立ったカンムリワシの「政宗(まさむね)」=27日午前、石垣市宮良の畑

交通事故から回復の「政宗」
 石垣市白保の国道390号で交通事故に遭い、環境省石垣自然保護官事務所に保護されたカンムリワシ「政宗(まさむね)」は、約1カ月のリハビリを経て27日午前、市内宮良の畑で放鳥された。ことしのカンムリワシの交通事故(19日時点)は6件あり、放鳥は初。

 市民が10月25日に、国道390号大里バス停付近の歩道で、重傷のカンムリワシ(体重810c、全長52・5a)を発見。たまよせ動物病院で治療を受けた後、県傷病野生鳥獣保護飼養ボランティア施設のやいま村で、鳥類調査・保護団体「カンムリワシリサーチ」にリハビリを施された。

 片目が陥没しており、足には個体識別のため「P」の字が書かれた赤色のリングを装着している。同リサーチは「データ収集のために、政宗を見かけた際はカンムリワシリサーチに連絡してほしい」と情報提供を呼び掛けている。情報は佐野清貴代表(080ー6496ー6162)まで。

 同事務所によると、カンムリワシの交通事故死率は2016年から3年連続で8割を超え、ことしも6件中5件で事故死している。藤田和也上席自然保護管は「市街地を外れると速度超過で車を走らせる人も多いが、法定速度を守って運転してほしい」と注意を促している。

 石垣島でけがをしているカンムリワシや死骸を発見した場合は、同事務所(82|4768)か市教育委員会文化財課(83−7269)まで。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/34542/

http://archive.is/vNs6k
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写真館 ツルは家族、飛来願う人々 山口県周南市八代の越冬地 /福岡【毎日新聞2018年11月28日】

 本州唯一のナベヅルの越冬地として知られる山口県周南市八代(やしろ)。周囲を山々に囲まれた小さな盆地の「ツルの里」だ。

 今秋は10月27日に第1陣の2羽が飛来。しかし、3日後には西へ飛び去ってしまった。それから約2週間、ツルがいない状態が続いた。

 同市教育委員会生涯学習課「鶴保護担当」の平原博志さん(57)は「このままツルが来ないのではと不安でたまらなかった」と振り返る。地元では「年を越すのにツルがいないのは考えられない」と言われるほど家族のような存在でもある。

 そして今月14日朝、待望の第2陣の2羽が飛来すると、住民はみな安心したという。
https://mainichi.jp/articles/20181128/ddl/k40/040/377000c

http://archive.is/lmQZo
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ロシアの研究者、コウノトリの郷公園視察【神戸新聞NEXT2018年11月28日】

コウノトリの人工巣塔などを見学するロシアの研究者たち=豊岡市祥雲寺
 コウノトリの保護増殖や野生復帰事業で、旧ソ連・ハバロフスクから幼鳥を譲り受けた縁があり、幼鳥の寄贈に関わったロシアの研究者らがこのほど、県立コウノトリの郷公園(兵庫県豊岡市祥雲寺)を視察に訪れた。飼育施設や生息地などを見学し、啓発活動などの取り組みについて、研究者らと意見を交わした。日本の成果や関心の高さなどを、自国で紹介したいという。(阿部江利)

 日本の野生コウノトリは1971年に野外で絶滅し、86年には保護していた最後の1羽も死んだ。一方、85年には旧ソ連から幼鳥6羽を譲り受け、89年には同公園で初めて、ひなの誕生に成功した。2004年までに計12羽を譲り受けている。
https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201811/0011859892.shtml

http://archive.is/V2fEo
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