2014年12月17日

MAINICHI芸術食堂:映画「鳥の道を越えて」 鳥と人、歴史は続く /愛知【毎日新聞2014年12月17日】

フレンチ食材のジビエがおいしい季節である。野鳥のマガモやヤマウズラなどが1990年代から輸入され、日本人の胃袋を満たしている。その昔、国内でも「カスミ網」を使った鳥猟が行われていたが、乱獲を理由に戦後間もない47年に禁止された。それでも、カスミ網猟は時々摘発され、新聞記事になる。鳥と人をめぐる歴史は脈々と続く。

 「昔、あの山の向こうに“鳥の道”があってな」

 岐阜県東白川村出身の映画監督、今井友樹さん(35)は、小学生のころに祖父から聞いた言葉を頼りに、渡り鳥の道を探し求めて一本のドキュメンタリーを撮った。記録映画「鳥の道を越えて」は「いのちをいただく」という根源的なテーマを見つめ直すロードムービーでもある。丹念に事実を積み重ね、製作に8年もの歳月を費やした。

 映画の舞台となる東白川村は、岐阜県南東部の東濃地方に位置する。住民は林業や炭焼き、狩猟などを昔から営んできた。しかし、今井監督は山の生活を知らずに育って上京、映像製作の道に入った。幼き日、祖父の今井照夫さん(88)が山の稜線(りょうせん)を指さした「鳥の道」がずっと心に引っかかっていた。「僕には見えない」

 山深い東濃地方は渡り鳥の通り道という。冬鳥は越冬のため、大小さまざまの鳥がシベリアから日本列島に渡ってくる。ツグミ、ホオジロ、ヒヨドリ……。日本海を越えた鳥の一部は、東濃を通過して南側の平野部で越冬する。かつては空を埋め尽くすほどの大群が飛び交っていたらしい。「カスミ網」は山並みを越える渡り鳥のコースに仕掛け、一網打尽に捕獲する張り網だ。「囮(おとり)」として飼い慣らした鳥の鳴き声で網へと誘い込む。網を仕掛けて捕獲する場所は「鳥屋(とや)」と呼ばれた。

 鳥の道を探す旅は、カスミ網猟や鳥を食べる食文化を掘り起こしていく。

 山階鳥類研究所(千葉県)によると、鳥猟の歴史は江戸時代までさかのぼる。山階研は、渡り鳥の標識調査を福井県で続けており、バンダーと呼ばれる調査員がカスミ網を用いて鳥を捕獲し、足環をはめて放している。カスミ網猟禁止後、野鳥保護運動は高まったものの、鳥の大群は戻ってこない現実がある。

 今井監督は言う。「鳥猟は功罪ある。生活文化としての側面と野鳥保護の側面が、祖父の指さした山の向こうにあった。人と自然の折り合いの付け方を問い続けたい」

 「鳥の道を越えて」は23日から来年1月9日まで(31日、元日は休み)、名古屋市千種区今池1の名古屋シネマテークで公開。【山田泰生】(全文はリンク先で)
http://mainichi.jp/feature/news/20141217ddlk23040324000c.html

ttps://archive.today/DKl0F
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posted by BNJ at 20:40 | Comment(0) | 鳥獣狩猟ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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