2015年01月31日

(惜別)佐渡とき保護会顧問・佐藤春雄さん トキの生きる道、探り続けた【朝日新聞デジタル2015年1月31日】

 さとう・はるお 2014年12月9日死去(心不全)95歳 12月13日葬儀

 日本の空から一度姿を消したトキの「生きる道」を守り続けた人生だった。

 戦時中、トキを顧みる人はあまりいなかった。出征先の朝鮮半島から故郷の佐渡島に戻り、1947年に野生の姿を捜しあてた。高校教諭をしながら、夜明け前に自転車で遠出。木に隠れて生息数を数えたり、フンを集めたり、観察に没頭した。

 国の特別天然記念物に指定された52年当時、島内のトキは約20羽まで減っていた。「絶滅をくいとめたい」と翌年、佐渡朱鷺(とき)愛護会(現・佐渡とき保護会)を設立。住民や新潟県に開発や農薬の使用の抑制を呼びかけ、トキ保護の礎を築いた。

 史跡を歩き、名水は味見する。疑問に思えば、何でも丁寧に調べた。勤め先の高校では、長らく野鳥部の顧問だった。教え子の一人で、日本野鳥の会佐渡支部の土屋正起さん(64)は「何にでも興味を持つように言われた」と振り返る。

 探究心は、トキの観察でも発揮された。薄桃色、灰色の2種類がいるとされていたが、繁殖期に首周りを背中などにこすりつけて羽の色を変える生態をいち早く発見。学会に論文を出したが、当初は認められず、苦い思いも味わった。

 2003年、飼育していた日本産最後のトキである「キン」が死亡。キンは捕獲後、繁殖を試みたがうまくいかなかった。ただ、同じくトキの絶滅が危ぶまれていた中国と交流が生まれる懸け橋となった。キンの位牌(いはい)を作って丁重に弔い、「言葉がわかるなら『ありがとう』と言ってやりたい」と話していた。

 放鳥、野外での産卵・子育て……。島内の繁殖は徐々に軌道に乗り、自然の中に約140羽が生息している。晩年は、自宅近くにも飛来するようになったトキを見て心から喜んでいた。(角野貴之)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11580204.html

ttps://archive.today/K6m0z

posted by BNJ at 23:06 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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