2015年02月21日

中国由来トキ 骨軽く高飛行力【YOMIURI ONLINE2015年2月21日】

 佐渡市で放鳥されている中国由来のトキは、絶滅した日本産トキより長距離飛行に適した骨格になっていることが、佐渡トキ保護センターの獣医師金子良則さん(56)の分析でわかった。中国由来のトキの方が尾羽を支える骨が少なく、軽量化されており、金子さんは、移動の範囲を広げたことでトキが中国で絶滅を免れた可能性があると指摘している。(石原健治)

 金子さんは、1991年から同センターでトキの飼育繁殖にあたりながらトキの生態を調べている。

 金子さんが、95年に死んだ日本産最後の雄「ミドリ」と2003年に死んだ雌で日本産最後のトキとなった「キン」、同センターで保存されている1945年頃の死骸の計3体の骨格を詳細に調べたところ、尾羽を支える骨は、六つの尾椎と一つの尾端骨で成り立っていた。一方、同センターで飼育中に死んだ中国由来のトキ3体の骨格を調べたところ、いずれも尾椎の一つが尾端骨に連結・融合して一体化し、尾椎は五つしかなく、軽量化されて安定感が増していた。

 日本のトキは、野生下で絶滅が危ぶまれ出した頃には佐渡島から離れない留鳥になっていたが、金子さんによると、中国のトキは広大な大陸を何千キロも移動していたとする記述も文献に残されているという。

 金子さんは「大陸では日本ほど湿地や水田の密度が高くはなく、季節的な変化が大きいことから、長距離を移動する必要があった。生き残るために飛行能力を高めて、餌のある別の場所に移動できるように骨格を適応させてきたのではないか」とみている。

 動物の骨格変化について詳しい楠原征治・新潟大名誉教授(動物形態学)は「興味深い変化だ。尾端骨は舵かじ取りをする舵骨とも言われており、渡り鳥は発達している。尾羽を強く支え、飛ぶ方向を調節する機能をより発達させた可能性がある」と推測している。

 08年に放鳥が始まった中国由来のトキは、海を渡って本州本土にも度々飛来している。現在石川県珠洲市に生息しているトキは同年に最初に放たれたうちの1羽で、放鳥以来、新潟、福島、山形県など広範囲を移動してきた。

 現在、佐渡島の野生下には130羽を超えるトキが生息しているが、島内の生息環境が更に過密になった場合、本州へ群れやペアで飛行して繁殖する可能性も指摘されており、金子さんは「飛行能力の高さが、その移動にも役立つかもしれない」とも話している。
http://www.yomiuri.co.jp/local/niigata/news/20150220-OYTNT50293.html

https://archive.today/b4qqg

posted by BNJ at 19:48 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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