2015年03月20日

くらしナビ・環境:西之島噴火、海鳥どうなる 国内有数の繁殖地 溶岩で覆われ【毎日新聞2015年3月20日】(アオツラカツオドリ/オオアジサシ)

噴火前の西之島を飛ぶオオアジサシの群れ=2011年6月、環境省提供

 噴火前の西之島の様子を撮影した貴重な写真が、環境省に保管されている。漂流ゴミの確認などのため、09年7月と11年6月に同省が現地調査した時のものだ。国内では西之島と尖閣諸島でしか繁殖が確認されていない海鳥のアオツラカツオドリ、オオアジサシも写る。撮影した立田理一郎・同省外来生物対策室長補佐(当時は同省小笠原自然保護官事務所首席自然保護官)は「ネズミなど外来種がいないためか、無防備とも思えるのびのびとした鳥の姿が印象に残った」と振り返る。

 ●天敵いない「楽園」

 周辺の海は荒れやすく、接岸できない。西之島は過去に大陸とつながったことや人が住んだことがなく、高い自然度が保たれてきた。同省によると鳥類12種が確認され、うち9種は繁殖していた。天敵となる哺乳類や外来種がいないことも「海鳥の楽園」と呼ばれた理由だ。11年6月には、小笠原諸島の一部として世界自然遺産に登録された。

「海鳥の楽園」と言われた噴火前の小笠原諸島・西之島=2011年6月、環境省提供

 この楽園を守るため、立田さんらは調査で細心の注意を払った。外来種を持ち込まないように服や靴は新調し、新調できないメガネなどは冷凍処理した。

 一方、西之島では1973〜74年にも噴火が起き、今回と同じように近くに新しい島が生まれ、元の島とつながって拡大した。小笠原諸島付近は、太平洋プレート(岩板)がフィリピン海プレートの下に沈み込み、プレート境界からマグマが継続的に供給されるため火山活動が活発だ。

 青木陽介・東京大地震研究所助教は「小笠原諸島付近の噴火間隔は一般に長く、短期間での噴火には東日本大震災が影響しているかもしれない。さらに前回の噴火で海底が隆起しており、海上に現れる噴火の規模が大きくなったようだ」と話す。

 ●残る地表で生息か


 噴火を繰り返す西之島の自然はどうなるのか。2004年に西之島の海鳥を調査した川上和人・森林総合研究所主任研究員は、昨年12月に海上保安庁が公開した西之島の写真で白い点を確認した。「鳥ならばアオツラカツオドリだと思う。1ヘクタールほど残る溶岩に覆われていない旧島の地表で生息している可能性がある」

 前回の噴火では、元の島に溶岩流は到達せず、逆に鳥類の生息域が広がって新たにアオツラカツオドリが繁殖を始める変化があった。

 川上さんは「海鳥は比較的寿命が長く、海上で生きている可能性が高い。海鳥は集団繁殖を好み、1ヘクタールでも旧島部分が残れば、そこから回復していくだろう。噴火後は、生態系の回復過程や小笠原の生物の進化を観察できる絶好の場所になるはずだ」と話す。【永山悦子】
http://mainichi.jp/shimen/news/20150320ddm013040013000c.html

ttps://archive.today/UoIVq

posted by BNJ at 13:16 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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