2015年03月21日

(ののちゃんのDO科学)鳥がV字編隊で飛ぶのはなぜ?【朝日新聞デジタル2015年3月21日】(カナダガン/アネハヅル)

V字編隊(じへんたい)で飛(と)ぶカナダガン/ヒマラヤを越(こ)えるアネハヅル/翼(つばさ)のまわりの空気(くうき)の流(なが)れ<グラフィック・西森万希子>
 鳥(とり)がV字編隊(ブイじへんたい)で飛(と)ぶのはなぜ?

 神奈川県・瀬畑志帆(せはたしほ)さん(中3)からの質問

 ■前(まえ)の鳥が残(のこ)す上昇気流(じょうしょうきりゅう)に乗(の)るの

 ののちゃん きのう、鳥(とり)たちがきれいなV(ブイ)字形の編隊(へんたい)を組んで飛(と)んで行くのを見たよ。

 藤原先生 ガンやハクチョウたちが北へ帰(かえ)る時期(じき)だからね。

 のの リーダーが先導(せんどう)して、間違(まちが)いなく目的(もくてき)地に渡(わた)って行くんだね。

 先生 いいえ。特別(とくべつ)な鳥が先頭(せんとう)に立っているわけではなく、後になり先になりして飛んで行くの。

 のの そうだったの。

 先生 渡り鳥がみんなあの編隊飛行(ひこう)をするわけじゃないし、渡り鳥でなくても、長めの距離(きょり)を飛ぶとき、例(たと)えばエサを採(と)る場とねぐらとの往復(おうふく)にV字編隊を組む鳥もいるしね。

 のの じゃあ、どういう鳥がする飛び方なの?

 先生 まず、群(む)れで飛ぶ鳥のうちで体の大きな鳥ね。ガン・カモ類(るい)の中でもガンは体が大きくてV字を組み、だからあの隊形(たいけい)を「雁行(がんこう)」とも呼(よ)ぶんだけど、体が小さめのカモはああいうふうには飛ばないよ。

 のの 知らなかった。

 先生 ただし、体が大きくても、翼(つばさ)に風をはらんであまり羽(は)ばたかずに飛ぶタカのようなタイプはやらないの。大きな体を活発(かっぱつ)に羽ばたいて支(ささ)えて飛ぶ鳥がやることなの。

 のの 何のためかな。

 先生 飛ぶのにとても体力を使うから、長く飛ぶときは少しでもエネルギーを節約(せつやく)したいのよ。

 のの Vは省(しょう)エネの形なの?

 先生 翼の左右の端(はし)の近くには、上向きの空気の流(なが)れができるの。前を行く鳥が残(のこ)したこの上昇気流(じょうしょうきりゅう)に、後に続(つづ)く鳥が乗(の)っかる形で次(つぎ)つぎ連(つら)なってV字形になってるのよ。

 のの なぜ上昇気流ができるの?

 先生 翼の端には必(かなら)ず、翼の下から端を回って翼の上側(がわ)へと、空気の渦(うず)ができるの。この渦がさらに外側の空気を引っ張(ぱ)り上げて上昇気流が生まれるのよ。

 のの はじめて聞(き)いたよ。

 先生 つまり、前を行く鳥の左右の後ろには、上昇気流が連続的(れんぞくてき)に残されているの。それをたどるように飛べば楽(らく)ができるわけよ。

 のの どのくらい得(とく)になるの?

 先生 条件(じょうけん)にもよるけど、鳥が受(う)ける空気抵抗(ていこう)を最大2割(わり)ほどへらす効果(こうか)が見込(みこ)めるそうよ。

 のの それは大きいね。前の鳥は後ろの鳥のために尽(つ)くしてるわけ?

 先生 翼の端の渦は、その鳥自身(じしん)の飛行には抵抗になって不利(ふり)なんだけど原理(げんり)的にできてしまうの。後ろの鳥は“廃物利用(はいぶつりよう)”してるだけよ。

 のの マラソンや自転車(じてんしゃ)レースでは、前の選手(せんしゅ)を風よけに利用(りよう)するって聞いたけど、鳥ではどう?

 先生 鳥の真(ま)後ろには、さっきの渦によって逆(ぎゃく)に下降(かこう)気流ができていて、後ろの鳥がそこに入るのは不利なの。だから縦(たて)1列の隊形はないし、V字の内側(うちがわ)も飛ばないよ。

 (取材協力=杉本剛・神奈川大教授、樋口広芳・慶応大特任教授、構成=武居克明)

     ◇

 NIE教育に新聞を

 www.asahi.com/edu/nie

http://www.asahi.com/articles/DA3S11658606.html

ttps://archive.today/nQR8k

posted by BNJ at 12:35 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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