2015年03月23日

新潟)大きなケージが裏目? トキ3羽が相次ぎ死ぬ【朝日新聞デジタル2015年3月23日】

佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションに新たに造られた飼育用ケージの内部=2014年11月、佐渡市新穂正明寺

 飼育中の国の特別天然記念物トキ3羽が、佐渡市に新設された飼育用ケージで2月以降相次いで死んでいるのが見つかった。仲間やネットにぶつかり、落下したらしい。安全と健康に配慮して従来の飼育用に比べて自然環境を丁寧に再現、造りも大きくしたが、裏目に出た格好だ。関係者は対応に苦慮している。

 ケージは昨年10月、佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションにできた。約20羽の収容を想定し、面積約621平方メートル、高さ約9メートル。えさのドジョウがいる池が二つ、自然の木を2本植えて野外の環境に似せた。

 ここで、短期間に事故死が続いた。2月25日に1歳雄が心臓破裂、3月3、12日は、いずれも2歳雌が脳挫傷と、内臓破裂による出血性ショックで死んだ。

 原因は「パニック飛翔(ひしょう)」とみられる。トキは群れの1羽が飛び立つと、つられて一斉に飛ぶ傾向がある。センターの梅田亮一所長は「雪が落ちた音か、テンが現れて驚いたのか、野外のトキが頭上を飛んだのか、飛翔の理由がわからず、防ぎようがない」。

 それでも飼育関係者は、事故後、対策に動いた。

 1、2例目は羽ばたいたトキ同士が空中でぶつかって落ちたとみて、ケージ内の飛行ルートを分析。特定の地点を通過していたことから、ルートを変えるため衝突防止用に障害物の枝を設置した。止まり木も1メートル下げ、天井までの空間を広げた。ケージ内の木も1本減らした。2例目が起きた翌4日のことだ。

 ところが、その8日後に3例目が起きた。トキ1羽が単独でネットにぶつかり、地面に落ちたらしい。梅田所長は「大きなケージだけに飛翔のスピードが上がる。ぶつかったり落ちたりすると、トキのダメージが大きい」と語った。

 パニック飛翔を少しでも防ごうと、天井の一部にある透明のポリカーボネート製の屋根に色を塗る案が出ている。ステーション内にある別の繁殖用ケージでは、屋根を緑色にして目隠しをしているからだ。

 ただ、屋根の改修にはケージに現在いるトキ14羽をすべて捕獲しなければならないという。環境省の広野行男首席自然保護官は「トキへのストレスや、捕獲する際に事故が起きる不安もある」。仮に改修するにしても、時期は6月予定の放鳥後になりそうで、関係者は事故が起きないことを祈るばかりだ。(角野貴之)
http://www.asahi.com/articles/ASH3D66R6H3DUOHB012.html

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