2015年03月23日

<ひと物語>武蔵野の雑木林守る 「おおたかの森トラスト」代表 足立 圭子さん【東京新聞2015年3月23日】

 「武蔵野の雑木林の自然と、それを守ってきた人々の歴史を次の世代に伝えたい」。県西部の平地に広がる雑木林の保全活動に取り組む市民団体「おおたかの森トラスト」代表の足立圭子さん(70)=所沢市=は力を込める。
 江戸時代に開拓され、川越市や所沢市、狭山市にまたがってできた雑木林。周辺の農家にとっては防風や保水の役割を果たし、落ち葉で作られた堆肥がやせた土地を肥沃(ひよく)にした。それが戦後の開発で激減した。「残された雑木林はかつての十分の一の五百ヘクタールほど。守らなければ、失われてしまう」
 東京都内に住んでいた約四十年前、長女の誕生を機に「豊かな自然の中で子どもを育てたい」と所沢市に転居した。だが、その自然がどんどん失われていく。危機感を抱いた足立さんは地元の有志に呼び掛けて保護活動を始め、一九九四年に設立したのが「おおたかの森トラスト」だ。「おおたか」の名前には、オオタカを頂点とする生態系保全の願いを込めた。
 募金で購入したり、借りたりした雑木林の手入れを始めた。これまでに購入した土地は七カ所で計約一万二千平方メートル。成長しすぎた木や枝を伐採し、下草を刈る。伐採した木でキノコを栽培し、木や草を積み重ねて昆虫や小動物のすみかを作る。足立さんはトレードマークのかっぽう着姿で駆け回っている。
 所沢市北岩岡の一角に「森の再生地」と名付けた約七千四百平方メートルの土地がある。雑木林だった場所に資材置き場ができ、焼却炉の煙突からもくもくと煙が上がっていた。閉鎖後の二〇〇八年に土地を購入したが、当時は五分の一はコンクリートに覆われ、奥にはごみが山積みになっていた。コンクリートに穴を開けて土をかぶせ、コナラやクヌギを植樹した。水辺のビオトープも作り、ごみの山にアカマツを植えた。
 この「森の再生地」で昨年十一月、思いがけない出来事があった。一羽のフクロウを見かけたのだ。「迷って飛んできたのかな」と思ったが、今年二月二十八日、同じフクロウとみられる一羽が木の枝に止まり、足立さんをじっと見つめていた。生態系の頂点に位置するフクロウの生息は、生態系の回復を意味している。「みんなの努力が実を結んだ」と確信した。
 足立さんは地元の小学校などでビオトープの管理指導や講義を行い、子どもたちに自然の大切さを伝えている。「力を合わせて作業する子どもの姿を見ていると元気づけられる。この子たちに故郷の自然を守ってもらえれば」と願っている。 (服部展和)
 <あだち・けいこ> 東京都北区生まれ。1990年に埼玉県生態系保護協会所沢支部を設立し、初代支部長を務めた。環境保全に取り組む所沢市の公益財団法人「トトロのふるさと基金」の元会員。2002年に自然再生推進法案が審議された際、参院環境委員会に参考人として出席し、法整備の必要性を訴えた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20150323/CK2015032302000169.html

ttps://archive.today/kdM4e

タグ:オオタカ
posted by BNJ at 13:12 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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