2015年04月29日

秋田)野生由来のイヌワシひなすくすく 種の保存に光【朝日新聞デジタル2015年4月29日】(大森山動物園)

園内ではひなの様子をモニター画面で観察できる=2日、秋田市大森山動物園
 秋田市大森山動物園の雌のニホンイヌワシの西目(10歳)が3月に初めて産んだひなが、すくすく育っている。西目は野生個体で、旧西目町(現・由利本荘市)で2004年、誕生直後に衰弱していたところを保護された。絶滅危惧種のイヌワシをめぐっては、国内の動物園では特定ペアの子孫による近親交配が繰り返されており、野生由来のひなの生育に種の保全に向けた期待が高まる。

 ひなは3月18日に生まれた。西目と雄の風斗(8歳)のペアが2月、5年ぶりに有精卵を産み、同園は子育て経験が豊富なたつこ(26歳)と信濃(17歳)のペアを仮親として託し、孵化(ふか)に成功した。

 ベテランの仮親のもとですくすく育っているひなの姿は、園内のミルヴェ館のモニター画面で観察できる。6月には巣立ち、展示場で元気に飛び回る姿を見られそうだ。

 同園で繁殖できるイヌワシはこの2ペアのみで、西目は10年に有精卵を産んだが、孵化には至らなかった。その後は無精卵を産み続け、子育て経験はゼロ。一方のたつこは03年から毎年のように繁殖に成功し、16羽の子孫は国内各地の動物園で飼育されている。

 日本動物園水族館協会でイヌワシの保護・調整役も務める同園の三浦匡哉さん(43)によると、昨年末現在、国内9園で飼育されているイヌワシ40羽のうち、飼育下で繁殖した33羽は、信濃・たつこペアを含む限定された3ペアの子孫だ。

 一方、野生由来の子孫を増やそうと、国内の飼育下で優先的に繁殖を進めているのは、西目ペアのほか、仙台市の八木山動物公園の野生個体の雄の翁(おきな)(28歳)と雌の福井(16歳)ペアのみ。ただ、翁・福井ペアは孵化に成功していない。

 国内で3ペア以外から飼育下で野生由来のひなが生まれたのは12年ぶりで、西目がひなを産んだことで、遺伝的多様性が増し、劣性遺伝の回避を期待できる。

 三浦さんによると、イヌワシの全国の生息数は約500羽(150〜200ペア)にとどまる。すみかの森林の荒廃が進んでえさや狩り場の確保が難しくなり、野生の繁殖成功率(ひなが巣立った割合)は20%まで激減しているという。

 三浦さんは「将来は動物園で繁殖したイヌワシの放鳥も検討している」と話す。「野生由来のひなの誕生は、遺伝的なバリエーションが増えることにつながり、種の保存への大きな一歩になる」(林利香)
http://www.asahi.com/articles/ASH4X3VZRH4XUBUB004.html

ttps://archive.is/1P20B

posted by BNJ at 11:40 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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