2015年05月03日

植樹キャンペーン:森づくり、10年目 被災地で広がる輪【毎日新聞2015年5月3日】(ヤマガラ/カワセミ)

 市民団体や行政などと連携し、「いのちを守る森づくり」を進める毎日新聞社が、植樹キャンペーンを始めて今年10年目を迎えた。植樹地の中には、住民が花見やホタル狩りを楽しむようになった森や、火災の類焼を防いだ樹林もある。今年予定されている植樹地は全国8カ所。東日本大震災被災地の植樹では、各地の植樹団体が集まって苗木を移植する計画で、植樹を通した交流や助け合いの動きが広がっている。【山本悟】

 毎日新聞社が植樹キャンペーンを始めたのは2006年。毎日新聞の創刊135年記念事業だった。宮脇昭・横浜国立大名誉教授の指導を受け、NPOや自治体、林野庁などと植樹祭を開催した。襟裳岬(北海道)や四万十川沿岸(高知県)、水俣湾岸(熊本県)、久高島(沖縄県)などのほか、世界自然遺産の白神山地(青森県)と屋久島(鹿児島県)でも植樹した。

 国連国際森林年で東日本大震災が発生した11年以降は、移植ごてをバトン代わりに各植樹地をつなぐ「いのちの森づくりリレー植樹」を開始した。津波で浸水した仙台市若林区や南三陸町(宮城県)、原発事故で住民が避難を余儀なくされた福島県川内村をはじめ、阪神大震災で被害が深刻だった神戸市長田区、火砕流で多くの犠牲者が出た雲仙普賢岳(長崎県島原市)などで実施した。

 これまで全国78カ所で植樹祭を開催し、計4万2000人が参加、33万8000本を植えた。植樹面積は東京ドームの約2・5倍の11万7000平方メートルに及ぶ。

 キャンペーン2年目の07年に産業廃棄物置き場の荒れ地に植樹した出雲大社相模分祠(神奈川県秦野市)では、樹高が10メートル近くの森に成長。ヤマガラやカワセミなどの野鳥やヘビ、タヌキがすみつき、植樹の際に作った小川には、ホタルが舞う。生態系が再生されつつあり、地元小学校の野外学習の場にもなっている。

 同県海老名市の高座清掃施設組合の植樹地(06年植樹)も同様の豊かな森になり、3年前から毎年6月に300匹ものホタルを放し、地域住民が楽しんでいる。

 東京都豊島区の公園(11年植樹)では、近くの知的障害者施設の入所者と住民が一緒に毎年草取りを実施。周辺に緑が少ないことから、隣接する練馬、中野両区などから散歩に来る人がいるという。

 また、ヤマザクラは2メートル以上になり、花が満開になると、町内会の花見が催される。

 キャンペーン植樹の番外として、07年に植樹を実施した、神奈川県内の工場では、2年前の4月、近隣で火災が発生したが、工場の敷地を囲む木々が緑の壁となり、枝が焼けた程度で類焼を免れた。

 ◇移植ごて、ケニアに

 リレー植樹で使った移植ごては例年、植樹終了後にアフリカのケニアに送られ活用されている。昨年、全国8カ所の植樹地を回った移植ごては、ケニア西部のマウ山地で今年4月24日に実施された子ども植樹に活用された。ビクトリア湖の水源地でもあるが、違法伐採などにより森林が破壊された地域で、植樹には地域の子どもや母親ら計200人が参加した。

 ◇「つながる森」プロジェクト 今年も全国8カ所で植樹

 植樹キャンペーンで連携したのは市民団体50団体、31自治体にのぼる。東日本大震災を契機に、植樹祭の主催団体が互いに協力、支援し合う動きが生まれた。被災地の福島県川内村での植樹祭(11年9月)は、村に残る村民が実施したが、地球の緑を育てる会(茨城県つくばみらい市)と時ノ寿の森クラブ(静岡県掛川市)の両NPO法人が植樹前日の作業から手伝った。

 翌年に地球の緑を育てる会が、茨城県つくば市などで実施した植樹祭には、今度は川内村民が応援に駆けつけ、時ノ寿の森クラブが新設病院で実施した12年の植樹祭にも、川内村民と育てる会が参加するなど交流が続いている。

 09年からは、植樹に加えて間伐などの森林整備をする「つながる森プロジェクト」に取り組んでいる。植樹や間伐でかかわった全国の市民団体7団体が参加団体となり、新たなプロジェクトも生まれた。筑波山麓(さんろく)(茨城県)にある全国植樹運動発祥地の石碑までの荒れた山道を補修する「道普請プロジェクト」だ。13年に始まり、延べ45団体から151人が作業に参加した。

 12年に津波で浸水した斜面に植樹した宮城県南三陸町では、植樹団体が集まって、苗木を移植する「救出作戦」を今秋、実施する。町の復興計画が決まり、高さ約8メートルに土盛りする工事で、植樹地が埋まることになった。そこで、苗木を一時別の保管場所に移し、土盛り後に植える計画だ。

 リレー植樹は今年度、全国8カ所で実施する。北海道小樽市とつくば市では水源地で、青森県平内町では、5年前の猛暑による海水の高温障害で養殖ホタテが打撃を受けた、陸奥湾岸で、それぞれ植樹祭を開催する。白神山地では、ブナ林再生を目指し、川内村では、村民の団結を図るために植樹する。急傾斜地の多い長崎県佐世保市でも地盤を固める常緑広葉樹を植える。岩手県奥州市と和歌山県白浜町では、森林の大切さを理解してもらおうと、子供中心の植樹祭にする。

 キャンペーンの一環で06年に植樹を始め、今年10年目を迎える地球の緑を育てる会の石村章子理事長は「森づくりは絆づくり。さまざまな人が協力し合って知恵も技術も磨かれる。こうした縁を大事にしていきたい」と話している。

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 ◇いのちのリレー植樹の開催予定

(1)陸奥湾(青森県平内町)=6月28日

(2)白神山地(同県鰺ケ沢町)=7月5日

(3)筑波山麓(茨城県つくば市)=9月6日

(4)小樽水源地(北海道小樽市)=9月13日

(5)前沢区荒廃地(岩手県奥州市)=9月13日

(6)川内村(福島県)=10月4日

(7)日置地区傾斜地(和歌山県白浜町)=11月18日

(8)佐世保市(長崎県)=11月ごろ

 ※植樹苗の移植(宮城県南三陸町)=秋

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 ◇募金を呼び掛け

 毎日新聞社の森林再生キャンペーン「つながる森プロジェクト」は、森づくりの募金を呼びかけています。本社が共催する各地の植樹の苗木や資材の購入などに使わせていただきます。

<郵便振替口座>

00190−1−686356 あすを植える「My Mai Tree」募金

<銀行普通口座>

三菱東京UFJ銀行本店 普通預金0721588 あすを植える「My Mai Tree」募金
http://mainichi.jp/shimen/news/20150503ddm010040003000c.html

ttps://archive.is/AVcpZ

posted by BNJ at 21:30 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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