2015年05月06日

北海道)天売島、野良猫ゼロ作戦 海鳥保護へ捕獲・譲渡【朝日新聞デジタル2015年5月6日】

譲渡会の会場で、自宅で飼育した天売島の猫をなでる羽幌自然保護官事務所の竹中康進さん=札幌市中央区

 8種類約100万羽の海鳥が飛来する天売島(羽幌町)で、海鳥を襲う恐れのある野良猫をゼロにする取り組みが本格的に始まった。殺処分をせずに飼い主を見つけて引き取ってもらう計画で、その前段階として人が飼えるように慣らす「馴化(じゅんか)」のために一時的に飼育する「預かりボランティア」の確保を急ぐ。

 島では飼い猫として持ち込まれた猫の一部が野生化して繁殖。町によると200〜300匹がいるとみられる。ウミネコやウトウのヒナや卵が猫に捕食される被害が確認され、繁殖地を歩き回る猫に驚いた親鳥が巣を空けてしまうなどの影響も。

 市街地でも糞尿(ふんにょう)や畑への侵入などの影響が出ており、2010年の町のアンケートでは8割以上の住民が「猫対策が必要」と回答。町は12年に「天売島ネコ飼養条例」を施行し、飼い猫の登録を義務化した。

■殺処分をせずに

 野良猫対策を本格化させるため、町と環境省、道、北海道獣医師会、動物愛護NPOが昨年末に「人と海鳥と猫が共生する天売島」連絡協議会をつくった。今年度から3年間で島の野良猫をなくす計画を立て、今年度は150匹の捕獲と100匹の譲渡を目標にする。

 環境省羽幌自然保護官事務所の竹中康進・自然保護官(37)は「繁殖地と市街地を行き来する猫もいる。天売島は冬の風雪が厳しく、猫にとっても暮らしやすい環境ではない」と話す。

 昨年10〜11月、環境省は海鳥繁殖地に箱わなをしかけ、30匹を捕獲。島には動物病院がないため島外へ運び、獣医師会の協力で避妊去勢手術、個体識別のためのマイクロチップ埋め込み、駆虫、ワクチン接種をして、北海道海鳥センター(羽幌町)や各地の動物病院、ボランティアの自宅で馴化をしてきた。

 市街地では1月末〜3月末に73匹を捕獲したが、子猫や人慣れした猫以外の65匹は避妊去勢手術済みの印のピアスを付け、再び島に放した。預かり手が不足しているためで、苦肉の策だ。

■家で預かり飼育

 野良猫の引き取り手を見つけるためには、猫が人に慣れていることが必要だ。協議会は、その馴化を担う預かりボランティアの態勢作りを急ぐ。餌やトイレ用の砂をメーカーから提供してもらったり、病気の際に動物病院のサポートを得られるようにしたりなど、ボランティアに対する支援策を調整中で、6月に本格的にボランティアの登録制度をスタートさせる予定だ。連休明けに、猫の捕獲も再開する。

 竹中さんは昨年11月末から約5カ月間、繁殖地の猫を自宅で飼育した。最初の2カ月は人の前では餌を食べないなど警戒心が強かったが、世話をするうち、ケージの外でねこじゃらしで遊んだり、なでたりできるようになった。

 これまでに月1回ほど開かれてきた譲渡会では、馴化した繁殖地の猫12匹が新しい飼い主の元へ。竹中さんは「人と触れ合う時間が長い環境の方が、施設よりも慣れるのが早い。多くの人に預かりボランティアになってもらいたい」と話す。

 野良猫を島外に出す事業は小笠原諸島(東京都)の例などがあるが、獣医師会が馴化をして一般家庭に引き取ってもらうもので、「預かりボランティアが深く関わるのは初めてではないか」(竹中さん)。ボランティアのネットワークや管理態勢を構築し、モデルケースにしたいという。

 環境省は今年度、島に生息するドブネズミについても個体数や海鳥に与える影響を調査する。町で猫対策を担当する町民課は「全島で興味を持ってもらい、猫の飼い方について意識を高めることも大切」と話している。(松本理恵子)
http://www.asahi.com/articles/ASH4Z71JLH4ZIIPE030.html

ttps://archive.is/8btIA

譲渡会の会場で、自宅で飼育した天売島の猫をなでる羽幌自然保護官事務所の竹中康進さん=札幌市中央区
写真・図版
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 8種類約100万羽の海鳥が飛来する天売島(羽幌町)で、海鳥を襲う恐れのある野良猫をゼロにする取り組みが本格的に始まった。殺処分をせずに飼い主を見つけて引き取ってもらう計画で、その前段階として人が飼えるように慣らす「馴化(じゅんか)」のために一時的に飼育する「預かりボランティア」の確保を急ぐ。

 島では飼い猫として持ち込まれた猫の一部が野生化して繁殖。町によると200〜300匹がいるとみられる。ウミネコやウトウのヒナや卵が猫に捕食される被害が確認され、繁殖地を歩き回る猫に驚いた親鳥が巣を空けてしまうなどの影響も。

 市街地でも糞尿(ふんにょう)や畑への侵入などの影響が出ており、2010年の町のアンケートでは8割以上の住民が「猫対策が必要」と回答。町は12年に「天売島ネコ飼養条例」を施行し、飼い猫の登録を義務化した。

■殺処分をせずに

 野良猫対策を本格化させるため、町と環境省、道、北海道獣医師会、動物愛護NPOが昨年末に「人と海鳥と猫が共生する天売島」連絡協議会をつくった。今年度から3年間で島の野良猫をなくす計画を立て、今年度は150匹の捕獲と100匹の譲渡を目標にする。

 環境省羽幌自然保護官事務所の竹中康進・自然保護官(37)は「繁殖地と市街地を行き来する猫もいる。天売島は冬の風雪が厳しく、猫にとっても暮らしやすい環境ではない」と話す。

 昨年10〜11月、環境省は海鳥繁殖地に箱わなをしかけ、30匹を捕獲。島には動物病院がないため島外へ運び、獣医師会の協力で避妊去勢手術、個体識別のためのマイクロチップ埋め込み、駆虫、ワクチン接種をして、北海道海鳥センター(羽幌町)や各地の動物病院、ボランティアの自宅で馴化をしてきた。

 市街地では1月末〜3月末に73匹を捕獲したが、子猫や人慣れした猫以外の65匹は避妊去勢手術済みの印のピアスを付け、再び島に放した。預かり手が不足しているためで、苦肉の策だ。

■家で預かり飼育

 野良猫の引き取り手を見つけるためには、猫が人に慣れていることが必要だ。協議会は、その馴化を担う預かりボランティアの態勢作りを急ぐ。餌やトイレ用の砂をメーカーから提供してもらったり、病気の際に動物病院のサポートを得られるようにしたりなど、ボランティアに対する支援策を調整中で、6月に本格的にボランティアの登録制度をスタートさせる予定だ。連休明けに、猫の捕獲も再開する。

 竹中さんは昨年11月末から約5カ月間、繁殖地の猫を自宅で飼育した。最初の2カ月は人の前では餌を食べないなど警戒心が強かったが、世話をするうち、ケージの外でねこじゃらしで遊んだり、なでたりできるようになった。

 これまでに月1回ほど開かれてきた譲渡会では、馴化した繁殖地の猫12匹が新しい飼い主の元へ。竹中さんは「人と触れ合う時間が長い環境の方が、施設よりも慣れるのが早い。多くの人に預かりボランティアになってもらいたい」と話す。

 野良猫を島外に出す事業は小笠原諸島(東京都)の例などがあるが、獣医師会が馴化をして一般家庭に引き取ってもらうもので、「預かりボランティアが深く関わるのは初めてではないか」(竹中さん)。ボランティアのネットワークや管理態勢を構築し、モデルケースにしたいという。

 環境省は今年度、島に生息するドブネズミについても個体数や海鳥に与える影響を調査する。町で猫対策を担当する町民課は「全島で興味を持ってもらい、猫の飼い方について意識を高めることも大切」と話している。(松本理恵子)
http://www.asahi.com/articles/ASH4Z71JLH4ZIIPE030.html

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タグ:天売島
posted by BNJ at 11:26 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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