2015年05月31日

5月31日付・ツバメ、さらに受難?【四国新聞2015年5月31日】

 洗車したてのボンネットの上に、白っぽい「汚物」がぽとり―。これは相当に気分が悪い。とはいえ、巣を作った家には繁栄をもたらすともいわれる。そうそうむげにもできない動物ではある。

 ツバメは春先に日本に来て、人家の軒先で繁殖活動を行う。近年、環境の変化などによる生息数の減少が指摘されるが、彼らの“受難”を裏付ける新たな調査結果が出た。地球温暖化の影響で、日本への飛来時期が早まっているらしい。

 渡り鳥の研究を続ける山階鳥類研究所(千葉県)が過去のデータを分析した。それによると、成鳥を確認した時期のピークの平均が、1960年代は7月21日だったが、90年代は同15日、2000年代は同8日になっていた。

 人類の豊かさの希求が自然の摂理を乱す。無論、温暖化に限った話ではない。大気汚染、産廃の急増、湖沼や海の汚濁、ダイオキシン…。人間社会の一員として、ますます心苦しさが募る。

 新潟水俣病の公式確認からきょうで50年になる。工場から流れ出た水銀が川魚に蓄積し、魚を食べた人に重い神経障害が現れた事件である。産業公害の歴史を胸に刻み、人間と環境の関わりをあらためて考える日にしたい。

 拙宅には今年、3組のツバメの夫婦がやって来て、10羽ほどの雛(ひな)をかえした。讃岐の夏空の下、今も2組が巣作りに励んでいる。日に日に増す足元の汚れに胸がふさがるが、けなげに働く姿には声援を送りたくもなる。人間、迷惑を掛けますが…、と省みつつ。(U)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/20150531000077

ttps://archive.is/wAlSf

タグ:ツバメ
posted by BNJ at 22:02 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: