2015年05月31日

ラムサールその先に:/上 東よか干潟 「観光振興、出発点に」 佐賀市がバス検討 展示館求める声も /佐賀【毎日新聞2015年5月31日】

 「どんどん人に来てほしい。素晴らしい干潟が有名になって、町も元気になれば」。29日にラムサール条約への登録が決まった佐賀市の東よか干潟。一面の泥地を見渡す展望台で、登録に向け活動してきた住民組織「東与賀まちづくり協議会」の前会長、西久保充(みつる)さん(70)が目を輝かせた。干潟を地域の観光資源にと、「ワイズユース」(賢明な利用)を訴えてきた中心人物だ。

 シギ・チドリ類の飛来数日本一の東よか干潟。だが、かつては「あくまで漁業の場。何もないところだった」と西久保さんは笑う。1987年に昭和天皇が訪問され、塩生植物のシチメンソウを観察。これを機に晩秋に紅葉するシチメンソウ目当ての客も訪れるようになりはしたが、それでも登録は遠かった。

 2004年。旧東与賀町が条約登録に動いた。しかし県が近くの佐賀空港への影響に懸念を示して頓挫。再度の機運は、2010年の環境省によるのラムサール条約の潜在候補地選定まで待たねばならなかった。

 この機を逃すまいと、13年に協議会が発足。05年に条約登録された「宍道湖・中海」(島根、鳥取両県)の地元と子供たちの交流イベントを実施したり、シンポジウムを開いたりして、多様な動植物を育む干潟の価値を伝えようと励んできた。今回の登録は、積み上げた努力の成果だ。

 協議会とともに登録推進を図ってきた佐賀市も祝賀ムードに沸く。干潟から約7キロの三重津海軍所跡も今月、世界遺産登録が勧告されたばかりで、市環境政策課は「ともに南部佐賀の観光拠点に」と期待する。説明板の取り付けや干潟と海軍所跡を回る周遊バスを検討。空港への近さも生かし、海外ツアー客取り込みの構想も描く。

 知名度向上や市によるアクセス整備……。地元にとっては、一定の登録効果を期待できる状況が生まれつつある。だが西久保さんは「せっかく来ても何もないではだめ。一年中楽しませる工夫が必要」と言う。地元でさえ浸透に時間を要した干潟の価値。伝えるには、有償ボランティアのガイドや国による室内展示施設建設が不可欠として、実現に取り組もうと考えている。

 「どうやって魅力を国内外に発信していくか。決定はホッとしたが、これからがスタートだ」。喜びの中、次の挑戦が始まっている。

 国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に、新たに県内の東よか干潟と肥前鹿島干潟が登録された。これまでの道のりや関係者の思い、今後の課題を報告する。

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 ■ことば

 ◇東よか干潟

 佐賀市東与賀町の有明海沿岸に位置する。環境省のモニタリング調査によると、渡り鳥のシギ・チドリ類の飛来数は昨年春で1万1665羽で日本一。ムツゴロウやワラスボなど珍しい生物が生息する。沿岸には絶滅が危惧されている塩生植物、シチメンソウが約1・6キロにわたり群生している。今年5月、国が218ヘクタールを特別保護地区に指定。「よか」は「良い」という方言の意味もあり、平仮名で表記されている。
http://mainichi.jp/area/saga/news/20150531ddlk41040232000c.html

ttps://archive.is/wIt71

posted by BNJ at 22:21 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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