2015年06月18日

兵庫)JR姫路駅周辺にムクドリの大群 市の対策続く【朝日新聞デジタル2015年6月18日】

【動画】全国に広がるムクドリ被害 姫路市などが新対策=遠藤和希撮影

JR姫路駅南側の街路樹にとまるムクドリ=姫路市南駅前町

 JR姫路駅(姫路市)周辺のムクドリの大群の対策に姫路市が頭を悩ませている。フン害や鳴き声による騒音が問題となるなか、世界文化遺産・姫路城の「平成の大修理」が完了した今春から駅北側のメインストリート「大手前通り」沿いの街路樹に、音波を使って追い払う新たな装置を本格的に導入したところ、ムクドリはほぼ寄りつかなくなった。だが今度は、駅北側から移ってきたとみられるムクドリが駅南側の街路樹に飛来するようになり、市は新たな対応を迫られている。

 「ギギギ、ギギギ」。10日午後6時ごろ、大手前通りの街路樹に取り付けた8台の装置のスピーカーから音が鳴り出した。装置からは毎日午後6時から2時間の間に、3〜7分の間隔で音を出している。記者が周辺を歩いてみたが、ムクドリの姿は見られなかった。

 「今年もムクドリが現れた」との連絡を受け市が装置を動かし始めたのは5月13日。駆けつけると、少なくとも通りの街路樹には約100羽が飛んできていた。それから約1カ月。装置の効果を確認した市の担当者は、「装置の効果は確実に出ている」と話す。

 市道路管理課によると、大手前通りの周辺では約20年前から毎年5〜12月ごろ、夕方にムクドリの大群が飛来。イチョウやクスノキの街路樹をねぐらにしているため、通りを歩く観光客からフンをかけられたという苦情も相次いでいた。大手前通り街づくり協議会の岡本一会長(64)は「ムクドリが来た翌朝は歩道がフンで真っ白になる。通りにベンチをつくる計画もあるので、抜本的な対策をしてほしい」と話す。

 市はこれまでムクドリの天敵のフクロウの模型を街路樹につけたり、磁気を発する装置をつけたりするなど様々な対策を取ってきたが、効果は長続きしなかった。フンの清掃や止まり木となる大手前通りの街路樹の枝葉の剪定(せんてい)にかかった費用は2003年度から14年度まで計約1億1千万円に上る。そんななかで市が対策の「切り札」として、実験を兼ねて13年度から試験的に導入してきたのが、鳥獣対策機器を扱う「エイカー」(滋賀県草津市)が開発した「特殊波動防除装置」だ。

 同社は装置から出す音を自作。鳥が驚くように、60〜70デシベルの大きさの音をいきなり出す仕組みにした。5ヘルツ〜100キロヘルツの間で周波数を変えながら音波を出し、ムクドリが音に慣れるのを防ぐという。

 同社の音響担当者の前川高広さん(56)は「超音波、ディストレス・コール(鳥の悲鳴)、爆発音など様々な音を半年かけて試したなかで、持続的な効果を出すには世の中にある音ではなく自分たちで音をつくる必要があるという結論に達した」と話す。

 市はこの装置を大手前通りの両側の街路樹に約50メートルおきに8台設置しており、さらに今年度中に6台増やす予定だ。市の担当者は「ムクドリは街路樹にとまる前に逃げ、木にとまってたとしてもすぐに飛び立つのでねぐらにならない」と装置の手応えを話す。

 一方、同じ日の10日午後6時半ごろ、駅北側の装置を設置した地点から南へ約500メートル離れた駅南側のロータリー付近に記者が行くと、街路樹のあたりにムクドリの大群が飛来し、黒く空を覆った。「キュルキュル」。ムクドリは鳴きながら集まり、そのまま街路樹で羽を休めた。しばらくすると木の下にはフンが落ち始めた。

 駅の南側を仕事でよく利用する観光バス運転手の近藤弘樹さん(41)は「昨年はこんなにムクドリはいなかった。フンや音などお客さんには迷惑になる。何とかして欲しい」と話す。

 市は5月末からはJR姫路駅の南側でも週2回、業者に委託してフンの掃除を始めた。市道路管理課の大谷一司課長(57)は「現在駅の南側にも装置を取り付けるか検討している。ただそうすると、また駅北側の大手前通りにムクドリが戻ってこないか心配だ」と厳しい表情を浮かべた。

 播磨地域の野鳥に詳しい西播愛鳥会の円尾哲也会長は、「姫路市のムクドリは、もともと姫路市花田町や手柄山の竹やぶをねぐらにしていたが、都市開発で竹やぶがなくなり中心市街地に出てきた」と指摘。その上で「JR姫路駅前にはフクロウなどの外敵がいないため、ムクドリは安全なのだと学習している。人に迷惑になることがあれば追い払うことも仕方がないが、一方で鳥の移動先を想定してムクドリの住む場所をつくり、『共生』していく努力も大切だ」と話す。(遠藤和希)

     ◇

 〈ムクドリ〉 全長約25センチの鳥。北海道から沖縄まで日本のほぼ全域に生息する。都市部の街路樹がある駅前などで夏から冬にかけ、1万羽以上の群れになることもある。雑食性で、外敵から身を守るために群れをつくるという。

http://www.asahi.com/articles/ASH6C457LH6CPIHB01M.html

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posted by BNJ at 11:41 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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