2015年06月21日

野性下トキ 繁殖伸び悩む 巣立ち16羽 昨季の半数【新潟日報モア2015年6月21日】(既報関連ソース多数)

水田で餌を探す、今季誕生したトキの幼鳥=19日、佐渡市(環境省提供)
水田で餌を探す、今季誕生したトキの幼鳥=19日、佐渡市(環境省提供)

 佐渡市の野生下で今季のトキの繁殖が19日、終了した。巣立ったひなは16羽で昨季の半数程度にとどまり=グラフ参照=、野生下で生まれた個体同士による繁殖が期待されていたものの実現しなかった。野生復帰への長い道のりをあらためて思い知らされた形だ。

 「長い目で見ていくしかないということを再認識した」。環境省の広野行男首席自然保護官は今季の印象を語った。今季は2008年の初放鳥以来最多のペア38組が形成され、うち12組から21羽がふ化した。ヘビやカラスに襲われるなどして、5羽が死んだり行方不明になったりした。卵を温める抱卵を途中でやめてしまう親鳥が目立った。

 伸び悩みの原因として関係者が挙げるのは気象条件だ。春先の気温が急に上がり、トキがホルモンのバランスを崩したり、強風で巣や卵が壊れたりした可能性がある。広野首席自然保護官は「気象の影響として二通り考えられ、本格的な繁殖に入る前に目に見えない形でトキの体に影響を及ぼしたり、繁殖中に物理的に影響を与えたりしたのではないか」とする。

■「想定の範囲内」

 新潟大の永田尚志教授は、16羽の巣立ちを「想定の範囲内」と受け止めた上で繁殖の成功率に注目する。営巣した雌のうち、ひなを巣立たせた雌の割合を表す「巣立ち率」は今季約24%で、過去3年の平均の巣立ち率約21%と遜色がないという見方だ。「放鳥なしではやがて絶滅してしまう状況が、依然として続いている」と話す。

■ペア増 どう対応

 ペア数の増加にどう対応していくかも課題だ。13年に始めたひなへの個体識別用の足輪装着は、近接するほかの巣への影響などを考え、今季はふ化した21羽中10羽にとどまった。足輪がなければ、繁殖の分析に支障が生じる。加えて、繁殖行動を追いかけるモニタリングチームの人手不足もある。

 永田教授は「現行のモニタリング体制では現象は追えても、個々の原因は追いきれない」と指摘し、環境省も「モニタリングの手法を見直す段階にきている」とする。

 一方、明るい話題もあった。放鳥開始以来本州で初めて、石川県珠洲市でトキ2羽が行動を共にする姿が観察された。また、36年ぶりにともに野生下で生まれた雌雄による抱卵が複数組で確認された。昨季に続き、野生下で生まれた個体と放鳥個体による繁殖も成功し、2組からひな4羽(放鳥トキ3世)が巣立った。

■来季、高まる期待

 来季は、昨季に誕生した個体が繁殖可能な2歳に達し、野生下生まれの個体のさらなる繁殖に期待がかかる。佐渡トキ保護センターの金子良則獣医師は「まだまだトキには分からないことが多い。人間の期待や予想は外れる。来年はどんなことが起きるのか楽しみだ」と次の繁殖期に思いをはせていた。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/toki/habatake/20150621188497.html

ttps://archive.is/lSLgI
新潟)トキ最後の巣立ちで今季繁殖終了宣言【朝日新聞デジタル2015年6月20日】(他1ソース/既報4ソース)

タグ:トキ 佐渡島
posted by BNJ at 21:01 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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