2015年07月07日

羽毛製品、広がる再利用 無料で回収、洗浄し布団・服に 手放しづらさ解消へ【朝日新聞デジタル2015年7月7日】(再生羽毛)

「ザ・モール周南 星プラザ」の羽毛製品回収カウンター。ダウンジャケットなどを入れる回収ボックスも設置=山口県下松市

 羽毛布団やダウンジャケットなどの羽毛製品は、ひと昔前に比べ、ずいぶん身近になった。その多くは不用になるとごみとして燃やされる。大切な資源である羽毛をもう一度活用するため、回収する取り組みが広がってきた。

 山口県下松市のショッピングセンター「ザ・モール周南 星プラザ」では、家庭で使わなくなった羽毛製品の無料引き取りを3月に始めた。羽毛リサイクルが社会貢献につながる「UMOUプロジェクト in 山口」の活動だ。

 引き取り対象はダウン率が50%以上の製品。藤田萬喜子さん(72)は息子が学生時代に使っていた布団を持ってきた。「捨てるにはもったいなく、20年近く押し入れに眠っていた。人の役に立つならありがたい」。窓口では6月までに42枚を回収したという。

 回収品は羽毛加工大手の河田フェザー(三重県)が解体して羽毛を洗浄し、同社の再生羽毛ブランド「グリーンダウン」に生まれ変わる。その羽毛を使い、一部が寄付になる「山口長州蒲団」を山口県内で販売する計画だ。

 ■「焼却は無責任」

 河田フェザーは解体作業を障害者の事業所に委託。布団1枚分につき500円を山口県の「赤い羽根共同募金」に寄付する。黒田健執行役員は「羽毛製品は使わなくなっても手放しづらく、背中を押す理由が必要だと考えた。羽毛は安定供給が難しくなりつつある貴重な資源だ」と話す。

 プロジェクトには同プラザのほかに寝具店や清掃会社、クリーニング店、運送会社も参加。介護用品店も加わる予定だ。実行委員長で中央寝装(山口市)の山口すみれ専務は「寝具店や清掃会社は、客に羽毛布団の処分を頼まれることが悩みだった」と話す。

 山口市では、羽毛布団を捨てると粗大ごみの扱いになる。同社は10年ごとのリフォームを勧めるが、買い替えで布団を引き取る場合もあり、手数料を払って捨てていた。捨てられた羽毛布団は焼却処分される。「本来は長持ちする素材。焼いて終わりでは無責任と思っていた」

 ■自治体でも開始

 手本となったのは三重県内の活動だ。4年前に明和町の社会福祉協議会が回収を始め、翌年には町の共同募金委員会が引き継いだ。PTAなどが集めた羽毛製品を河田フェザーに渡す。昨年は全県に広がり、459枚を回収した。企業も参加し、東芝の四日市工場では春から、社員ら約9千人に呼びかけている。

 自治体として取り組む所も出てきた。神奈川県藤沢市は昨年度からリサイクル事業の一環で羽毛製品を回収し、山梨県の羽毛ふとん製造業、富士新幸に送っている。藤沢市では年間約2500枚の羽毛布団が処分されていた。「細断して焼却していたが、羽根が舞うので最もやっかいだった。再利用できるとは思いもよらなかった」と話す。

 富士新幸が羽毛製品を集め始めたのは2年前で、今年は首都圏などの12自治体から引き取る。羽毛は洗浄して「アップサイクルダウン」の名で製品化している。それを使った布団は首都圏の量販店で販売され、「好評だ」という。

 ■若い世代へ浸透狙う

 大手アパレルや寝具業者も羽毛を循環させる取り組みを始めている。昨年は京都西川が販売店で回収を始め、三陽商会が河田フェザーのグリーンダウンを使ったコートを販売した。今年は新たに西川リビングやユナイテッドアローズが回収や製造を始める。これら16社が参加し、4月に一般社団法人「グリーンダウンプロジェクト」が設立された。

 アーバンリサーチはセレクトショップ「アーバンリサーチドアーズ」で扱う今秋冬のダウンジャケット約1万着でグリーンダウンを使う。回収・再生の意義を記したタグをつけて販売し、全国55店舗でボックスを置くなどして羽毛製品の回収をする予定だ。

 同社の喜多泰之さんは「羽毛には、欧州では生きた鳥の羽根をむしる生産方法に倫理面での批判もある。再生羽毛の意義を伝え、若い世代にもかっこいいと思ってもらえるといい」と話す。

 (帯金真弓)

 ■輸入量減少、25年で3割に

 羽毛は食用のアヒルやガチョウの副産物として採取される。胸部で採れる綿毛のようなダウンと羽根のフェザーに分かれ、布団ではダウン率50%以上を羽毛布団、50%未満を羽根布団と呼ぶ。

 日本羽毛製品協同組合によると、最大の生産地である中国が経済発展で羽毛製品の消費国になり需要が増えた一方、食生活の変化でアヒルの飼育数は減っている。貿易統計によると、原料での羽毛の輸入量は昨年は約3300トンで、25年前の約3割にまで減った。

 日本寝具寝装品協会によると、羽毛布団が国内で広く普及し始めたのは約35年前。近年は年間約400万枚が流通している。

 一方で、中小企業基盤整備機構の2009年調査では、家庭からごみとして捨てられる羽毛布団は年間850万枚と推計された。環境省は「最終的な処分方法は自治体によって異なり把握していないが、多くが焼却処分されているのでは」と話す。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11844872.html

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posted by BNJ at 23:04 | Comment(0) | 養鶏畜産ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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