2015年07月07日

街育ちの猛禽類 ハヤブサ仲間「チョウゲンボウ」【YOMIURI ONLINE2015年7月7日】

幼鳥とみられるチョウゲンボウ(堺市中区で)=今井邦弘さん提供
 府内でハヤブサの仲間、チョウゲンボウが増えている。本来は渓谷の崖などに巣を作り、府県によっては営巣地が天然記念物になっていたり、準絶滅危惧種(◎)に指定されたりしているが、府内では建物の屋上といった人が寄りつかない人工物に営巣するケースが目立つ。専門家は、街中で生まれ育ち、自分も似た場所に営巣する“都会っ子”が増えるとみている。(吉田誠一)

 ◇工場の屋根に

 堺市中区大野芝町の今井邦弘さん(71)は6月半ば、自宅近くの電線に、ハトぐらいの大きさの見慣れない野鳥を見つけた。図鑑で調べると、「チョウゲンボウ」と判明。朝夕には、「キーキー」「キキキ」という鳴き声が聞こえた。周辺を調べたところ、近くの工場の屋根にある通風口付近からだった。

 今井さんは、娘から定年退職した際に贈られたデジカメと望遠レンズを手に、毎日何時間もシャッターチャンスを狙った。その結果、親鳥と幼鳥4羽の計6羽を確認。幼鳥たちは日中は屋根の上で体を寄せ合い、親鳥が餌を持ち帰る朝夕には盛んに鳴くという。周囲は住宅地だが、近くに田んぼ、公園、緑地があり、餌になるスズメ、ムクドリといった小鳥や、バッタなどの昆虫も多い。

 ◇太子町役場に

 府南部の太子町役場では、ここ数年、毎年巣作りをしている。住民らでつくる「太子町チョウゲンボウを守る会」によると、4階建て庁舎の屋根にある通風口に巣作りし、昨年は3〜8月に親鳥と幼鳥3羽を確認。今年も3月上旬から巣作りが始まり、幼鳥は5羽見られた。同会の畠中成会長(71)は「秋以降どこに行くのかわからないが、毎年来て、増えていってほしい」と願う。

 ◇16階の屋上に

 大阪市淀川区西中島の日清食品ホールディングス本社ビルでは、2009年に初めて確認されて以来、毎年営巣している。年によって場所が変わるが、屋上(16階)などに4〜5月に巣を作り、初夏に巣立つという。今年は幼鳥4羽を確認。レンズを向ける人もいるといい、同社広報は「毎年戻ってくれるのがうれしい。無事巣立つようみんなで祈っています」と見守る。

 ◇餌探し容易に

 本来、海岸の崖などに営巣するハヤブサも、泉大津市にある高層ホテルのベランダで04年以降、毎年巣作りが見られる。

 元府鳥獣専門員で、タカなどの猛禽もうきん類を長年研究している小海途こがいと銀次郎さん(71)(河内長野市)によると、府内のタカは、約30年前からオオタカが増え、約60つがいをピークに現在は20つがい程度。ここ10年ほどハヤブサ、チョウゲンボウは府内全域で見られ、昨年はハヤブサは7つがい、チョウゲンボウは9つがいが確認されたという。

 「増加の理由は、はっきりしない」と話す小海途さん。ただ、人里近くにすむスズメ、ムクドリなどの小鳥を捕る人が減ったことなどから、餌を容易に探せるようになったのも一因という。かつて府内では冬場だけ飛来する姿が見られたが、ビルのベランダやダクト、高速道路の橋げたの隙間などに巣を作って生息するようになったとみられる。

 小海途さんは「チョウゲンボウやハヤブサは増えてきたとはいえ、まだ珍しい鳥。『街のタカ』として、大切に見守ってほしい」と話している。

 (◎)準絶滅危惧種 絶滅の恐れがある生物一覧(レッドリスト)のうち、「絶滅危惧」類に次いで「生息条件が変わると絶滅危惧に移行する可能性がある」種のこと。リストは環境省のほか都道府県も独自に作成して数年おきに更新。チョウゲンボウはかつて大阪府のリストで準絶滅危惧種だったが、増加傾向にあり2014年版で外された。
http://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20150706-OYTNT50445.html

ttps://archive.is/PxfYD

posted by BNJ at 23:10 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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