2015年07月31日

女の気持ち:ツバメ再び 山口県光市・東和子(68歳)【毎日新聞2015年7月31日】

 あちこちのツバメの巣から、小指の先ほどの小さな頭がのぞいている。しばし見上げて見とれる。文句なしに可愛い。親鳥がせっせと餌を運んでひなを育てる。もうすぐ顔のほとんどが口状態になり、食欲も増し鳴き声もにぎやかになる。生命の営みにはいつも感動させられる。

 わが家にも二十数年ぶりにツバメのつがいがやってきた。チチチとさえずりながら、古巣の一つを修理している。その姿を見て本当にうれしかった。

 子どもたちが家を出て夫婦ふたりになると、ツバメがパッタリ来なくなった。蔵の中に10個、物置に1個の巣が残された。毎年、飛来の時期になると再訪を心待ちしたが、いつも空振りで寂しい思いをした。

 それが今年は来たのだ。何か良いことがありそうな予感がして、胸が高鳴った。宝くじの高額当選と10年来の夢がかないそうな気がして、毎日そっと見守った。

 ところが修復が終わり、立派な巣になったと思った途端、ツバメの姿が見えなくなった。気になって毎日見上げたが、とうとう姿を現さなかった。夫は「蛇が近づいたのかもしれん」と言う。大きく膨らんだ風船が一気にしぼんでしまった感じだ。

 今ごろはどこかで子育てをしているのだろう。ひとときの夢を見せてくれたツバメたち、ありがとう。彼らが無事に子育てを終え、やがて南の空に親子で元気に帰れますように。
http://mainichi.jp/area/news/20150731ddp013070003000c.html

ttps://archive.is/QZvVO

タグ:ツバメ
posted by BNJ at 20:36 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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