2015年09月08日

(ひと)高橋武市さん 北の大地に1人で「夢の庭」を築いた観光花園主【朝日新聞デジタル2015年9月8日】(既報1ソース/野鳥/渡り鳥)

 オホーツク海に近い北海道滝上(たきのうえ)町で、観光花園「陽殖園(ようしょくえん)」を60年かけて1人で築いた。「太陽が育て殖(ふ)やしてくれる庭」との思いを込め、約8ヘクタールの小高い山に約800種の花が途切れることなく咲く。ガーデンの「秘境」として道外の愛好家の心もつかむ。

 開園は中学2年の時。家は貧しい開拓農家で、小学生のころから野生のウサギの肉や皮を売り、野菜を背負って行商に出た。ある日、野菜かごに入れたレンゲツツジ3本がその日の野菜より高く売れた。「花は売れる」と確信し、山の斜面に小さな段々の花畑を造った。中学卒業後、本格的に切り花の卸や鉢植えの行商を始めたが、温室で育てた主力のサボテンが突然の寒波で壊滅。「この土地で育つ花を育てる」と誓った。

 作業用の一輪車で土を運んで散策道に起伏を持たせ、渡り鳥が羽を休める四つの池を造った。昆虫を「天然の助手」と呼び、50年前から農薬や肥料を使わない。スタッフはおらず、来客受け付けからガイドも1人でこなす。独学で品種改良し、真っ赤なルピナスや八重咲きのヒメヒマワリを作った。

 エゾリスやキツネにも遭える「夢の庭」。花の絵地図はすべて頭の中にある。後継者はなく、「育てた草花が自然の光景に溶け込むような庭」をひたすら目指す。これからハギが見頃を迎え、27日に今季の営業を終える。

 (文・写真 奈良山雅俊)

    *

 たかはしぶいち(74歳)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11953235.html

北海道)1人で築き上げた庭が「北の造園遺産」に【朝日新聞デジタル2015年8月21日】
60年をかけて1人で陽殖園を造りあげた高橋武市さん=滝上町
 滝上町の自然風観光公園「陽殖園(ようしょくえん)」が、日本造園学会北海道支部の「北の造園遺産」(庭園部門)の第25号に認定された。園主の高橋武市(ぶいち)さん(74)が造園から管理運営まで1人で手がける異色の庭園で、「武市の庭」として全国から注目されている。

 高橋さんは小学5年のころから切り花や花の苗を育てて行商に出た。中学2年になると自宅の裏山に小さな花畑を造り、「太陽が育て殖(ふ)やしてくれる庭」との思いを込めて「陽殖園」と命名した。翌年、修学旅行のために親が子馬を売って用意したお金を、頼み込んで苗の購入費などに回し、花の生産販売を本格的に始めた。豊富な植物の知識を独学で身につけ、自身の感性と自然の地形を生かしながら庭園を築きあげた。

 現在の庭園面積は約8ヘクタール。木漏れ日がさす4・6キロの散策道には、約800種の季節の花々が途切れることなく咲き誇る。渡り鳥が羽を休める池も手づくりで、チョウが舞い、エゾリスやキタキツネにも出会える「夢の庭」だ。「農薬は50年前から使っていない。害虫も発生するが、農薬を使えばその害虫の天敵の昆虫や野鳥にも影響がでる。害虫は増減を繰り返すので、自然に任せている」と高橋さんはいう。

 ガーデニング観光の人気コース「北海道ガーデン街道」(大雪山〜十勝、総延長約250キロ)からは離れているが、愛好家から「最後の秘境的ガーデン」とも言われ、来園者の7割が道外という。庭園の受付も園内ガイドも高橋さんが1人で担当。案内看板に書かれた通り「日本一変わっている花園」だ。

 同学会北海道支部運営委員の笠康三郎さん(緑花計画社長)は「厳しい気象条件の中でこれほど豊かな植物景観を造りあげた技術の素晴らしさに加え、高橋さんの人柄に引かれて本州から多くの愛好家が訪れており、地域の魅力になっている」と高く評価する。

 高橋さんは「開園60年の節目に遺産認定を受け、ありがたい。庭造りは生涯をかけたまさにライフワーク。育てた草花が自然の景観に溶け込むような庭になるまで続けていく」と話している。(奈良山雅俊)

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 〈北の造園遺産〉 日本造園学会北海道支部(大塚英典支部長)が技術や造形的価値、景観形成などを基準に毎年数カ所を認定。2010年から始まり、6次認定の今年は中野植物園(小樽市、第24号)と陽殖園が選ばれた。部門は都市公園(函館公園、大通公園など11)、並木・街路樹(道庁前イチョウ並木など4)、動植物園(北大植物園など2)、自然公園(大沼公園など2)、庭園(真鍋庭園、梅村庭園など4)、緑地(深川林地)、レクリエーション施設(小樽カントリー倶楽部旧コース)がある。
http://www.asahi.com/articles/ASH8C419XH8CIIPE00K.html

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タグ:渡り鳥
posted by BNJ at 21:53 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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