2015年09月08日

ペンギン“妊活”へ筋トレ 名港水族館で初の繁殖目指す【中日新聞2015年9月8日】(エンペラーペンギン)

お腹の下で卵を温め、ぽっこりと膨らんだように見えるエンペラーペンギン=名古屋港水族館で(同館提供)

 世界に3カ所しかないエンペラーペンギン飼育施設の名古屋港水族館(港区)が、成功すれば同館で初となる繁殖を目指している。悲願の赤ちゃん誕生に向けて“妊活”に策をめぐらす飼育員たちの次の一手は、まさかの筋トレ、だという。

 名港水族館には雌雄三羽ずつ、六羽エンペラーがいる。毎年四〜五月に求愛と交尾の季節を迎えるが、昨年まではモテる雄が一羽だけだったり、雌同士で恋に落ちてしまったり−。なかなかうまくカップルをつくってくれなかったが、特定の雌雄を隔離して「二羽の世界」をつくるなど工夫を凝らした今年は、めでたく三組が成立した。

 ただ、雄が雌の上に乗って体を重ね合わせる交尾に成功したのは一組だけ。ほかの二組では、上ろうと試みた雄がずり落ちる展開が続いて交尾できず。結局、雌は無精卵を産んでしまった。唯一成功したカップルが産んだ名港史上初の有精卵も、残念ながらふ化しなかった。

 交尾失敗の原因は何なのか。二十四時間回しっ放しの観察カメラの映像を眺め続けた飼育員の材津陽介さん(32)は、はたと思い付いた。「この子たち、筋力不足で姿勢を保てないのでは」

 材津さんによると、南極に住む野生のエンペラーペンギンは毎年、アザラシなど天敵が多い海辺から何日もかけて百キロ以上歩いて安全な繁殖地に向かう。「いわば、筋肉ムキムキに鍛えられた状態で交尾するのが自然の状態。それにくらべ、水族館水槽はあまりに狭い…」

 飼育員仲間と相談し、エンペラーたちに筋力トレーニングを課すことを決めた。具体的には、餌の魚を与える際にあえて高さ四十センチほどの段差に登らせたり、水槽の中の陸地部分をなるべく長く歩かせたり。「効果のほどは未知数ですが、来夏は三カップルとも成功に導きたい」。前代未聞のスパルタ指導は、同居する他種のペンギンたちの繁殖が一段落するのを待ち、来年二月ごろに始める。

 <エンペラーペンギン> 別名コウテイペンギン。体長1.3メートル、体重45キロの世界最大のペンギン。南極大陸の氷上に生息する。飼育、繁殖ともに難しいが、国内では和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドが繁殖に成功している。

 (中野祐紀)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20150908/CK2015090802000057.html

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