2015年09月09日

ライチョウ 人工飼育の壁 上野全滅 残るは富山の3羽【東京新聞2015年9月9日】(他2ソース/既報関連多数)

飼育されるニホンライチョウのひな=富山市ファミリーパーク提供

 国の特別天然記念物で絶滅が危ぶまれるニホンライチョウの人工飼育と繁殖を目指す国の初めての計画が、いきなり壁にぶつかっている。6月に北アルプス乗鞍岳(岐阜、長野両県)で採集した卵10個のうち、上野動物園(東京)でふ化させた5羽は全て死に、残りは富山市ファミリーパークの3羽だけに。「野生動物を育てる困難さを実感した」と望月義夫環境相。飼育技術を確立するまで手探りが続く。
 「少し動きが悪い。立ち止まっているようだ」。八月二十六日朝、上野の飼育担当者が雄のひなの異変に気付いた。通常、餌をついばみながら歩き回るが、体調が悪いと脚がふらつき休みがちになる。三時間後には動かなくなっていた。
 上野では同日以降ひなの死が続き、今月六日に“全滅”した。最後の二羽は八月下旬から体重が減り、液状にした餌をチューブで口から流し込むなど付きっきりで世話したが、回復しなかった。渡部(わたべ)浩文副園長は「順調に育っていたのに。突然のことで困惑している」と声を落とす。
 本州中部の高山帯に生息するライチョウは近年、環境変化や外敵の増加で減少が著しく、現在は推定二千羽弱とされる。
 環境省は、保護が遅れて国産の絶滅を防げなかったトキやコウノトリの教訓から、早い段階で人工繁殖を軌道に乗せようと計画。卵十個から上野で五羽、富山で四羽がふ化し、来年には雄と雌を“お見合い”させて繁殖を試みる予定だった。
 富山では七月上旬に一羽が死んだものの、残り三羽は育っている。「近縁種の飼育経験があるとはいえライチョウは初めて。しっかり取り組みたい」と担当者。ただ三羽は雄ばかりで、来年の繁殖は絶望的。環境省は来年も卵を採集して、再挑戦する意向だ。
 過去に人工繁殖に取り組んだ経験のある大町山岳博物館(長野県大町市)の宮野典夫元館長は「ライチョウは病気に弱く、飼育は試行錯誤の連続。経験を積んで対処法を学ぶしかない」と話した。
 <ニホンライチョウ> 南北アルプスなど、本州中部の高山帯に生息するキジ目の鳥。ずんぐりした体つきで体長は約40センチ。植物の芽や種子などを食べる。日本列島が大陸と陸続きだった氷河期に大陸から移りすんだといわれ、高山が信仰の対象としてあがめられる中で「神の使い」として守られてきた。1980年代には約3000羽いたが、キツネやカラスといった外敵の増加や、生息環境の悪化などで著しく減少した。環境省は絶滅危惧種に指定し、保護策を進めている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015090902000266.html

県内関係者 繁殖難しさ実感 上野動物園のライチョウひな全滅【信濃毎日新聞2015年9月8日】
ライチョウの人工飼育に向けた採集作業で見つかった卵=6月5日、乗鞍岳
 北アルプス乗鞍岳で6月に採取した卵から上野動物園(東京)でふ化した国特別天然記念物ニホンライチョウひな5羽が全て死に、来春の人工繁殖実現が困難な状況となっている。乗鞍岳で採取した卵10個のうち、残りは富山市で飼育中の雄3羽だけ。人工繁殖計画に関わる長野市茶臼山動物園、大町市大町山岳博物館の関係者も、野生動物の飼育・増殖の難しさをあらためて痛感している。

 「ふ化から3カ月くらいまではちょっとしたことで体調を崩しやすい。毎朝無事を確認してほっとする繰り返しだった」。ニホンライチョウ受け入れの前段として、近縁種のスバールバルライチョウを飼育している茶臼山動物園学芸員の田村直也さん(44)は言う。同園では、2013年にふ化した4羽のうち成鳥に育ったのは2羽だけ。「スバールバルで実績を積んだ上野動物園でさえ今回の結果。簡単ではない」と話す。

 同様に今年スバールバルの飼育を始めた大町山岳博物館の指導員、宮野典夫さん(64)も「野生動物ならではの強さと同時に、人為的な環境下でのもろさを感じる。まだ分からないことが多い」と受け止める。同博物館は1963年から04年までニホンライチョウを飼育し、繁殖の実績もある。「大町の経験も生かし、一緒に改善策を探っていきたい」とする。

 「高山帯という特殊な環境に適応し、生きてきた長い進化の歴史も踏まえて改善策を見いだしたい」。同省の保護増殖検討会にも出席した日本大生物資源科学部教授の村田浩一さん(63)は言う。

 上野動物園によると、今回死んだひなは消化機能の低下で栄養を吸収できなくなった可能性がある。村田さんは、腸内細菌の状態がニホンライチョウとスバールバルライチョウとでは大きく異なると指摘。「野生動物は、家畜を飼うのとは全く異なる。挑戦状を受け取った思いだ」と話している。

 環境省の安田直人・希少種保全推進室長は「来年の繁殖期に再び乗鞍岳から卵を採ってくる方向で検討したい」としている。
http://www.shinmai.co.jp/news/20150908/KT150907FTI090020000.php

上野ライチョウ全滅、環境相「飼育難しさ実感」 来年以降の試み継続も表明【YOMIURI ONLINE2015年9月8日】
上野動物園で死んだ5羽のライチョウ=7月(東京動物園協会提供)
 上野動物園(東京)で繁殖を目指し、飼育していた国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウのひな5羽が全て死んだことに関し、望月義夫環境相は8日の記者会見で「大変残念。野生動物を育てる困難さをあらためて実感した」と述べた。

 環境省は今年6月、ライチョウの人工繁殖に取り組むため、乗鞍岳(岐阜・長野両県)の巣から卵10個を採集。上野動物園で5羽、富山市ファミリーパークで4羽のひながかえったが、7月上旬に富山の1羽が死に、上野の5羽も今月6日までに全滅した。

 望月氏は「引き続き飼育繁殖に取り組んでいきたい」とも述べ、来年以降も乗鞍岳で卵を採集し、飼育を試みる考えを示した
http://www.sankei.com/life/news/150908/lif1509080019-n1.html

ニホンライチョウ“来年以降も人工繁殖”【NHKニュース2015年9月8日】
環境省が取り組んでいる国の特別天然記念物、ニホンライチョウの人工飼育で、東京の上野動物園でふ化したニホンライチョウ5羽が6日までにすべて死に、来年春の繁殖はできなくなりましたが、望月環境大臣は来年以降も引き続き人工繁殖に取り組む考えを明らかにしました。
ニホンライチョウは近い将来、野生での絶滅の危険性が高いと指摘されていて、環境省は初めて、東京の「上野動物園」と富山県の「富山市ファミリーパーク」で人工飼育に取り組んできました。
このうち、東京の上野動物園ではことし6月、5羽のニホンライチョウがふ化し飼育を続けてきましたが、先月下旬から6日までにすべて死にました。富山市ファミリーパークでは3羽のライチョウが育っていますが、すべてオスのため、環境省が計画していた来年春の人工繁殖はできなくなりました。
上野動物園では、これまでの検査でウイルスなどは見つかっていないということで、専門家と協力してライチョウが死んだ詳しい原因を調べています。
これについて、望月環境大臣は8日の閣議のあとの記者会見で、「大変残念だが、今回の経験を生かして次につなげ、環境省として引き続きライチョウの繁殖に取り組みたい」と述べ、来年以降も引き続き人工繁殖に取り組む考えを明らかにしました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150908/k10010220561000.html

ttps://archive.is/MiQ0h
ttps://archive.is/pEhV0
ttps://archive.is/UV8gO
ttps://archive.is/ofIsC
上野動物園のライチョウ全滅 富山で3羽飼育続く【共同通信2015年9月6日】(他4ソース)

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