2015年09月10日

奄美の夏:夜の生き物たち/下 リュウキュウコノハズク/アマミヤマシギ/ルリカケス 世界遺産登録へ、いまだ道険し /鹿児島【毎日新聞2015年9月10日】

 奄美大島の林道は、夜であってもさまざまな音が交錯する。虫? 鳥? いやそれとも……。ガイドで写真家の常田守さん(62)が木々の間の闇に手持ちのライトを当てると、そこからさまざまな「住人」が姿を現した。

 ◇リュウキュウコノハズク

 木の枝に2羽、あるいは3羽並んでいる。高さ20センチ弱か。黄色い大きな目が時折こちらをにらむ。リュウキュウコノハズクのひな。奄美大島から南、琉球列島に生息するフクロウの仲間だ。常田さんによると、ひなたちは親が餌を運ぶのをじっと待つ。親が来たら大声で鳴いて、自分の存在を知らせる。親は、より大きく鳴く方に餌を多く与える。すなわち、厳しい生存競争がこの段階で行われていることがよく分かるという。

 ◇アマミヤマシギ 

 我々の十数メートル先を、高さ30センチ弱か、1羽の鳥が細い脚を使って歩く。琉球列島の固有種、アマミヤマシギ。人間を目で捉え、遠ざかろうとするものの、歩くのみ。なかなか飛ぼうとしない。時折止まり、こちらをうかがう。なるべく近寄ろうとカメラを構えると、ついに飛び立ってしまった。

 ◇ルリカケス 

 常田さんがライトを当てた先を見上げると、木の細い枝でルリカケスが眠っていた。赤と青の鮮やかなコントラスト。県鳥でもある。枝の先で眠るのは、島の生態系で最も上位に位置する毒ヘビ・ハブから身を守るため。「奄美の動物の進化、行動は、多くがハブに当てはめて考えるとよく分かる」と常田さんは説明する。ルリカケスは、少し目を離した間に姿が消えていた。

   ◇

 奄美大島を含む奄美・琉球の世界自然遺産の登録はいつになるのか。

 世界遺産に向けて政府の検討が始まったのは2003年にさかのぼる。当時、知床、小笠原諸島とともに候補地の一つとして選定された。しかし12年が経過していまだ登録に至っていないのは、奄美・琉球だけ。貴重な動植物がいる地域を保全する法的な担保がないこと、地権者ら関係者との調整に時間がかかっていることが大きな理由だ。政府は現在、対象地域について利用や開発を規制する国立公園指定を急いでいる。

 常田さんによると、奄美の自然に触れた外国人は、その多様さに驚き、感激するという。常田さんは「知れば知るほど守っていかなければ、と強く思うのが奄美の生き物たち。将来に向けて、彼らを守り通せるかどうか。奄美の人々が試される時だ」と訴える。【津島史人】
http://mainichi.jp/area/kagoshima/news/20150910ddlk46040316000c.html

ttps://archive.is/8BYMZ

posted by BNJ at 23:34 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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