2015年09月13日

サンコウチョウ:県の鳥、目撃情報減少 生息地の里山、手入れされず 県、保全とPRに全力 /静岡【毎日新聞2015年9月13日】(県の鳥)

 夏に飛来する渡り鳥「サンコウチョウ」(三光鳥)の目撃情報が減っている。実はこの鳥、あまり知られていない「静岡県の鳥」だ。生息地の里山が減少しつつあり、専門家は「里山環境変化のバロメーター」と指摘。県は保全と認知度アップに躍起だ。県版レッドデータブックの改定作業で昨年度から3年がかりで生息調査を実施中で、野鳥愛好家も結果に注目している。【荒木涼子】

 「ツキ(月)、ヒー(日)、ホシ(星)、ホイホイホイ」と聞こえる鳴き声から名付けられた。5月上旬に越冬地の東南アジアから本州以南に渡来するヒタキ科の夏鳥で、県内は主に富士山麓(さんろく)や県中部から西部にかけての標高1000メートル程度までの里山で確認される。

 サンコウチョウが好むのは薄暗く、生き物豊かな沢のある里山。だが近年、間伐など手入れが行き届かなくなった。県渡り鳥研究会の北川捷康代表(73)は「桶ケ谷沼(磐田市岩井)周辺の森では数年前まで巣を作る姿が見られたが、この夏は渡り途中の様子が見られた程度だった」と話す。一方で、浜松市浜北区の県立森林公園では以前と変わらず巣を作る姿が観察されるという。「森の多様性さえ維持できていれば、すみ続けられる」と分析している。

 県は1994年度から3年間、県内を縦4・5キロ、横5・5キロの区画に分けて調査し、230区画のうち90区画で生息を確認。2004年の県版レッドデータブックで、「生育条件の悪化などによって、絶滅危惧種になりうる」準絶滅危惧種に指定した。同会会員らが06年12月〜09年2月に行った調査では生息数は62区画に減少。主に富士山麓や県中部の新東名沿いで減った。

 北川代表は「木材を燃料に使わなくなって、人が森に入らなくなり、里山が荒れてしまった」と指摘。NPO法人県自然史博物館ネットワークの三宅隆副理事長は「新東名ができた結果も、里山への影響は大きい。守っていかないと、県の鳥なのに、県民が見られなくなってしまう……」と心配する。

 県の鳥に指定されたのは半世紀前の1964年。5種の候補から県民の投票で決まった。体長は15センチほどだがオスの尾羽は30センチにもなり、優雅な姿と鳴き声からバードウオッチャーに根強い人気があった。J2ジュビロ磐田のマスコットキャラクター「ジュビロ君」のモチーフでもある。

 しかし、「暗い森林を好み、動きもすばしこい」ことから、普段はあまり見かけられず、県自然保護課の担当者も「見ればきっと愛される鳥だが、そもそもなかなか知ってもらえない」と話す。県は公式キャラクター「ふじっぴー」のサンコウチョウバージョンのイラストも作製しているが、県広報課も「認知度が上がらなくて」と困り顔だ。

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 ■ことば

 ◇県版レッドデータブック

 絶滅の危機にある野生生物の県内の詳しい分布は、環境省のリストだけでは不十分として、県が独自調査し、2004年に作製した。植物、哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類、両生類、淡水魚類、昆虫類、陸・淡水産貝類の8分類に分け、評価対象約1万種のうち、アカウミガメなど全体の5・4%にあたる543種を絶滅のおそれがある「絶滅危惧1類、同2類」とした。18年度に新版を公表する予定。
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20150913ddlk22040153000c.html

ttps://archive.is/95PZG

posted by BNJ at 22:02 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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