2015年09月15日

NZの国旗変わる?首相「英植民地の象徴」、国民投票へ【朝日新聞デジタル2015年9月15日】(キウイ/国鳥)

四つに絞り込まれた国旗デザイン。三つはシルバー・ファーンと呼ばれるシダで、一つは葉が開く前の「コルー」と呼ばれるシダの芽。11〜12月に予定される国民投票で最終候補が決まる=ニュージーランド政府の「国旗検討プロジェクト」提供
写真・図版
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 ニュージーランド(NZ)が今年から来年にかけ、国旗を変えるかどうかを巡って2度の国民投票をする。植民地時代の名残ともいえる英国国旗のデザイン「ユニオンジャック」を使った国旗は、世界でも少数派になった。新しいシンボルは国民の心をつかめるか。

 「1万点以上のデザインをすべて吟味して絞り込んだ。膨大な作業だった」

 国旗検討委員会の委員長を務めるカンタベリー大名誉教授(法学)のジョン・バローさんは今月1日、首都ウェリントンで「決戦進出」の四つの国旗デザインを発表後、笑顔で語った。

 同委員会は今年2月、政府が指名した法律家や歴史家、元スポーツ選手ら12人で発足。新たなデザインを公募すると、1万292点が寄せられた。8月上旬に40点を選び、さらに4点の最終候補を決めた。

 「シンプルで色のバランスが良い」などが基準。予選通過の40点には、ラグビー代表オールブラックスのロゴでもある「シルバー・ファーン」などNZ特有のシダのデザインが多かった。国鳥キウイのデザインは「外国人には太った鳥にしか見えない」と外れた。

 最終候補の4点のうち2点はオーストラリアの建築デザイン事務所で働くNZ人のカイル・ロックウッドさん(37)のデザインだ。シルバー・ファーンに南十字星をあしらい、赤白青と黒白青の色違い。「すぐにNZとわかり、団結できるように」と考えたという。

 今年11〜12月の1回目の国民投票で1点を選び、来年3月、「現行のまま」か「新国旗」かを問う2回目の投票をする。正式変更には半年ほどかかり、来年のリオデジャネイロ五輪には間に合わない見込みだ。

 NZ政府の「国旗検討プロジェクト」によると、国旗は商業目的とは無関係で、商標登録はしない。ただ、著作権を巡るトラブルを避けるため、応募者は「著作権、知的財産権を含むあらゆる権利は連邦政府へ無料で譲渡する」などとする条件に同意、署名した。選ばれなかった場合、著作権などはデザイナーに戻る決まりだ。

■首相、ユニオンジャックは「英植民地だった象徴」

 国旗変更の音頭を取るのはキー首相だ。昨年3月、講演で「ユニオンジャックに南十字星」の国旗について「英植民地だった過去の象徴だ。独立後のNZの文化や社会を反映していない」と発言。国民投票に問う意向を打ち出した。

 国旗変更を巡る議論は、英国が欧州経済共同体に加盟してNZで「英国離れ」の機運が高まった1970年代から続いてきた。昨年の総選挙で大勝して3期目に入ったキー氏が、高い人気を支えに踏み切ったとの見方が強い。

 「歴史に名前を刻みたいためだ」との批判もあるが、キー氏は地元ラジオなどで「国際的に認識されやすい国旗をNZ製の商品につければ、経済効果がある」と説明している。

 国旗検討委員会委員で国旗史などが専門のマルコム・マルホランドさんによると、現在のデザインは英領時代の1869年に初めて使われ、1902年に正式に国旗になった。47年の独立後も変わらなかった。

 「ユニオンジャック離れ」が英女王を元首とする君主制から共和制への動きにつながるとは限らない。マルホランドさんは「キー氏は君主制支持者。ユニオンジャックと女王を切り離す国民が多い」とみる。

 国旗変更への支持は必ずしも広がっていない。昨年11月の世論調査では「反対」が43%で「賛成」は19%。反対派の急先鋒(きゅうせんぽう)は退役軍人協会「RSA」だ。バリー・クラーク会長は「現行の国旗は兵士らが第1次世界大戦など多くの戦いで掲げた。なぜ今、変える必要があるのか」と話す。

 国民投票などで2600万NZドル(約20億円)がかかることにも批判がある。最大野党・労働党のリトル党首は「無駄遣いと非難されて当然だ」と話した。

 それでも、関心は高まってきているようだ。地元テレビが7月、米ニューヨークでNZ国旗を見せて国名を聞く企画を放映。「わからない」か「オーストラリア」の答えが多いのにショックを受け、国旗問題を考える国民が増えたという。

 旧英領でユニオンジャックを国旗に使っているのはかつては20カ国ほどあったが、現在はNZのほか、豪州や太平洋のフィジー、ツバル、クック諸島、ニウエだけだ。フィジーも来年に国旗変更を予定している。

 赤地にユニオンジャック付きの国旗だったカナダは、60年代に「他国と全く違う国旗が望ましい」との世論調査結果が出たことなどから65年、現在のサトウカエデの国旗に変更した。(ウェリントン=郷富佐子)

■東京五輪エンブレム、方式参考の意見も

 NZの国旗選考方式には、公式エンブレムを再公募する2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会で「参考にしては」との意見が出ている。

 取り下げを余儀なくされた佐野研二郎氏のエンブレム選考では、公募条件を実績あるデザイナーに限定し、選考過程が不透明だったとの反省があり、組織委は「次の公募はより広く開かれ、国民の理解を得られるものに」とする。「1万以上の応募から候補を絞り、最終候補の複数案を国民に諮ることに意味がある」と話す関係者がいる。

 組織委は外部有識者による「エンブレム委員会」を発足させることを9日に発表。NZの国旗検討委と同じように、公募条件や選考方法の選定に第三者の意見をあおぐことにした。

 ただ、商標ではない国旗と違い、国際オリンピック委員会(IOC)の規定で、公表までに確実に国際商標登録が可能かどうかの調査を済ませることが条件となる。1点あたり5千万円程度を見込む調査費用を複数案にかけることに組織委内部には慎重論がある。(原田亜紀夫)
http://www.asahi.com/articles/ASH803DNPH80UHBI00D.html

ttps://archive.is/bYdAY

posted by BNJ at 11:46 | Comment(0) | 海外の鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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