2015年09月26日

【千葉】江戸の大坂画壇に光【東京新聞2015年9月26日】(唐画もん展/大鷲図/芭蕉九官鳥図/鸚鵡図/花鳥図/鳥類美術/既報1ソース)

林の「大鷲図」(右から2番目)などが並ぶ会場=千葉市中央区で

 岩に止まる一羽のワシが、鋭く虚空をにらむ。水墨画「大鷲図」。勢いのある筆致で、羽毛の質感まで再現する多様な表現が技術の高さをうかがわせる。
 描いたのは江戸時代中期に大坂で活躍した絵師、林〓苑(ろうえん)。当時の「大坂画壇」に光を当てる千葉市美術館(中央区)の企画展「唐画(からえ)もん」で展示中だ。
 伊藤若冲(じゃくちゅう)や円山応挙など、今も広く知られる「スター」がいる京都画壇だけでなく、近年には大坂にも注目が集まっている。林は文人画の大成者、池大雅(いけのたいが)の孫弟子。今回は林に加え、船頭もしていたという変わり種の絵師、墨江武禅(すみのえぶぜん)を紹介する。
 「彼らは当時流行の中国絵画を学んだ『唐画師』として独自の表現を追究し、おおいに人気があった」と松岡まり江学芸員。「端正」な京都に比べ、町人文化を背景とした大坂画壇は「濃い」味わいがあるという。
 会場には二人の師匠や同門、若冲らの作品も並び、大坂画壇が俯瞰(ふかん)できる。十月十八日まで。会期中に一部を入れ替え、総数百五十四点を展示する。 (内田淳二)
※〓は、門、その下に良
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150926/CK2015092602000143.html

【美の扉】「唐画もん」展 千葉市美術館 大坂が生んだ知られざる異才【産経ニュース2015年9月20日】
林●(=もんがまえに良)苑「芭蕉九官鳥図」 個人蔵
 大胆で鮮烈。その名は林●苑(ろうえん)と墨江武禅(すみのえぶぜん)。聞き慣れない名の絵師だが、作品のインパクトは強い。江戸時代、江戸や京都とともに三都といわれた大坂には大坂画壇があり、町人に支えられ、形式にとらわれない自由な発想の作品が誕生した。大坂画壇が生んだ2人の知られざる絵師の作品を中心に紹介する展覧会「唐画(からえ)もん」がいま、千葉市美術館で開かれている。

 展示の中でとりわけ印象的なのが●苑の「芭蕉九官鳥図」だ。中国原産の芭蕉の大きな緑の葉と岩の上に止まる九官鳥を描写。地面では福寿草が咲き、芭蕉の花の赤が鮮やかで際立つ。大胆な構図とセンスのいい色彩は、モダンで現代絵画のようだ。こんな絵師がまだいたのかと、驚かされる。

 鉢植えの蘭を題材にした「寒蘭図」も目を引く。蘭の白い花としなやかに伸びた葉が繊細なタッチで描出。鉢の中には青や茶など色とりどりの小石がびっしりと敷き詰められ、コケの緑と対照的。鉢の表面には中国風の菊のくねった意匠が見られる。実際の蘭を描いたように見えるが、鉢植えの蘭図は、17世紀の朝鮮絵画に作例があることから、そうした絵を参考に描かれたと推測されている。

 ●苑(生没年不詳)は、道頓堀川近くで暮らし、1770〜80年頃に活動した。文人画の大成者、池大雅の弟子で人物図の名手といわれた福原五岳(ごがく)に学び、中国の明・清時代の絵画や日本の古画を熱心に研究。華麗な花鳥図のほか、中国の宮廷世界を主題にした風俗画を数多く残した。

 一方の武禅(1734〜1806年)は、美人画に秀でた浮世絵師、月岡雪鼎(せってい)に学んだ。山水画を得意にし、とりわけ仙人が住むといわれる中国の神山「蓬莱山」を数多く描いた。展示作の「蓬莱山図」は、山から滝が流れ落ち、蓬莱山を象徴する鶴や亀を配し、いかにも中国風だ。

 武禅は大坂の土佐堀川の近くで暮らし、一説には船頭をしていたともいわれている。中国の港湾都市をモチーフにした「明州図」など、舟が浮かぶ穏やかな海辺を描いた作品があり、船頭をしていたかは別として水辺の風景が好きだったようだ。

 2人はほぼ同時代に活動。作品に中国趣味が見てとれるが、現地に行ったわけではない。さまざまな作例や想像を駆使して創作した。中国に由来する画題を好んだことから「唐画師(からえし)」と呼ばれた。本展では2人の作品各50点と、彼らに関係のあった絵師の作品を一堂に集めて紹介。

 「●苑と武禅は知る人ぞ知る絵師。確かなテクニックと個性的な画風で人気を博し活躍していた。当時の大坂画壇には、ほかにも多くの優れた絵師がいる。本展を契機にさらに研究が進んでいけば」と、同美術館の松岡まり江学芸員は話す。

 本展には、武禅の仲間の月岡雪斎の遊女をしなやかに表現した「浮世人物図」、●苑の友でカエルの絵で名をはせた松本奉時(ほうじ)の「蝦蟇図」など個性豊かな作品が並び、大坂画壇の多彩さを気付かせてくれる。(渋沢和彦)

愛らしい「鸚鵡図」

 多種多様の動植物を題材にした「動植綵絵」で知られる江戸時代中期の絵師、伊藤若冲(1716〜1800年)。写実と想像を駆使し花鳥や動植物を独特の形態と色彩で描き出した。

 京都の商家に生まれ、30歳を過ぎてから本格的に絵を学び、狩野派の絵師に師事。しかし、自らの画法を築けなかったことから、画塾を辞め独学で腕を磨いた。中国画を所蔵する寺に足しげく通い模写に明け暮れた。その数は1000枚にも及んだといわれているから、かなりの「唐画もん」といえるだろう。

 本展には「鸚鵡図」が出品されている。描かれたのは、止まり木でじっとしている白いオウムだ。黒い目は漆が塗られ、光沢を出していて、きょとんとした表情が愛らしい。羽根の繊細で優しい描写などに卓抜の技量を見せる。江戸時代、すでに日本にはオウムは輸入され、興行の見せ物として人気があった。この絵は当時としてはかなりエキゾチックな作品だっただろう。鳥を題材にした●苑の「芭蕉九官鳥図」と見比べるのも面白い。

 千葉市美術館は、寄託作品を含め若冲作品を11点所蔵している。本展では、同館所属品を含め10点の若冲作品を展示していて、見応えがある。(渋沢和彦)


 

 開館20周年記念展「唐画もん−武禅に●苑、若冲も」は10月18日まで(会期中展示替えあり)。千葉市中央区中央3の10の8、千葉市美術館。9月28日、10月5日休。一般1000円、大学生700円、高校生以下無料。問い合わせは同美術館(電)043・221・2311。

●=もんがまえに良

http://www.sankei.com/life/news/150920/lif1509200017-n1.html
http://www.sankei.com/life/news/150920/lif1509200017-n2.html
http://www.sankei.com/life/news/150920/lif1509200017-n3.html

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タグ:鳥類美術
posted by BNJ at 21:04 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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