2015年08月25日

つくばエクスプレス:10周年 流山、柏「勝ち組」に 一部地域に開発集中 環境問題や格差浮き彫り /千葉【毎日新聞2015年8月25日】(オオタカ/既報関連ソースまとめあり)

高層マンションの間を走るTX=柏の葉キャンパス駅近くで

 東京・秋葉原と茨城県つくば市を結ぶつくばエクスプレス(TX)が24日、開業10年を迎え、秋葉原駅では記念イベントが開かれて祝賀ムードに包まれた。乗客数は各駅とも右肩上がりに伸び、今秋にも開業以来10億人を突破する見込みだ。県北西部の柏、流山沿線2市は、駅周辺で計約1000ヘクタールの開発が進み、風景は一変。TXがけん引役となって人口も10年で計約5万1000人増加し、「勝ち組」の様相を見せている。しかし、急速な開発の中で、環境や格差などの問題も浮き彫りになっている。【橋本利昭、橋口正】

 □流山

 「皆さんのご支援で10年間成長してきました」。秋葉原駅での記念イベントで、TXを運営する首都圏新都市鉄道の柚木浩一社長はこうあいさつした。

 TXの1日あたりの乗客者は初年度の15万人から順調に増え、昨年度は32万6000人。20駅のうち乗客数が秋葉原、北千住に次ぐ3、4位が流山市にあり、東武アーバンパークライン(野田線)の駅が併設された流山おおたかの森駅と、JR武蔵野線との接続駅の南流山駅だ。

 「子育てを応援する街」を掲げる流山は、今月までの10年で人口が2万1548人増加した。流山おおたかの森駅前で預けた子どもを保育所に送迎する市のサービスなどが人気で「増加分の半数以上が30〜40代の子育て世代」(市担当者)。4月には小学生と中学生の数のピークがずれることを見据え、教室を転用できるよう小中併設校「市立おおたかの森小・中学校」を開校させた。

 だが、大規模な公共事業で市の財政は厳しい。今年度の一般会計当初予算は前年度比9・4%増の550億4100万円と過去最大となる一方、約79億円の市債を発行した。井崎義治市長は「大きなプロジェクトを進める機会は、若い世代が増加している今しかない」と強調する。

 人口急増に伴う開発は自然破壊にもつながる。環境が大きく変化した流山おおたかの森駅に近い、オオタカが生息する「市野谷の森」(通称・おおたかの森)の保全のため、市内の環境3団体が5月、県立公園化の早期完了を求めて1万5365人分の署名を県に提出した。

 □柏

 市北部に柏の葉キャンパス駅と柏たなか駅がある柏市は人口が今月までの10年間で2万9974人増加した。県などが両駅周辺の二つの地区(北部中央、北部東)で計401ヘクタールの土地区画整理事業を進める。市は大規模な住宅供給地として重視し、インフラ整備などで総額950億円の投資をする方針だ。

 かつて広大なゴルフ場だった柏の葉キャンパス駅周辺は、いまやタワーマンションなどが建ち並び、6500人が居住する市内第2の拠点。四半世紀ぶりに市立小学校も開校した。三井不動産が県や市、キャンパスがある東大や千葉大などと連携して約1000億円超をつぎ込み、環境共生や健康長寿を志向する最先端の「スマートシティー」計画を進め、15年後に4倍の2万6000人の街を目指す。

 柏たなか駅周辺は計画見直しで事業規模も501億円から445億円に縮小されたものの進捗(しんちょく)率は87%。戸建て中心の開発で、人口は3000人にとどまるが、駅前はスーパーに続いて年内に病院が新築移転される。

 現在地での建て替えか移転かで揺れる市立柏病院問題でも、市が計画する移転先はキャンパス駅に近い地区。TX沿線の利便性が高まる一方、大きな開発計画のない市南部地域を中心に「南北間格差」や「北部一極集中」を疑問視する声は消えない。

 ◇東京駅まで延伸、沿線自治体悲願

 「東京駅延伸を実現してほしい」。首都圏新都市鉄道に出資する11市区のうち、茨城、千葉など8市区が毎年、国や同社に要望してきた。

 1985年の国の運輸政策審議会で「東京を起点」とされた路線ルートは、15年後の答申で、東京−秋葉原駅間は「今後整備について検討すべき路線」との位置付けに後退。05年、秋葉原−つくば駅間で開業した。東京駅までの延伸は柏市や流山市の「悲願」。今年度末に予定される審議会の答申に注目する。

 ただ、課題も多い。1日当たりの乗客数は昨年度、消費増税の影響もあり、前年度比0・5%増と微増にとどまった。秋葉原−東京駅間の2キロの地下工事は8年前の試算でも1000億円。需要や採算性に加え、関係機関の合意をどう図るかなど難問は山積している。

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 ◇TX開業10年までの歩み◇

1985年7月 運輸政策審議会が東京−守谷町南部(茨城県)を00年までに整備すべき路線として答申

  91年3月 運営会社「首都圏新都市鉄道」設立

2000年1月 運輸政策審議会が東京−秋葉原間を「今後整備について検討すべき路線」と答申

  01年2月 「常磐新線」と呼ばれていた路線名が「つくばエクスプレス」に決定

     6月 全線で着工

  05年8月 開業

  09年4月 黒字の目安となる1日当たりの輸送人員27万人を開業後初めて月間で突破

     6月 08年度決算で初の営業黒字

  11年6月 10年度実績で年間輸送人員1億人突破

  15年6月 14年度実績で1日当たり平均輸送32万6000人に
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20150825ddlk12020035000c.html

ttps://archive.is/fMU86
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posted by BNJ at 23:39 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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