2015年09月27日

平城宮跡:コアジサシなど希少種飛来 国に配慮要望【毎日新聞2015年9月27日】(コアジサシ/コミミズク/クイナ/ヒクイナ/ホオアカ/既報1ソース)

朱雀門の鴟尾(しび)を背景に飛ぶコミミズク=日本野鳥の会奈良支部提供

 国特別史跡で世界遺産の平城宮跡(奈良市)を日本野鳥の会奈良支部が初めて調査したところ、環境省レッドリストで絶滅危惧2類に指定されているコアジサシなど希少種を含む野鳥50種以上の飛来が確認された。平城宮跡は国営歴史公園として整備する工事が進められているが、市街地に残る広大な緑地が野鳥の楽園と分かり、同支部は生態系などへの配慮を国側に求めている。

 平城宮跡では文化庁が2010年、平城遷都1300年祭に合わせて第1次大極殿を建設した。国土交通省も大極殿前に広場を造るなど、約132ヘクタールを公園区域として開発している。今後、第1次大極殿の周囲に回廊や南門を復元整備するほか、既にある朱雀門の南東には展示館を作る計画だ。

 元は田畑が広がっていた平城宮跡には、草に覆われた広大な緑地が残り、多くの野鳥が生息している。公園化事業で環境が変化する恐れがあることから、同支部は昨年7月から今年6月にかけ調査した。会員約20人が毎月1回、午前9時〜正午の3時間、目視や鳴き声で鳥の種類や飛来数を計測する方法で、52種延べ3960羽を確認した。

 カモメ科のコアジサシは、宮跡の南西側で10羽が営巣していることが判明。環境省レッドリストで準絶滅危惧種とされるヒクイナ3羽を東端と西端で見つけた。このほか、県レッドデータブックで絶滅危惧種とされるクイナやコミミズクも1羽ずつ確認した。

 同支部幹事の上山義之さん(74)は「これほど多様な野鳥がいるとは思わなかった。農薬などの影響で周辺の農地で餌が捕りにくくなり、平城宮跡が相対的に生息しやすい環境になっているのだろう」と話す。

 同支部は8月に調査結果を国交省国営飛鳥歴史公園事務所平城分室に提出し、整備に伴う草刈りの時期など野鳥への配慮を要望。同分室は「野鳥の会からの意見も踏まえて適切に除草したい」としている。【伊澤拓也】
http://mainichi.jp/select/news/20150927k0000m040135000c.html

奈良)鳴くよ希少種、平城宮 野鳥の会が52種確認【朝日新聞デジタル2015年9月23日】
コアジサシのヒナ(右)と親鳥
 平城宮跡(奈良市)は、絶滅が心配される鳥のよりどころでもある。大極殿の前を舞うコミミズク、寄り添うコアジサシの親子……。めいめいが越冬や子育てに励む様子が、日本野鳥の会奈良支部の調べで分かった。

 草原、湿地、梅林などが広がる平城宮跡。多種多様な暮らしをする鳥たちのすみかとして知られる。国営公園の整備が進む中、斑鳩町の上山義之さん(74)は「行きすぎた手入れで鳥たちが行き場を失ってしまわないか」と気がかりだった。行政側に配慮を求めるためにはデータが必要と考え、初めての本格的な調査にとりかかった。

 約54ヘクタールを19のエリアに区分。昨年7月から今年6月まで毎月1回、鳥の種類と数、見た場所、聞こえたさえずりの数をエリアごとに記録した。野鳥の会の仲間と2人で始めた調査だったが、共感したメンバーが加わり、計20人が携わった。

 この結果、1年間で計52種類を確認。県や近畿地区版のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているクイナ、ヒクイナ、コアジサシ、コミミズクも含まれていた。「こんなに見つかるとは思わなかった。餌となる植物や虫も含め、改めて環境の豊かさを感じた」

 クイナは2月、ヒクイナは4、5月と10月にアシの茂った湿地帯で確認。コミミズクは1月、県の絶滅危惧種(近畿版では準絶滅危惧種)のホオアカは2〜4月に草地で越冬しているのが観察できた。コアジサシは初夏、5つがいほどが、化学工場跡の砂利地でヒナを産み育てているらしいことが分かった。ツグミやヒバリのように、草を刈った後の開けた環境を好む鳥もいた。データから、エリアごと、鳥の種類ごとの生態が浮かび上がる。

 さえずりが聞こえた期間は、繁殖期と考えグラフ化した。営巣のためにアシやカヤを残しておいた方がいい時期や場所、逆に地上で餌を採る鳥のために草刈りをした方がいい範囲などを整理。宮跡を管理する国や県の担当部署に伝えた。「平城宮跡は、奈良時代、万葉集の歌に詠まれた鳥や草花が今も見られる、という意味でも貴重な場所。これからも知恵を出しあい、生物多様性を守りたい」(栗田優美)
http://www.asahi.com/articles/ASH9B73HQH9BPOMB013.html

https://archive.is/EXr2a
https://archive.is/w7V0v

posted by BNJ at 11:40 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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