2015年10月03日

(ののちゃんのDO科学)鳥はかまずに食べて大丈夫?【朝日新聞デジタル2015年10月3日】

鳥(とり)の消化器(しょうかき)(ニワトリ)
 鳥(とり)はかまずに食(た)べて大丈夫(だいじょうぶ)?

 岡山県・美納幸子(みのうさちこ)さん(51)からの質問

 ■歯(は)はないけど特別(とくべつ)な胃(い)があるの

 ののちゃん ムムム、苦(くる)しい、み、水!

 藤原先生 いくら食欲(しょくよく)の秋でも、もう少しよくかんで食べなきゃ。「鵜(う)のみ」しちゃダメよ。

 のの え、鵜のみ?

 先生 丸のみのことを、そうも言うの。鵜のような水鳥(みずとり)は魚でもツルリとひとのみでしょ。

 のの よくあんなことできるね。

 先生 あなたがさっき水で流(なが)し込(こ)んだように、ぬれたものは丸のみしやすいね。鳥には歯(は)がないから餌(えさ)をかまないし、そのままのみ込めるように食道(しょくどう)も広がって、だからこそ鵜飼(か)いの漁(りょう)も成(な)り立つわけね。

 のの でも、歯がないんだから鳥って食べ物の消化(しょうか)はよくないよね。

 先生 ところが、体重を1キロ増(ふ)やすのに必要(ひつよう)な餌は、肉牛(にくぎゅう)なら10キロ、ブタでも3キロ、それが肉用若鶏(わかどり)のブロイラーなら2キロよ。

 のの 食べた半分が身(み)になるなんて、すごい消化吸収力(きゅうしゅうりょく)だねえ。

 先生 歯はなくても、鳥は独特(どくとく)の消化器系(しょうかきけい)が進化(しんか)してるの。特に私(わたし)の好物(こうぶつ)のお酒(さけ)のつまみ「砂肝(すなぎも)」。コリコリした歯ごたえは分厚(ぶあつ)い筋肉(きんにく)のせいで、だから「筋胃(きんい)」とも呼(よ)ぶよ。

 のの え、肝(きも)って言うから肝臓(かんぞう)かと思ったら、胃なの?

 先生 胃の後半部が変化したものよ。強力な筋肉のもみ込むような動きで食べ物をつぶすの。胃の内面(ないめん)はふつう柔(やわ)らかい粘膜(ねんまく)だけど、筋胃ではその上に硬(かた)いたんぱく質の層(そう)があって食べ物をゴシゴシつぶすのよ。

 のの じゃ、砂肝の「砂」は何?

 先生 穀物(こくもつ)など硬い種(たね)を多く食べる鳥では、小石や砂をのみ込んで筋胃にため、食べ物をすりつぶすのに役立(やくだ)てるの。だから筋胃を「砂嚢(さのう)」とも言うよ。嚢は袋(ふくろ)のこと。

 のの 小石や砂が歯の役目をするんだ。胃の前半分は何をしてるの?

 先生 食べたものに胃液(いえき)をまぜる「腺胃(せんい)」よ。胃液には胃酸(いさん)や消化酵素(こうそ)が含(ふく)まれ、ニワトリで調(しら)べると、それらの量(りょう)がとても多いの。

 のの 鳥は歯がない分、そういう働(はたら)きも強そうだね。でも、そもそも鳥の祖先(そせん)の恐竜(きょうりゅう)にはりっぱな歯があったんだから、その歯を持ち続けていればそれで良(よ)かったんじゃない?

 先生 鳥の歯が退化(たいか)したのは、頭部(とうぶ)を少しでも軽(かる)くするため、という見方(みかた)が強いよ。鳥は飛(と)ぶときに体をすっと伸(の)ばして空気抵抗(ていこう)が小さい姿勢(しせい)をとるね。すると頭は体の重心(じゅうしん)から遠(とお)くて、そこが重いとバランスの上でも、動くにもやりにくいの。

 のの なるほど。

 先生 ヤジロベエと同じで、頭部を軽くすれば尾(お)も軽くてすむから、鳥は尾も祖先の恐竜とは大違(おおちが)いでしょ。飛ぶために、こうしたスリム化を体中(からだじゅう)で積(つ)み重(かさ)ねたのよ。

 のの わたし、飛ぶ気はないんでスリム化よりやっぱり食欲の秋!

 (取材協力=平松浩二・信州大教授、古瀬充宏・九州大教授、真鍋真・国立科学博物館グループ長、構成=武居克明)

     ◇

 NIE教育に新聞を

 www.asahi.com/edu/nie
http://www.asahi.com/articles/DA3S11993261.html

ttps://archive.is/SU6H8

posted by BNJ at 11:38 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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