2015年10月17日

関空:バードストライク半減 決め手は鷹匠とタカ【毎日新聞2015年10月17日】(コアジサシ)

バードストライク対策で、タカを放つ鷹匠=新関西空港会社提供

 関西国際空港が鷹匠(たかじょう)の協力を得て野鳥が飛行機に衝突する「バードストライク」の新たな対策に乗り出したところ、今年4〜8月の発生件数が13件と昨年同期比で半減した。海上を埋め立てた関西空港は渡り鳥のコアジサシの営巣の適地で、一時は数千羽が確認されたが、絶滅危惧種として保護の対象になっているため捕獲ができないでいた。今回、鷹匠がタカやハヤブサを飛ばし、営巣させない作戦が功を奏した。

 コアジサシは、餌の小魚がとれる海辺の空き地を好む。広大な未利用地がある関空島はコアジサシの格好のすみかで、1994年の開港当時から生息が確認された。越冬でいったん離れても、再び生まれた場所に戻る習性もあり、徐々に増えたという。

 国土交通省によると、全国のバードストライクの発生件数は2010年は1745件だったが、14年は1967件で増加傾向だ。

 関西空港では13年度が31件(4〜8月は27件)、14年度は43件(同31件)。コアジサシとの衝突は半数を占めていた。エンジン故障など重大事故につながる可能性があり、天敵のカラスの模型を置くなど対策を試みてきた。ただ、卵やひなを見つけても撤去できないなど抜本的な解決法がなかった。

 そこで、新関空会社が頼みにしたのが大阪府猟友会の鷹匠だ。今年4〜5月、未利用地の多い2期島を中心に、1日6〜10羽のタカやハヤブサを飛ばした。猟犬も毎日20頭前後を出動させ、滑走路脇の空き地などを歩かせた。営巣しようとするコアジサシの成鳥に「ここは危険」と認識させるのが狙いだ。

 その結果、昨年、関空では多い時期で1日約3000羽のコアジサシを確認したが、今年は数十羽程度に減った。4〜8月のバードストライクは13件で、コアジサシが原因となったのは、わずか2件に。新関空会社運用部管理グループの直木正佳さんは「効果はてきめんで、来年以降も続けたい。コアジサシには可哀そうだが、空の安全のため空港以外で営巣してもらえれば」と話す。

 野鳥に詳しい、きしわだ自然資料館(大阪府岸和田市)の風間美穂・学芸員は「バードストライク対策は必要だが、コアジサシがそれとは別に安心して繁殖できる環境作りも考えていかなければならない」と語る。【山田毅】

 ◇コアジサシ

 カモメ科の海鳥で、体長約25センチ。オーストラリアなど南半球で越冬し、4月ごろ日本に移動する。5月ごろから海岸の砂浜や川の中州で営巣して繁殖し、8月ごろに再び南に向けて飛び立つ。砂浜や中州の減少で繁殖環境が減り、環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されている。鳥獣保護法で希少鳥獣にも指定され、環境相の許可なく捕獲したり、卵やひなを採取できない。
http://mainichi.jp/select/news/20151017k0000e040281000c.html

ttps://archive.is/7JjLw

posted by BNJ at 23:43 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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