2015年10月17日

支局長からの手紙:独り歩きした詩 /兵庫【毎日新聞2015年10月17日】(ヒヨドリ)

詩人のたかとう匡子(まさこ)さん(76)=神戸市須磨区=が今月、「第39回井植文化賞」を受賞しました。「詩をずっと手放さず、書くことに集中してきただけ。作品が独り歩きして、多くの方に関心を持ってもらえた」。自宅を訪ね、受賞の感想を伺うと、こう話しました。

 たかとうさんには、「ヨシコが燃えた」「神戸・一月十七日未明」「学校」など、数々の詩集や評論集があります。

 6歳だった1945年、神戸空襲で自宅を焼かれ、疎開していた姫路市でも再び空襲に遭い、避難中に3歳の妹を亡くしました。この戦災体験をつづった詩集が「ヨシコが燃えた」です。出版がきっかけとなり、戦災犠牲者の慰霊式典で体験を語りました。そのことを知った高校生が取材に訪れ、放送劇を創作し、放送劇は全国コンテストで優勝します。

 また、この詩集はいったん絶版になりますが、別の出版社が再版し、また絵本にもなります。作品への共感が広がることを、たかとうさんは冒頭のように「作品が独り歩きした」と表現し、喜んでいます。

 詩作を本格的に始めたのは18歳です。大学卒業後、43年間、高校で国語の教員を務めました。結婚し、育児もしました。その間も、1日に1時間でも詩作や詩の勉強をする時間を持ってきたと言います。

 詩人には日常生活を細部まで見つめる目を持つことが大切だ、と言います。そうすると、生活の中に発見がある。「詩の最初の1行が、ふっとおりてくる」と話してくれました。

 最近、たかとうさんの自宅に、ヒヨドリが飛び込んできたことがあります。肩に止まったりもし、その仕草がとても愛らしかったと言います。近いうちに、この鳥を題材にした作品ができたらいいな。お話を伺っていて、そんな気持ちになりました。

   ×   ×   ×

 井植文化賞は、淡路島出身で、三洋電機を創業した故井植歳男氏(1902〜69年)の遺財を基に設立された公益財団法人・井植記念会(神戸市垂水区)が73年に創設しました。文化芸術や科学技術、社会福祉などの分野で、めざましい活躍をし、大きな貢献をした県ゆかりの個人や団体が対象です。

 たかとうさんは文化芸術部門の受賞です。ほかに、甲南大先端生命工学研究所長・教授の杉本直己さん(神戸市東灘区)=科学技術部門▽NPO法人「阪神淡路大震災よろず相談室」理事長の牧秀一さん(同)=社会福祉部門▽NPO法人「こどもとむしの会」(佐用町)=地域活動部門▽作家の西村恭子さん(加古川市)=報道出版部門▽NPO法人「神戸定住外国人支援センター」(神戸市長田区)=国際交流部門−−がそれぞれ、受賞しています。【神戸支局長・土居和弘】

〔神戸版〕
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20151017ddlk28070475000c.html

ttps://archive.is/E6t7I

posted by BNJ at 23:53 | Comment(0) | 鳥類コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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