2015年10月18日

(書評)『秘島図鑑』 清水浩史〈著〉【朝日新聞デジタル2015年10月18日】(アホウドリ)

 ■冒険か現実逃避か、絶海の誘惑

 もはや秘境は何処(どこ)にもないといわれるが、島国日本にはまだ行くのが困難極まる島々が少なからずある。植民開拓の機運高まる明治時代にはアホウドリの羽毛や肥料になる糞(ふん)の堆積(たいせき)物などを求めて、絶海の孤島を目指した冒険的事業者もいた。島国に暮らす者なログイン前の続きら誰でも無意識のうちにロビンソン・クルーソー幻想を抱えているに違いない。

 本書で紹介されている無人島に行くには相当の無理をしなければならない。そこは人が暮らすことができないからこそ無人島なのであり、実際に行ったところで生存の危機に晒(さら)されるだけなのだが、それゆえに誘惑される。それは単なる現実逃避を超えたタナトスの発露かもしれない。また、実際に行ったことのある人を羨(うらや)む心理は、無人島を無人のままにしておいて欲しいという願いとセットになっている。秘島は本来、自然状態のまま保護されるのが理想だが、領有権が絡んだとたんに紛争地に変わってしまう。

 島田雅彦(作家・法政大学教授)

    *

 河出書房新社・1728円
http://www.asahi.com/articles/DA3S12021590.html

ttps://archive.is/fPrsJ

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posted by BNJ at 11:59 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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