◇翼つばさの形かたちや大おおきさがちがうから
Q どうしてペンギンは鳥とりなのに飛とべないのですか?(三重県鈴鹿市みえけんすずかし・小しょう3・T・Sさん)
A ペンギンは水みずの中なかをスイスイと泳およぐので、魚さかなの仲間なかまだと思おもう人ひともいるかもしれませんが鳥とりの仲間なかまです。鳥類ちょうるいペンギン目もくに属ぞくしています。
ペンギンが飛とべない理由りゆうはいくつかあります。一ひとつは、体からだに対たいして翼つばさが小ちいさいからです。空そらを飛とぶ鳥とりは、浮うかび上あがる力ちからを生うみ出だすために大おおきな翼つばさがあります。ペンギンの翼つばさは、水みずの中なかで抵抗ていこうをうけにくくするため小ちいさいです。
もう一ひとつは、翼つばさが空そらを飛とぶための形かたちをしていないからです。ペンギンの翼つばさは1枚まいの板いたのような形かたちをしていて、フリッパーと呼よばれます。関東かんとうで最多さいたとなるマゼランペンギン48羽わを飼育しいくしている「すみだ水族館すいぞくかん」(東京都とうきょうと墨田区すみだく)の飼育しいくスタッフ、芦刈治将あしかりはるまささんは「はばたくというより、水みずをかく動うごきをします」と話はなします。
骨ほねもちがいます。空そらを飛とぶ鳥とりの骨ほねは、体からだを軽かるくするために中なかが空洞くうどうになっています。ペンギンの骨ほねは、水圧すいあつに耐たえられるように密度みつどが高たかく重おもくなっています。
どうしてペンギンは空そらよりも水みずの中なかで活動かつどうすることを選えらんだのでしょうか。大昔おおむかしは海うみにもぐったり、空そらを飛とんだりしてエサをとっていたと思おもわれます。水みずの中なかの方ほうがエサが豊富ほうふで、天敵てんてきが少すくないため、いつしか泳およぎやすい翼つばさになったと言いわれています。
「ペンギンの骨ほねには空そらを飛とんでいた名残なごりがあります」と芦刈あしかりさんは話はなします。胸むねの真まん中なかに、はばたくために発達はったつした筋肉きんにくを支ささえる竜骨突起りゅうこつとっきがあります。おしりには、長ながい尾羽おばねがついていた名残なごりとされる尾端骨びたんこつがあります。
ペンギンは鳥とりと同おなじ祖先そせんから分わかれて進化しんかし、白亜紀はくあき(約やく1億おく4500万年前まんねんまえ〜6600万年前まんねんまえ)ごろには、今いまのペンギンのような形かたちになっていたと考かんがえられています。飛とべなくなったのではなく、飛とばないことを選えらんだといえます。【篠口純子しのぐちじゅんこ】
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