2015年12月13日

青森)強風・寒さ耐えハンター体感 県がツアー初実施【朝日新聞デジタル2015年12月13日】(キジ猟/カモ猟)

【動画】青森県が主催した「狩猟体感バスツアー」=鵜沼照都撮影
キジ猟のために集まったハンターたち=つがる市木造出来島

 雪混じりの強い風の中、フォーメーションを組んだ男たちが、ジリッジリッと獲物に近づく。「狙ってる時は、寒さなんて感じないよ」。そうだろうか。相当着込んでいるにもかかわらずかなり寒いのだが……。県が今年初めて実施した「狩猟体感バスツアー」に同行した。

 雪をかぶった農地と枯れ草の原野とが交錯するつがる市木造出来島地区。その一角にある背丈ほどのやぶの中に獲物がいるという。キジ猟の始まりだ。

 5人のハンターがやぶの周囲に散らばる。風向きを考え、射撃の方向を見越しての行動だ。全員が配置につくと猟犬を放ち、キジを追い立てそこを撃つ。

 ツアー参加者たちは安全のため、100メートル以上も離れた農道からその様子を見つめる。

 強風と寒さに耐えること十数分……。

 ログイン前の続き「出ないようです」

 案内役の県猟友会弘前支部の工藤昭さんがおもむろに言う。どうやら失敗したらしい。「まあ、こんなもんです。そうそう、うまくはいきません」

 それでも参加者からは「結構、興奮した」「アドレナリン出まくったわ」などと感想が聞かれた。

 次はカモ猟だ。場所は同じつがる市内の沼地だ。水辺に獲物6羽を確認したものの、直前で逃げられてしまいこちらも失敗。「実地」で銃声を聞くことはなかった。

 ツアー「津軽エリアコース」は6日にあった。午前9時半に弘前市内を出発し、つがる市内で実際の狩猟を見学。午後には弘前市内に戻り銃砲店を訪問。その後、現役ハンターとの座談会やジビエ(野生鳥獣)料理の試食と一日がかりだったが、主催した県自然保護課によると、30人の定員に対し、倍以上となる64人から応募があったという。

 ツアーの狙いはハンター(狩猟者)の増員だ。狩猟免許の交付状況から見る県内のハンター数は、1981年度には7283人だったが、2014年度は1509人と2割程度まで減っている。年齢別で見ると、60歳以上が7割を占め、20〜30歳代はわずか5%程度。いまやハンター自体が「絶滅危惧種」という現実がある。

 ハンター増が必須とされる背景には、県内で近年、目撃情報が急増しているニホンジカの問題がある。シカは一度定住すると爆発的に個体数が増え、農作物だけでなく希少植物なども食い尽くす傾向にある。県内への定住を許せば、世界自然遺産・白神山地などが食い尽くされる可能性は極めて高い。

 最も現実的対処法はハンターによる「駆除」だが、シカを撃てるライフル銃が所持出来るようになるまでには10年の経験が必要だ。今回の企画はいかにも「泥縄」ではあるが、ハンター育成は、自然保護の観点からも急務なのだ。

 座談会で現役ハンターたちは、「命をいただく行為で、おのずと生命への関心が高まる」「獲物の特性を知るためにも、周囲の自然や環境に関心を持つようになる」「釣りと同じで、捕った者にしか味わえない特別な味がある」などと狩猟の魅力をアピールした。

 これに対し、野辺地町から来た女性会社員(25)は「興味があったわけではないが、面白そうなので参加してみた。どんな仕事なのかはわかったが、いざ飛び出すかというと、すぐには飛び出せないかな」。

 実際に狩猟者として銃を手にするまでには、自治体からの補助はあるものの10万円近い費用と、各種講習や教習に参加するための多くの時間が必要だ。座談会では「1年ぐらいかかった」という話も紹介された。銃の入手には別に万単位の出費も加わる。

 「関心はあるが、ハードルは高い」。今回のツアーはそんな側面もあぶり出す結果となったようだ。(鵜沼照都)
http://www.asahi.com/articles/ASHDC5DW5HDCUBNB00N.html

ttps://archive.is/971d5

posted by BNJ at 13:36 | Comment(0) | 鳥獣狩猟ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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