2015年12月13日

東京)野ネコ、島外で飼い主を オオミズナギドリ激減で【朝日新聞デジタル2015年12月13日】

御蔵島の野ネコ。右耳の先が小さく切れているのは不妊手術をした目印。集落を離れた森の近くでみかけた=10月、中山由美撮影

 オオミズナギドリの世界最大の営巣地・御蔵島で野ネコが増え、鳥が激減している。年2万羽ペースの減少で、ネコの不妊手術くらいでは歯止めがかからない。御蔵島村では野ネコを捕獲し、都獣医師会が島外で飼い主探しを始めることになった。

 都心から南へ約200キロの御蔵島。面積20平方キロ、最高標高は851メートルあり、原生林が広がる。オオミズナギドリは3月ごろに飛来し、森の地面に巣穴を掘って子育てする。夜明け前に一斉に海へ向かい、夕暮れに戻る光景は壮観だ。11月初旬から島を離れて赤道海域へ向かう。

 1978年の都の調査では推定350万〜175万羽だったが、2007年に88万羽、12年には77万羽まで減ってしまった。

 原因は野ネコだ。人口約300人の島に500匹以上。人が入れない奥深い森が広がり、もっと多い可能性が高い。飼いネコが野生化して増えてしまった。希少種のミクラミヤマクワガタも捕食されている。

 オオミズナギドリの調査で長年、御蔵島に通う山階鳥類研究所の岡奈理子上席研究員は「90年代初めまでは、ヒナがいる巣穴はすぐ見つかったのに今は空の巣穴が非常に多い。オオミズナギドリの生態研究も難しくなった」という。

 目にするのはネコに襲われた親鳥や幼鳥の姿だ。巣穴から引っ張り出されたヒナの死骸もある。ネコのふんから羽毛もみつかる。

 「ネコ対策をしなくては」。05年10月、ネコを捕まえて村役場に持ち込んだ。これを機に村は捕獲を始め、10年間で約400匹に不妊手術をした。ただ術後は森へ戻すので、鳥の被害は減らせない。

 ネコを島外へ出そうと山階鳥研は飼い主探しを試み、今年2月から13匹を出した。10月には、都獣医師会の協力が決まった。動物病院でひきとって健康な状態にし、人にも慣れさせて飼い主へ紹介する予定だ。

 小松泰史副会長は「殺さないことと、自然環境を守ることを両立させたい」と話す。同会は小笠原の野ネコの飼い主探しを約10年続けてきた実績がある。

 御蔵島は港が小さく、船の欠航も多い。捕獲したネコを一時的に飼育する小屋も11月に作った。まずは月1匹のペースで始めて、増やしていく計画だ。

 岡さんは「野ネコが増える速度に持ち出しが追いつかなくては。オオミズナギドリの世界最大の繁殖地を守れるか総合力が試されている」と話す。

 問い合わせは都獣医師会(03・3475・1701)へ。(中山由美)

     ◇

 〈オオミズナギドリ〉 北西太平洋の亜熱帯から温帯の島(多くは日本)で繁殖する海鳥。海面近くでイワシやイカを捕食する。カツオの群れをみつける目印になったことから、伊豆諸島の漁師には「カツオドリ」とも呼ばれる。

 貴重なたんぱく源として御蔵島には数百年にわたり食用とする文化もあった。近隣の島々はネズミ対策でイタチを入れたため、オオミズナギドリがいなくなってしまったが、御蔵島は入れずに守ってきた。

 3月ごろに島に飛来し、地面に入り口直径15〜20センチ、奥行き1メートル余りの横穴を掘って巣を作る。年に1個卵を産み、夏にヒナがかえる。親鳥は先に島を離れ、幼鳥は1週間から10日後に巣立って後を追う。
http://www.asahi.com/articles/ASHCZ4JB6HCZUTIL01H.html

ttps://archive.is/UCzRj

posted by BNJ at 13:37 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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