2015年12月18日

名古屋コーチンに続け 「あいち鴨」ブランド化へ奮闘【朝日新聞デジタル2015年12月18日】

東名高速・上り線の赤塚パーキングエリアで人気の、あいち鴨を使った南蛮そば=愛知県豊川市

 愛知県豊橋市の精肉店が、廃業寸前だった1軒のアイガモ農場を引き継ぎ、新たなブランド「あいち鴨(がも)」として全国へ羽ばたかせようとしている。高級食材として京都や名古屋のレストランなどでじわじわと浸透し、11月には東京に専門店も登場した。先輩格の地鶏「名古屋コーチン」に続くブランドになれるか。

 田園地帯が広がる豊橋市天伯町の高台。木造スレートぶきとビニールハウスの農場約2千平方メートルに、約800羽の真っ白なアイガモが平飼いされている。有名な「京鴨」と同じチェリーバレー種だ。

 農場を経営するのは、鳥市精肉店=豊橋市東小田原町=の後継者で、従業員の市川勝丸さん(34)。大学卒業後、名古屋で通販会社の営業マンとして働いていたが5年前、3代目として家業を継ぐために戻った。

 ログイン前の続き2013年3月、仕入れをしていた市内の農場が廃業することになった。非常に珍しいカモ肉の生産業者で、東京・築地市場に出荷していた。市川さんは「こんなに素晴らしい商品が世の中から消えるのはもったいない」と考え、農場を受け継ぐことに決めた。

 農場の経営者だった鵜殿常夫さん(79)、よしゑさん(78)夫婦から指導を受けながら生産に乗り出した。

 カモ肉には名前がなかったため、「あいち鴨」と命名した。生後1日のヒヨコを購入し、農場で約60日間、飼育。農場の広さは、日本農林規格(JAS)で定める地鶏の約10倍。独自配合の餌を使い、農場内は風通しを良くした。

 出荷でも毛抜きなど、ほとんどを手作業にこだわっている。理由は、皮膜を傷つけず、肉のうまみを逃さないためだ。そのため、もう一つの農場と合わせて出荷できるのは1日で70羽が限界だ。処理後、12時間で熟成が完了し、すぐに劣化が始まる。そこで12時間以内にマイナス30度に急速冷凍し、熟成が完了する前の状態で飲食店へ届ける工夫もしている。

 当初、あいち鴨を地元の店へ売り込んだが、知名度不足に加え、高級食材という点から見向きもされず、大量の在庫を抱え、撤退も考えた。

 そこで昨年から方針を変え、京都や名古屋、東京へダイレクトメールを送ったり、営業をかけたりしたところ、老舗料亭やレストランが食材として使ってくれるようになった。市川さんは言う。「丁寧に愛情を込めて育てていれば、いい肉になる。ここしかないという商品としてさらに付加価値を高めていきたい」

■31日に振る舞いそば

 あいち鴨を地元でも味わってもらおうと、大みそかの31日、カモ肉を入れた年越しそば1千食を振る舞うイベント「あいち鴨まつり Happy 肉 year」が豊橋市の豊橋駅南口の駅前広場で開かれる。

 2部構成で午前11時〜午後1時は、児童養護施設の子どもたちのほか、市内の幼稚園児や保育園児らを招待し、無料で振る舞う。午後9時からは、器と箸を持参した人に無料で提供する。手ぶらの人には器代として100円で販売し、売上金は全額、児童養護施設に寄付する。

 鳥市精肉店とクックパッド、飲食店などの関係者らで立ち上げた「あいち鴨をおいしく食べる会」の企画。会の立案者で鳥市精肉店で営業を担当する柴田博隆さん(33)は「1年の最後においしいカモ肉を食べて新しい年を迎えてほしい。来年はもっとあいち鴨の知名度を高めていきたい」と話している。(松永佳伸)

■東京に専門店

 もも肉のコンフィに生ハム、胸肉の炭火焼き、レバーペースト……。11月、東京都台東区東上野1丁目にオープンしたレストラン「鴨一(かもいち)ワイン酒場SUN」。肉料理のメニューには、あいち鴨だけを使った約20種類が並ぶ。

 オーナーシェフの樋口陽一さん(35)がカモ肉の仕入れ先を探していた時、あいち鴨の存在を知った。サンプルを取り寄せ、その味にほれ込んだ。「肉厚でうまみが濃い。アイガモ独特の癖も少なくあっさりとした味わいで、カモ肉が苦手な人にも楽しんでもらっています」と評価する。

 インターネットの料理レシピサイト「クックパッド」が11月から、産地直送便の肉コーナーで、あいち鴨を取り上げたこともあって、全国から注文が入るようにもなった。

 地元では、東名高速・上り線の赤塚パーキングエリア(豊川市)で10月から、あいち鴨を使った南蛮そば(800円)と南蛮丼(880円)を、「新名物」として販売を始めた。1日平均30杯ほどが売れる人気メニューになっている。
http://www.asahi.com/articles/ASHD95T76HD9OBJB00Q.html

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posted by BNJ at 11:49 | Comment(0) | 養鶏畜産ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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