2015年12月19日

狩猟者増へ本腰 県体験ツアー【YOMIURI ONLINE2015年12月19日】(カモ猟/キジ猟他)

ツアーに協力したハンター(6日、つがる市木造で)
◆ジビエ試食や模擬射撃

 県内でニホンジカの目撃情報が増え、農作物などの被害が心配されている。狩猟が急増を食い止める有効な手だてとなるが、県内の狩猟者はピーク時の約5分の1まで減少。危機感を抱く県は今年度、狩猟者を増やすための取り組みに本腰を入れ始めた。県が初めて実施した「狩猟体感バスツアー」に同行してみた。(小池和樹)

■緊迫の場面

 バサバサバサッ――。6日昼、雪が吹きすさぶ、つがる市木造の原野に、カモの飛び立つ羽音が響き渡った。猟銃を手に、草むらににじり寄っていた数人の猟友会員が空を見上げて落胆する様子が、100メートルほど離れた場所から見守っているツアー参加者にも伝わってきた。

 この日、獲物を仕留める場面を見ることはなかったが、参加者は「見ているだけで緊張感が伝わってきた」と興奮気味に話していた。

■増えるシカ

 今回の狩猟のターゲットはカモやキジなどの鳥類だ。だが、県が対策を本格化させた背景には、ニホンジカの「脅威」がある。県によると、県内で絶滅したとされていたニホンジカが今年度(8日現在)、81回目撃された。ニホンジカは食欲が旺盛で繁殖力も強い。爆発的に増えると農作物に被害が出るだけでなく、貴重な自然環境も脅かされる。ブナの原生林など貴重な自然が残る白神山地の世界自然遺産地域では10月に初めてその姿が確認された。他県では、食害で地域の生態系が変わるほどの被害が出ているという。

 今回のツアーの位置づけは「ニホンジカ初動対策事業」。被害が深刻になる前に、狩猟に理解を深めてもらい、最前線で活躍する人材を増やす試みだ。11月には八戸市で狩猟の魅力を猟友会員が語ったり、タレントがPRしたりするイベントも開かれた。

■減るハンター

 狩猟者の減少は深刻だ。県内の狩猟免許所持者は昨年度、延べ1509人で、10年前の2537人から約1000人減った。ピーク時の1981年の7283人の約5分の1だ。高齢化も顕著で、全体の7割超が60歳以上という。県自然保護課は「狩猟者減少に歯止めがかからない。長く狩猟ができる若い世代に興味をもってもらいたい。被害が本格化してからでは遅い」とする。

■「フォローも大切」

 ツアーには女性8人を含む29人が参加。年齢層も20〜70歳代と幅広い。狩猟の様子を見た後、弘前市の銃砲店を訪問。猟師と意見交換したり、シミュレーターを使った射撃体験をしたり、カモ鍋やシカ肉のサラミなど「ジビエ料理」を試食したりと、内容は盛りだくさん。弘前大2年の女子学生(20)は「初めて猟の現場を見られて感動した。私も挑戦してみたい」と話していた。

 ツアーに同行した私は5年ほど前、ニホンジカの被害に悩まされる長野県で狩猟免許を取得したことがある。免許を取るまでに多くの時間とお金がかかる上、実際に狩猟の現場に立つと、「被害防止」と「命」のはざまで心が揺れた。狩猟者を増加させるには、狩猟の重要性を啓発しつつ、そうした面でのフォローも不可欠と感じた。

 中弘猟友会の工藤昭副会長は「人間と自然の共生のために狩猟は重要だが、たいへんな面もある。1回のツアーでは伝えきれない」とも話す。県は今後もツアーを開く予定という。
http://www.yomiuri.co.jp/local/aomori/news/20151218-OYTNT50352.html

ttps://archive.is/hR1jJ

タグ:ジビエ
posted by BNJ at 11:51 | Comment(0) | 鳥獣狩猟ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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