2015年12月23日

<回顧みやぎ>水族館跡地活用 観光復興の要【河北新報オンラインニュース2015年12月23日】

営業最終日の5月10日、多くの家族連れが来場したマリンピア松島水族館

◎(5)「松島」閉館、「うみの杜」開館

<そのとき>
 「ああ、今日で終わりなのか」と、寂しさがこみ上げた。そこに駆け付けた多くの人が、同じ思いを抱えたに違いない。5月10日、宮城県松島町のマリンピア松島水族館が閉館した。
 マンボウの長期飼育、イロワケイルカの南米捕獲作戦、日本最大のコレクションを誇ったペンギンランド…。冒険と挑戦の歴史に彩られた88年だった。
 広場で食事をしていた多賀城市の女性に話を聞くと「閉館を知ってから3回目(の来場)です」。自分も、家族と一緒に何度も通った。ゴトゴトと音を鳴らす遊具、管内を流れる音楽を含めて「昭和の雰囲気」があふれていた。
 7月1日、仙台市宮城野区に「仙台うみの杜水族館」が開業した。飼育担当職員や生き物は松島水族館から移った。客足は伸び、11月16日、予想より4カ月以上早く、来場者100万人を達成した。

<それから>
 松島水族館の建物は取り壊され、現在、更地になっている。営業最終日の来場者の歓声は虚空に消え、水族館のない松島は喪失感が漂う。
 町は12月、敷地を所有する宮城県に跡地活用の要望書を提出した。新施設の望ましい機能に(1)子どもから大人まで松島の歴史や海を学べる体験型ミュージアム(2)県内、東北の観光地情報を発信できる施設−を挙げた。県は跡地活用策や整備主体を公募する考えを示した。早期に県としての方向性を決めるという。
 桜井公一町長は「水族館閉館後は子どもたちの姿が見えなくなった」と話す。特別名勝・松島を訪れる観光客は震災前の8割程度にとどまる。水族館跡地の活用は、観光復興につながる重要な要素になる。
 うみの杜水族館に行ってみた。三陸の海を表現した水槽の前は人垣ができ、東北最大級のイルカ、アシカのパフォーマンスに拍手が湧いていた。
 通路を埋めた来場者を縫うようにして先を急ぐ。あっ、見つけた。イロワケイルカの水槽だ。「海のパンダ」と呼ばれ、松島水族館の人気者だった。「元気だった?」と、思わず声を掛けたくなった。(塩釜支局・山野公寛)

[メモ]松島水族館は1927年の開館で、国内の水族館で2番目に古い歴史があった。84年、マンボウ「ユーユー」の飼育日数が世界記録を更新。85年は年間入場者が83万人とピークに達した。閉館まで累計で2100万人以上が足を運んだ。仙台うみの杜水族館は東北最大級の展示規模を誇る。水槽約100基に約300種、約5万匹の生き物を展示する。メーン施設は幅13メートル、高さ6.5メートルの巨大水槽。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201512/20151223_13028.html

ttps://archive.is/7tpJ2

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