2016年01月15日

【関西の議論】「鳥インフル」転じて福となした 讃岐うどん「丸亀製麺」ひた走る拡大路線…好調のヒミツ【産経WEST2016年1月15日】

「丸亀製麺」の店内では、従業員たちが厨房で調理する光景をカウンター越しに見ることができる。この「フルオープンキッチン」と呼ばれる手法は客に清潔感や安心感をアピールできる=神戸市中央区
 3店舗の経営を目標に掲げていた小さな焼き鳥店から、国内外あわせて千店舗を擁するグローバル企業へ−。讃岐うどん店チェーン「丸亀製麺」などを手掛けるトリドール(神戸市中央区)が躍進を続けている。平成12年に兵庫県加古川市に初出店した「丸亀製麺」は、わずか15年で店舗数が国内780、海外132の計912(27年12月現在)になった。16年の鳥インフルエンザ騒動を機に、主要事業を焼き鳥から讃岐うどんにシフトさせたことが功を奏した。今ではうどんだけではなく焼きそばやラーメンといった専門店を手掛け、こちらも海外に進出。国内外の関連店舗数は1076(同)に達している。世界の胃袋をつかもうと拡大路線を歩むトリドール。その好調の要因を探った。(荒木利宏)

調理は客の目の前で

 神戸市中央区の「丸亀製麺」三宮磯上通店。店内の様子が見えるガラス張りの外観、漂ってくるだしの香り…。昼休みになると、近くのサラリーマンらが列をつくる。

 店内に入れば、中央にある厨房(ちゅうぼう)で従業員たちがうどんをゆでたり、天ぷらを揚げたりといった調理光景が目に飛び込んでくる。従業員と対面になるカウンターに沿って移動しながら、注文したゆでたてのうどんを受け取り、好みの天ぷらやおにぎりを選んで精算する。後は好きなテーブルに座って食べるだけだ。

 この一連の流れに丸亀製麺の人気の秘密がある。

 外食産業に詳しい流通科学大の碓井(うすい)将夫教授(フードビジネス)は言う。

 「店内が見えるようガラス張りにしたり、対面式調理を導入したりするなどオープンにすることで客に清潔感や安全性をアピールできる。また、セルフ形式なので人件費も抑制でき、価格に反映させることができる」

 調理を客の前で行う「フルオープンキッチン」と呼ばれるこの手法と、セルフ形式を組み合わせたことが、丸亀製麺の成功の秘訣(ひけつ)のようだ。

8坪の焼き鳥店から

 丸亀製麺の原点は、昭和60年にさかのぼる。

 トリドールの粟田貴也社長(54)は加古川市に焼鳥居酒屋「トリドール三番館」をオープンさせた。わずか8坪の小さな店で、「将来3つの店を持てるように」と願って店名に「三番館」と付けた。

 開店当初はまったく客が訪れなかった。他の店よりも営業時間を遅らせて、深夜まで営業するなど試行錯誤を繰り返す中で、粟田社長が思いついたのが、「フルオープンキッチン」だった。

 このスタイルを取り入れると、客とのコミュニケーションが深まって店に活気が生まれた。訪れる客も増えた。数年後には3店舗を経営するという当初の目標を達成した。

 「同じ焼き鳥を扱っていても、お客さまの目の前で焼き、できたてを提供するのとしないのとでは売れ行きに大きな違いが出ることを身をもって知った」と粟田社長は振り返る。

 このスタイルは丸亀製麺にも受け継がれた。

多様化する事業領域

 トリドールは焼き鳥居酒屋を展開する一方で、新たな事業として丸亀製麺も展開。平成12年、兵庫県加古川市に1号店をオープンさせた。

 粟田社長の父親が香川県出身で、うどん文化になじみが深かったことから思いついた事業だが、老若男女問わず受け入れられる国民食としての訴求力の大きさも魅力的だった。

 16年、鳥インフルエンザが社会問題化すると、トリドールは、主要事業を焼き鳥からうどんへとシフト。ロードサイド(駐車場付き郊外型店舗)やショッピングセンターのフードコートにも出店し、立地を問わない機動性が追い風となり、1号店オープンから11年となる23年には全国47都道府県への出店を達成した。

 トリドールは、丸亀製麺で培った経営ノウハウを生かして業態の多様化も進めている。

 16年、兵庫県明石市にフードコート向けの焼きそば専門店「長田本庄軒」をオープン。うどんと同様に製麺機を使用し、神戸市長田区名物の牛すじ肉とこんにゃくを甘辛く煮込んだ「ぼっかけ」をトッピングした焼きそばやオムそばを提供。現在、東京や大阪、千葉などの都府県に14店舗を展開している。

 17年には、北海道にラーメン専門店「丸醤屋」を出店し、ラーメン業界にも進出した。

拡大路線と人材供給

 「『食の感動』を世界中に広めていきたい」と粟田社長が話すようにトリドールは今、海外に目を向けている。

 23年には、米・ハワイに「丸亀製麺」海外1号店を出店。タイやロシア、ベトナムなどの各国に積極的に進出している。

 拡大路線をひた走るトリドールだが、それを支える生命線はあくまでも「商品力」と「人材力」にあると碓井教授は語る。

 「まず食べてみておいしいということが大前提で、手作りの部分を担うスタッフの力が重要になる。麺は季節や1日の天候によっても状態が変化するので、そうした性質を踏まえて製麺できる人材を育成し続ける必要がある」と指摘。店舗数の拡大に人材供給が追いつかなくなる状況を懸念する。

 粟田社長も同様の不安を感じているようで、「気温に合わせた製麺方法をまとめたマニュアルもあるが、最終的には人による微調整が求められる。研修期間を十分にとるなど、製麺に携わる人材の教育には特に力を入れていきたい」と話す。

 トリドールは10年後の37年度に、国内外の自社関連店舗数を6千店、連結売上高を5千億円とする数値目標を掲げている。店舗拡大に対応した人材の供給という問題は、これから正念場を迎えるといえそうだ。

http://www.sankei.com/west/news/160115/wst1601150005-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/160115/wst1601150005-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/160115/wst1601150005-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/160115/wst1601150005-n4.html

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posted by BNJ at 11:29 | Comment(0) | 鳥類一般ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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