2016年02月06日

立山のライチョウ 4タイプDNA確認 富大院生ら 定説覆す【中日新聞2016年2月6日】

ニホンライチョウのDNAの新たな塩基配列を見つけた豊岡由希子さん(左)と山崎裕治准教授=富山市五福の富山大五福キャンパスで

 北アルプス・立山に生息する国の特別天然記念物ニホンライチョウについて、富山大大学院修士課程二年の豊岡由希子さん(24)らがDNA解析をしたところ、DNAを構成する塩基配列が新たなタイプ一つを含む計四つ確認された。これまで立山のライチョウの塩基配列は一つとされ、このタイプが遺伝学的に病気や環境の変化に適応できない場合、一気に絶滅する可能性も指摘されてきた。ライチョウのDNAレベルの研究は始まったばかりだが、保護に向けた手がかりになりそう。(青木孝行)

 豊岡さんは、三年前から山崎裕治准教授(45)=進化学=とともに五、六月に室堂平(標高二、四五〇メートル)周辺でライチョウのフンを採取。フン百九検体を集め、遺伝的変異の情報を持つDNAの塩基配列を調べた。その結果、塩基配列で四タイプあることが判明。このうち一つは新タイプだった。

 ニホンライチョウは、北アルプスのほか、乗鞍岳、御嶽山など二千メートル以上の高山帯に、五つの集団に分かれて生息。これまでの専門家らの解析では全地域合わせて六タイプの塩基配列を確認している。今回新たに一つが加わり、計七タイプがあることが明らかになった。

 鳥類の遺伝子に詳しい国立科学博物館(東京)の西海功・研究主幹(48)=分子生態学=は今回の四タイプが明らかになったことに触れて「立山のライチョウは北アルプスで孤立して生息しているわけではなく、ほかから飛来した可能性もあるほか、もともと遺伝的な多様性が高い集団だったかもしれない。保全につなげるため、さらに研究を進める必要がある」と話す。

 豊岡さんは、今回の解析結果に「初めは見間違いではないかと思ったが、驚いた」と話し、山崎准教授も「ライチョウの遺伝的多様性を維持するための方策を考える重要な情報が得られた。豊岡さんの努力が報われてよかった」と喜ぶ。

立山のニホンライチョウ=富山市ファミリーパーク提供

 ライチョウ調査は高山帯に生息するため継続するのが難しく、特別天然記念物でもあり、研究があまり進んでいなかった。研究成果は、豊岡さんが修士論文としてまとめ、十五日に修士論文発表会で報告する。今後、二人の共著で科学専門誌に論文として発表する。

 ニホンライチョウ 信州大教授だった故羽田健三氏が、1985年に国内の生息数を初めて約3000羽と推計した。環境省は、2000年代に入り2000羽弱に減っていると推定している。国内の5集団のうち、南アルプスの集団は、高山帯へのシカなどの侵入により、餌となる植生が荒らされ、減少が深刻という。富山県自然保護課によると、室堂平を中心とした立山地域(1070ヘクタール)では11年が284羽(推計)で、06年の前回調査より39羽増えていた。
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2016020602100005.html

ttp://archive.is/zziEj

posted by BNJ at 21:38 | Comment(0) | 野鳥ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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